本のレビューコンテスト｜2019年第4回レビュアー大賞

皆様からの投票により、各作品のベストレビュアーが決定しました。
受賞者の皆様、おめでとうございます！さらに、ベストレビュアーの中で、もっとも支持を集めた「ベスト・オブ・ベストレビュアー賞」を選出しました。
2019年レビュアー大賞の結果は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2020年1月発売号に掲載されます。
また、2020年1月中旬から、「ベスト・オブ・ベストレビュアーのおすすめの文庫本」特設ページを公開いたします。ぜひお楽しみに！

森の三時さん

受賞レビュー

恋愛の完成形、成就とは何だろうかと考えました。誰にも代えがたい人と出逢い、けれどすれ違う。人生のどれだけ多くの時間を逢えない相手のことを想って過ごしてきたのだろうか。誓いの言葉も契約もないまま、幸福なる時も悲しみの時も病める時も、ずっと。最終章では静かな涙が出ました。これまでの喜び、悲しみ、辛さの全てを包み込むような穏やかな光の中、映画のような美しいシーンを想像し余韻に身を委ねました。心の機微をこの作家ならではの知的な表現で言語化しており、ホールで演奏会を聴くように、奏でられた言葉に耳を傾けて読みました。

対象作品「マチネの終わりに」

受賞者からひとこと

このたびは栄えある賞をいただきまして誠にありがとうございます。夏休みの宿題で一番苦手だったのは読書感想文という私が読書に目覚めたきっかけは、娘に読み聞かせるため図書館に通うようになったことでした。大人になると冒険も夢のような恋も本の中の物語でしか経験できないことを知り、読書はもう一つの世界に繋がる架け橋のようなものです。感想を書くときは、作家さんとその本が好きな方に敬意を表し、良かったと感じたことを中心に記すよう心がけています。素晴らしい本を読んだ後に、読書メーターでどなたかの素敵な感想に出合ったときは喜びが２重となります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。