読書メーター KADOKAWA Group

毎週一作品について読み語らう会

太宰治『朝』を読む
トピック

月に春目だ
2021/08/08 21:58

太宰治『朝』を読むトピックです。
あれやこれやと各々の読みを共有し、互いの読みを深めましょう!

テキストは下記青空文庫のリンクよりご覧いただけます。ぜひお気軽にご参加ください。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1562_14860.html

このトピックのコメント
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itokake
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そうそう、太宰治、小憎らしい洒落者ですよね。人間としての弱さを自覚しながら、どこかお坊ちゃま気質が抜けきらない。そして文章は、「ザ・ブンガク」の気取りがなく、素直で読みやすい。私もそんな太宰が嫌いになれないです。

ヨックムド
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ひとしきりお話があった後に失礼します。太宰が好きで言うんですが、とことん狡猾です。この小説も計算し尽くされている。酒と女にだらしないというパブリックイメージ。しかしひとかどの小説家として信用してくれる純朴な人もいる。そんな人たちを失望させてはいけない。しかしうぶな女性の無防備な行為に惹かれてしまう。暗闇、ろうそくを灯す、灯が消えてしまう、酔いはまだ続く、すわ惨事…夜が明ける。(令和の目で見ると「けっ、おっさんがいい気なもんだ」と言いたくなりますが)本当に洒落ている。それだけにむかつく。だけど憎めない。

月に春目だ
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なるほど…。キクちゃんは「私」のこと(酒癖女癖の悪さ等)を知らない。itokakeさんの読みで合点がいきました。「いまではそのお母さんよりも、娘さんのほうが、よけいに私を信頼しているように、(略)私には思われて来た」この部分は縁談相手の相談や部屋の使用許可等と繋がっていたんですね!面白い!!

itokake
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もちろん、「女癖の悪い酔った男」にさらにお酒を勧めるなんて絶対しませんね…。ただキクちゃんは彼の女癖の悪さを知りません。キクちゃんの母親も当然知らない。だから縁談相手の相談をしているし、娘の部屋を使う許可まで出している。「飲んだくれの女にだらしない作家」だったら、しませんよね(笑)

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
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酒を断る理由ですか…itokakeさんの解釈は妥当そうですね。明るい所で女性に迫らないのもモテ男の条件でしょうし。そうした打算がありそうな主人公の造詣でした。
たたたさんの「気を紛らわせる」というのもありそうですが、なるほど。
主人公は明らかにその後の展開が分かってやっている、それでも彼のキャラは許される。紳士的でありながら酷く傲慢な男です。

itokake
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あぶないのに、なぜ飲むのか?面白い問いですね。
私なりの解釈ですが…
普段から彼は大酒のみ。彼の辞書には「酒を断る」はない。ただ限度を超えて飲むと、何をしでかすかわからない。今にも消えそうになる自制心がほんの少し残っていたからこそ、「飲んだら、あぶないと思った。」
でも結局飲むのは、相手が勧めたという大義名分があるから。
ちなみに、この作品ではもう一つの自制要素が描かれ、それが「光」(ろうそくや朝日)。明るいところで女性に迫るのは良しとしない美意識があったのでしょう。

月に春目だ
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私も太宰治のイメージは同じくダメンズ。
しかし窓から放尿、、その行為本当に「貴族的」でしょうか??野生というか野蛮というか、、少なくとも紳士的とは思えないというのが率直な感想です。またフランス恋愛心理小説の古典である『クレーヴの奥方』を持ち出してきているので、放尿問題については間テクスト性の観点から読むことも出来そうですね。

itokake
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窓から放尿、当時はありえないことではなかったんでしょうね。
キクちゃんが、「かまいませんわ。そのほうが簡単でいいわ。」とさも当然のように言うのにびっくり。
私だったら、「廊下を出てすぐですよ!歩いているうちに酔いも醒めます」とか言ってしまいそう。
その時代に当たり前に存在したのに、いつの間にかなくなっていく小さな習慣に特別なノスタルジーを感じます。
しかも「窓から放尿」なんてシモの事柄はおおっぴらに記録されないだろうからこそ、なおさら、小説で出会えるとちょっと嬉しくなります。

itokake
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>たたたさん
お酒、怖いですよ~。ドラッグなどの依存物質ランキングで、「使用者と社会に対して有害な物質」ではアルコールが堂々の1位。
https://buzzap.jp/news/20160308-most-addictive-drugs/

小説を読むとき、作者がどんな人か知っていると何倍もおもしろいです。
太宰治は、私のイメージでは「才能と女におぼれた愛すべきダメンズ」
この記事がおすすめ↓
https://study-z.net/100044708

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
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「あぶない」に関しては、確かにわざとらしくもあり、それなり自制心があるようでもありどちらとも取れますね。以下、感想です。
舞台設定からしていかにもな「男のロマン」。すれ違い生活から行き掛かり上流れでそうなったという大義名分も立ち、割といい感じになってしまうという。でも無粋なまねはしないで紳士的に逢瀬を楽しむ、太宰がもてた理由か。
窓から用を足すのは貴族。最後のオチはなんていうかこう期待通りだった。コトには及ばないはずだから。

月に春目だ
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小説って難しいですよね。実は私もよくわかりません。ですがその「わからない」事柄を作中の言葉を借りて言語化することが小説を「読む」ことなのだと私は思います。なのでなぜわからないのか、どこがどうわからないのか(さらに具体的に言うとこの人物のこの言動が自分の読みに矛盾を生じさせている等々…)と考えてみること、そしてそこから再度テキストにあたることで新しい視点が浮かび上がることがあるかもしれません。(説教じみた感じになりました…すみません…。作品を読解する面白さについて考えていたらついこうなってしまいます。反省。

月に春目だ
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たたたさん、ついにはじまりました笑。
実は私も学生時代に電子書籍収録の青空文庫を読んでいましたよ。(授業中かその他かは想像におまかせします!!)

月に春目だ
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こんばんは!(コミュニティの通知が来ておらず気づかなかったことお許しください…)
itokakeさん、早速コメントありがとうございます。私も「あぶない」という言葉に注目しました。この短い文章の中で「あぶない」をああも繰り返し使われると、わざとらしく思えて反対に自制心のある風を装ったとんでもなく不埒な男のように見えました笑ですが、確かにitokakeさんのように自制心のある男とも読めますね。人それぞれ見え方や捉え方が違って面白いですね!!コミュニティを作った甲斐あり!!

itokake
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えーっと、こちらに『朝』の感想を書いていいのかな??
フライイングだったらごめんなさい。

感想

エッセイのような作品。
この短さでこの緊迫感、文章うまいなあと久しぶりの太宰節を味わいました。
彼の女癖の悪さを考えると、「キクちゃんが、あぶない」という自制心の叫びに、彼でもこんな天使と悪魔のやり取りをするのか…と。

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