2020年12月の注目本!トレンドワードまとめ

本の感想・レビューが集まる日本最大級の書評サービス読書メーターで、2020年10月-11月にアクセスが増加した本を紹介!12月公開の映画や2020年社会現象となった『鬼滅の刃』の最終巻、外伝など。一部作品には試し読みも。

*感想・レビューはネタバレを含む投稿を除き、ナイスが多い順に自動で表示されます。

注目のできごと

2020年全米図書賞 翻訳文学部門に柳美里『JR上野駅公園口』

#全米図書賞 翻訳部門 2020

だんぼ

一度だけ 盆休みの前に何日か帰れた年 子供たちの甘酸っぱい汗のにおいをびこういっぱい吸い込んで 容姿よりも 無口なこと 無能なことが苦しかった

ナイス ★446

bunmei

現在と過去の出来事を交錯させながら、上野の街や人々様子も具に写しとり、言葉や文章も文学的な表現で彩られている。出稼ぎで家族とも離れた生活の中で、ホームレスとなった不遇な男の生涯を通して、そこはかとない悲しみと哀愁が漂ってくる。上野を舞台として、普通の人々の日常とホームレスの非日常を対比する中で、出稼ぎ、天皇制、日本経済の浮き沈み、家族との死別等を取りあげて、人生の光と闇を鋭く描写している。生まれた事が悪いのか?それとも運が悪いのか?社会の隅に追いやられた男の、悲痛な叫びが聞こえてくるヒューマンドラマ。

ナイス ★371

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#映画 罪の声 原作

ヴェネツィア

塩田武士は初読。本書は1984年~85年にかけて起きた「グリコ森永事件」の資料を駆使して、あり得たかもしれない事件の真相、あるいは犯人像を描き出そうとする試み。文章・文体はけっして練達したものとは言えないが、真摯に向かい合う姿勢は好感も持てるし、また成功をもたらしてもいるだろう。構成上も工夫が凝らされており、例えばプロローグの置き方や、当事者(かも知れない)の甥と新聞記者の2方向から事件の解明に向かう手法などは他にあまり類を見ないもの。そして、何よりもいいのはその視点の暖かさと、他者への信頼とである。

ナイス ★1064

ミカママ

昭和のアイコンである未解決事件の真相を、フィクション仕立てにした作品。新聞記者と、犯人側の身内が二本立てで追うという視点と、犯人の目的の多様性が、残念ながら読み疲れを起こさせる。関西弁で飄々と進む構成は好き。ことに新聞記者の鳥居がいい。こういう頭も会話もキレッキレな男子、クラスに一人はいるんだよな(笑)事件の内容はほぼうろ覚えだが、阪神の優勝は覚えてる。当時の彼がファンだったので。

ナイス ★663

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#そしてバトンは渡された 映画化

さてさて

バトンを渡した走者は、次の走者の走りを見守るのみです。決して手を出すことはありませんし、手を出すことはルール違反です。でもみんなバトンのことを忘れたりはしません。自分の役割が終わった後もバトンの受け渡しをずっと見守り続け、バトンが未来に受け渡されていくことに声援を送り続けます。この作品を読み終えて、自分というバトンを今日まで繋いでもらったことへの感謝の気持ち、そして今度は自分が明日にバトンを繋いでいくんだという自覚の芽生え、自分の周りに見えていた景色が少し変わったようなそんな思いにさせてくれた作品でした。

ナイス ★679

タイトルのバトンの意味、表紙の絵の意味に読んだら凄く納得しました。物語の構成も上手いなと思います。優子ちゃんの周りの親たちは皆いい人で、現実ではそんなにうまくいくかな?と思うほどでした。優子ちゃんは恵まれているなと思いました。血縁があろうがなかろうが家族は家族で、互いに大切に思う気持ちがあれば幸せになれるのだと思います。映画化するキャスト陣、イメージにめちゃくちゃ合っていると思います。

ナイス ★549

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#鬼滅の刃 最終回

海猫

詰めに詰めても、なかなか倒せない鬼舞辻無惨のしつこさ。登場人物たちとシンクロして「死んでくれ頼む」と叫びたくなった。このラストバトルのくだりはかなりジョジョの、特に2部の影響を感じる。完璧な究極の生物、とかね。だけど作品の方向性は違うので屹立したオリジナリティーがあった。大枠のストーリーの畳み方も、この作品特有のもので大いに感じいる。メッセージ性も素晴らしく思う。また1巻から読み直そう。アニメもこの最終巻まで映像化されると思うので、「鬼滅の刃」との関わりは終わっていない。とにかく、完結までお疲れ様でした。

ナイス ★556

こも 零細企業営業

終わったね。。終わった。多くの人が犠牲になったし、多くの人が傷を負って後遺症も残った。それでも時が経って平和な世の中になった。良かった、良かった。

ナイス ★403

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#鬼滅の刃 外伝 煉獄さん

海猫

外伝は絵が本編より劇画チックなんだけれど、雰囲気や演出を上手く寄せてあり、あまり違和感がない。特に擬音の描き方は良い感じにラーニングしているんじゃあないでしょうか。「冨岡義勇伝」はなんとなく「ゴールデンカムイ」を連想してしまった。犬に、齧られながら冷静に喋ってる場面が妙に可笑しい。「煉獄杏寿郎伝」の方が、煉獄さんのキャラを掴んでいて生かしている感じ。最近、映画の無限列車編を観てきたとこだったしね。4コマ漫画の「きめつのあいま!」は頭身の低いキャラがポップ。ギャグとしては軽いおちゃらけを楽しめるぐらいかな。

