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風に吹かれて
さんの感想・レビュー

風に吹かれて
新着
戦後70年の昨年刊。様々な形で発表したものと書き下ろしのもの計12本の文章を収録。著者は文芸評論家でもあるので、文芸作品を取り上げて論じたものも多いが、ヒロシマ、ナガサキ、オキナワ、靖国神社やゴジラ(アメリカの水爆実験で生まれたゴジラの出自をハリウッド版はすり替えている)など、いろいろな文化事象や社会事象から聞こえてくる戦争の「谺」を探っている。注意深く耳を澄まさないと聞こえない「谺」もあるかも知れない。谷川俊太郎じゃないけど「みみをすます」ことは大切だ。
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風に吹かれて
さんの最近の感想・レビュー

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)

國分功一郎
 本書が第16回小林秀雄賞を受賞したときの記念インタヴュー(2017.11.2…続きを読む
東京藝大で教わる西洋美術の謎とき (基礎から身につく「大人の教養」)

東京藝大で教わる西洋美術の謎とき (基礎から身につく「大人の教養」)

佐藤 直樹
『見かた』の次は同じ著者による『謎とき』。本書執筆時は藝大教授。  『見かた』…続きを読む
東京藝大で教わる西洋美術の見かた (基礎から身につく「大人の教養」)

東京藝大で教わる西洋美術の見かた (基礎から身につく「大人の教養」)

佐藤 直樹
 著者は芸大准教授。美術学部で講じている「西洋美術史概説」の一部を一般読者向け…続きを読む
スリーピング・マーダー (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

スリーピング・マーダー (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アガサ・クリスティー
 ミス・マープル№12。 新婚のリード夫妻はディルマスに住み始める。調べてもデ…続きを読む
ローマ人の物語 (43) ローマ世界の終焉(下) (新潮文庫)

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塩野 七生
 かつての西ローマ帝国は各地域が蛮族の領地となった。『ローマ法大全』編纂中の時…続きを読む
ローマ人の物語 (42) ローマ世界の終焉(中) (新潮文庫)

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塩野 七生
 410年、西ゴート族による五日間の「ローマの劫掠」。このとき皇帝ホノリウスの…続きを読む

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/01/02(3720日経過)
記録初日
2015/01/02(3720日経過)
読んだ本
1188冊(1日平均0.32冊)
読んだページ
418809ページ(1日平均112ページ)
感想・レビュー
1188件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
性別
自己紹介

«2024年の読書の主なもの»
◎小説以外から。川名晋史『在日米軍基地‐米軍と国連軍、「2つの顔」の80年史』(中公新書)。ウクライナやパレスチナ関連の本を何冊か読んだが、それでは我が国はどうなっているのかということに目を向けることも大切と思い手に取った。在日米軍基地について新たに知ることが多く有意義だった。
◎日本の小説から。市川沙央『ハンチバック』(文藝春秋)。読んだ日本の作品は少なかったが、本書は攻撃的で刺激的だった。挑戦的でもあって、それでこそ小説だと思う。
◎海外小説から。ウィリアム・フォークナー『野生の棕櫚』(加島祥造訳、中公文庫)。折に触れて一冊でも多く読みたいと思っているフォークナー。本作は、ふたつの小説が交互に描かれ、その螺旋構造が1+1を遥かに超えたものを読む者の胸の内に響かせる。小説を堪能したという気持ちになった。フォークナーが伝えようとしたことのどれほどを受け止めることができたかは、別にしても。もう一冊。アガサ・クリスティー『カーテン』(田口俊樹訳、ハヤカワ文庫)。ポアロ・シリーズ最終巻。『カーテン』を読むために32冊の長編ポアロを読んできたかのように思えた。人間心理や人間社会がミステリーとすれば、まさにミステリーの傑作(もちろん、私の感想)! 読書中のマープル・シリーズは残り三冊。最後に何が待っているのか、楽しみである。


