レビュアー大賞・第6回 ベストオブベストレビュアー受賞者が選ぶ!おすすめの文庫本!レビュアー大賞・第6回 ベストオブベストレビュアー受賞者が選ぶ!おすすめの文庫本!

255文字のレビューコンテスト「レビュアー大賞」にて、ベスト・オブ・ベストレビュアー賞に輝いた、 はるまちさんのおすすめ文庫本3冊を、はるまちさんのレビューと共に紹介!

ベスト・オブ・ベストレビュアー

はるまちさん

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2,500を超えるエントリーの中から選ばれた、辻村深月『かがみの孤城』のレビューは、第6回レビュアー大賞結果発表ページからご覧ください。

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はるまちさんのおすすめ
文庫本3冊はこちら!

  • 屍人荘の殺人

    屍人荘の殺人(創元推理文庫)

    今村昌弘

    事前知識を何も入れないで読んでほしい本です。(と書きながら、これから書くことは事前知識になってしまうのですが……)
    トリックはもちろんのことですが、物語の構成が巧みすぎて鳥肌ものでした。 作中でもメタ的に触れられている、クローズドサークルを作るための設定が、単なる舞台装置だけで終わらず、犯人の台詞によって最後の最後で明確な意味を持つところに、ゾクっとしました。
    この感覚を味わうために読んでもいいと断言できるくらい素晴らしい物語だと思いました。

  • 光圀伝

    光圀伝(角川文庫)

    冲方丁

    選ばれてしまった人間の苦悩の物語だったと思います。
    作品を通して発せられ続ける主人公光國の「なんで、おれなんだ」という己への問いは、時に呪いのように心を蝕み、時に前へと進ませる力にもなっています。
    答えをがむしゃらに見つけ出そうとする主人公光國の姿に人間味を感じ、感情移入してしまいます。そうなるともう、作中での登場人物との別れのシーンは胸に来るものがありました。
    水戸光國といえば、ドラマでも有名な人物ですが、本作では豪胆かつ繊細に描かれた光國像が新鮮に映りました。

  • 蜜蜂と遠雷

    蜜蜂と遠雷(幻冬舎文庫)

    恩田陸

    日本語表現の美しさと人間ドラマの面白さが併存していて、魅力的な物語でした。
    ピアノコンクールという、私には縁遠いものが舞台でしたが、演奏シーンの表現が非常に美しく引き込まれました。一曲一曲、繊細でもありダイナミックでもある美しい映像的なイメージを強烈に脳裏に叩き込まれ、言葉に表現の限界はないのだなと感じさせてくれました。
    また、登場人物それぞれが魅力的で、競い合いながらも親交を深めていく様子が微笑ましく思え、コンテスタント全員を応援したくなるような気持ちになりました。

ベストレビュアー
おすすめの本もご紹介!

  • 小さいおうち

    小さいおうち

    きいたんさんのレビュー:

    引き込まれた。夢中でページを巡った。昭和初期。十代前半という若さで女中となる為に上京したタキの物語。昭和初期と言えば戦争は切り離せない。しかしこの物語では戦争の重苦しさと悲惨さが直接迫って来ない。むしろこれまでイメージしていた戦中の暮らしが覆される程、無知で楽観的で、だからこそのリアリティを感じる。
  • 左京区七夕通東入ル

    左京区七夕通東入ル

    ひめか*さんのレビュー:

    服にブルーベリーをこぼしたのが、運命の人との出会いへと繋がった。一つのことに熱中する理数系男子たちは、いろんなことに興味を持てる花を羨ましく思うし、その逆も然り。花や龍彦と同じ大学4年の時に読み、熱中すると他のことが見えなくなる龍彦は、私の彼とそっくりで。だからこそ、この作品にすごく共感して手元に置いておきたい1冊になった。
  • 『罪と罰』を読まない

    『罪と罰』を読まない

    natsukoさんのレビュー:

    羨ましかった。もう地団駄踏むほど。「読まずに」好き放題妄想する楽しみと、「読んで」振り返り語り合う楽しみ、それを両方味わう四人が。四者四様の想像と偏見で膨らむ物語は勝手に暴走し、ノリノリ適当に推理するおかしさ。途方もなく遠ざかったり、かと思うと突然核心をつき閃めいたり。こんな読書会いつかしたいな。
  • 人質の朗読会

    人質の朗読会

    inarixさんのレビュー:

    「うまく説明できないけど、すごいと思ったの」と、おすすめされた本。読んでみると確かに「うまく説明できないけど、すごい」。人質、犯人、兵士、たったそれだけの観客が聞く、人質の朗読会――。ささやかな他人の人生の一場面が、どうしてこんなに胸に刺さるの。揺さぶるの。
  • 14歳の水平線

    14歳の水平線

    MOCCOさんのレビュー:

    14歳男子って、ほぉー。こんな感じなのかぁ~、と思いながら読み進むうちに、天徳島の不思議さと魅力にグングン惹きつけられる。6人の全く方向性の違う強い個性をもった男子達の関係性が徐々に変化する模様を見ていられるのも、すごく面白い。
  • さいえんす?

    さいえんす?

    スイさんのレビュー:

    ミステリー作家の頭ん中ってどうなってんだろか。と思ったことがあるのは私だけではあるまい。東野圭吾さんの頭の中を(少しだけ)覗けるエッセイ。後の「人魚の眠る家」「プラチナデータ」などに描かれる思考の試みが垣間見え、内容は環境問題から野球まで、守備範囲広すぎませんかね。15年位前の本だけど今読むのも味わい深い。
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