≪2023年の読書の主なもの≫
◎小説以外から。スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ『セカンドハンドの時代‐「赤い国」を生きた人びと』(松本妙子訳、岩波書店)。ソ連崩壊前後以後を生きた人びとの証言を20年の歳月を費やして集めた。「普通の人びと」がどれほどの苦難の中で生きてきたか、これほど胸に迫って伝わってくる本はあまりないと思う。
◎日本の小説から。村上龍をいくつか読んだけど、再読なので除外すると、あまり日本の小説を読まなかったが、吉村昭には手が伸びていた。『戦艦武蔵』(新潮文庫)を選んでおきたい。どこかで敗北を予感しながら、巨大な戦艦を日本は造った。戦艦が造られていく様子の詳細さは国の滅びも辞せぬ狂気が伝わってくるようだった。
◎海外小説から。ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』(上田真而子、佐藤真理子訳、岩波書店)。以前、映画を見たことがあり、それで満足していたのだが、私が見た映画は原作の前半を扱ったものだった。何歳になっても忘れてはならないことが後半で展開されていた。読んでよかった。

≪2022年の読書の主なもの≫
◎小説以外から。ゼ―バルト『空襲と文学』(鈴木
 仁子訳、白水社)。第二次世界大戦でのイギリス
 空軍による無差別絨毯爆撃。爆撃による人々の苦
 しみの真実を伝える文学の意義。アメリカがいく
 つもの戦争で行った無差別殺戮を検証する『戦争
 の文化』(ジョン・W・ダワー、三浦陽一監訳他
 、岩波書店)とともに大国の帝国的差別的攻撃を
 考えさせられた。
◎日本の小説から。『世阿弥 最期の花』(藤沢周
 、河出書房新社)。佐渡ヶ島に島流しされた世阿
 弥。島の人々が彼と共にひとつの能の舞いを作り
 上げる。世阿弥が天空に舞うかのような藤沢周の
 描写の冴え。感動した。
◎海外小説から。翻訳本も原書も読んだ『クララと
 お日さま』(土屋政雄訳、早川書房)& “KLARA
  AND THE SUN” (faber)。観察したことから学
 び考えるクララ。『恋するアダム』(イアン・マ
 キューアン、松村潔訳、新潮社)
 (原題:MACHINES LIKE ME)のアダムはイン
 ターネットを通じてあらゆる情報から学ぶ。アダ
 ムは限定生産のうちの一台。人間のあらゆること
 を学ぶということは人間の矛盾も学ぶということ
 なのだろう。矛盾に耐えられないからか生産され
 たアンドロイドの半数ほどが自らシャット・ダウ
 ンする。太陽をまっすぐな心で信じるクララと好
 対照。AIロボットを生かすも殺すも、人間がど
 う生きるのかにかかっているのかもしれない。

《2021年の読書の主なもの》
◎日本の小説は二人の作家を中心に読んだ。夏目漱
 石の全小説再読、遠藤周作の所有本を再読。充実
 の読書だった。
◎エミリー・ブロンテ『嵐が丘』がこのような作品
 だとは想像していなかった。一気読み。シェイク
 スピアの戯曲は永遠のmasterpiece。コルソン・
 ホワイトヘッド『地下鉄道』は小説的想像力によ
 って構築した希望。ジャック・ロンドン『火を熾
 す』、また読みたい。
◎再読であったが、ジョン・ダワー『敗北を抱きし
 めて 増補版‐第二次世界大戦後の日本人』で、
 日本人として知っておくべき日本の姿を改めて見
 せてもらった。
◎池澤夏樹が時間をかけて訳出した話題の詩集『カ
 ヴァフィス全詩』、古代の歴史に人生を読み込ん
 だ詩に感銘を受けた。

《2020年の読書の主なもの》
◎漱石の俳句、文学論、評論、安部公房の小説を読
 む。安部公房の『方舟さくら丸』は傑作だと思
 う。
◎フォークナーの土地と人間の深い結び付きと人間
 が生きることの生々しさに感銘。特に『八月の
 光』。
◎小説以外では、宮本ゆき『なぜ原爆が悪ではない
 のか アメリカの核意識』は教えられること多か
 った。

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