ナイス ★205

こも 零細企業営業

柱達って、個性的だよな、、そのほとんどが無惨達鬼に、、

ナイス ★104

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#中条あやみ 閻魔堂沙羅の推理

た〜

新刊の方を先に読んでしまってよかったのでこちらも。後先入れ替わっても全く問題なし。しいて言うなら閻魔大王なのに健康診断な理由が後から成る程。閑話休題。面白さは新作同様、でもいい話という点では断然こちらが上。特に82歳無職・老衰の話では涙腺崩壊 でも、沙羅ちゃんの黒さでは新刊に分があるかな。

ナイス ★99

さばかん

事件の被害者が探偵役という役回りで話を回すミステリー。      自分を殺したのは誰だ?    今ある情報だけで推理できる。     制限時間は10分。      なかなかに親切で丁寧なミステリだった。

ナイス ★93

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#9年ぶり ハルヒ新刊

mitei

多分京アニの事件で本書の企画が上がったのか、出るたびに久しぶりと書いているがハルヒワールドを久しぶりに堪能できてよかった。また本編も進めて欲しい。しかしラノベを読んでた中高生だった私がもはや30台になると感覚が変わってる感じはした。鶴屋さんのミステリーと七不思議、お正月の話し。

ナイス ★258

えか

最後の、推理物が面白い。一人称で、誰かのセリフの受けごたえで、初めてその叙述がセリフなのか、心の中の独白なのか、分かるって、この本のキョンの立ち位置そのままじゃないですか。思うに作者、初めは、これキョン君主役の長編で、出来ないかと、思っていたんじゃないかな。もちろん、そうなれば、メタ構造にするしかないので、諦めたのかも。これまでのシリーズが壊れちゃうものね。では何で、そんな途中経過なものを書き下ろししてまで、この本を出したかって言うと、全ては、“最後に“のこのページを載せて、発表したかったんじゃないかな。

ナイス ★75

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#キングコング西野 絵本 映画

えんとつ町のプペル
starbro

幻冬舎刊で有名人作家(お笑い「キングコング」の西野亮廣)の作品ということで、各書店がプッシュしていたので、興味を持って読みました。にしのあきひろ、初読です。欧羅巴の作家かと思うほど濃密な絵で、話の内容と反比例で美しく緻密な絵が素敵です。いじめっ子、いじめられっ子の両方に読んで欲しい内容、こういう絵本でイジメ教育、英語(日本語とW表記)教育を行ったら、良いのではないでしょうか?

ナイス ★595

射手座の天使あきちゃん

【えん】エンターテイメントの世界を生きた、男が仕掛けた大勝負は 【とつ】突拍子もないプロデュース、自慢の絵本の無料公開 【町の】町のウワサに、映画も出来て 【プ】プアーなストーリーとのご意見あるも 【ペ】ペイペイ(PayPay)でも支払いOKの興行収入8.7億円(10日間で) 【ル】ルンルン気分は吉本興業… みたいな感じでした(笑)  とにかく絵がキラキラと奇麗です。やたら日本語の看板が目に付くのはクラウドファンディングのスポンサーでしょうか? <(^_^;

ナイス ★404

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#私をくいとめて 原作

さてさて

『一人で生き続けてゆくことになんの抵抗もない』。『一人でいる時間』を大切なものと考え『おひとりさま』と呼ばれる時間を大切にしていた主人公のみつ子。この作品ではそんなみつ子が『頭の中の自分自身』と会話する中に人間が本当に必要とするものの存在に気づいていく物語が描かれていました。綿矢さんならではの比喩表現の魅力を堪能できるこの作品。リアルなイタリア旅情を楽しめもするこの作品。みつ子と『頭の中の自分自身』である『A』との会話のリアルさの中に、グイグイ読ませる綿矢さんの筆力を改めて感じさせる素晴らしい作品でした。

ナイス ★171

みかん🍊

もうすぐ33歳独身で一人の生活に馴染んでいるみつ子は脳内にいるAとの会話でアドバイスを貰ったり励まされたりしている、会社では真っ当に働き、それなりにお一人様を満喫しているので、気になる人はいるが今更深く関わりたくなく友達関係でいたい、結婚してイタリアに住む親友の誘いで思い切っての一人海外旅行で行動を起こす事で自分の気持ちが分り、脳内のAを頼らなくても良くなって来たのかもしれない、こんな女性が今は多いのかも。30代のなのに飛行機の恐怖を大滝詠一を聴いて柔らげるのは笑った。

ナイス ★109

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#アニメ映画化 ジョゼと虎と魚たち

ヴェネツィア

以前に芥川賞作の「感傷旅行」を読んで、もう読むこともあるまいと思っていたのだが、小川洋子さんのご推薦で本書を手にすることになった。田辺聖子さん、ごめんなさい。貴女のことを過小評価しておりました。9つの短篇からなる、この小説集はほんとうに素晴らしい。9篇の物語は、男女の対幻想を女性の側から語っているのだが、いずれの相手も、幾分情けない大阪男なのだ(「うすうす…」と「雪の…」はちょっと例外)。このあたりは大阪出身の織田作之助『夫婦善哉』の伝統の継承者たる面目躍如たるもの。通俗的な文体もある意味では効果的だ。

ナイス ★593

ミカママ

リアルタイムで手を出して挫折してたやつ。お聖さんの代表作ともいえるこちらを素通りはできまい、と。ていうか短編集だったんだ。主人公はどれも妙齢の女性。私生活に出入りする男性たちへの期待、苛立ち。なんというかやはり、女性の心理描写が巧い。30年以上前の作品なのに、当たり前だけれど、女性の置かれる環境ってあまり変わってないのだな。映像化された作品もあるらしいので観てみたい。

ナイス ★559

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#無能なナナ アニメ原作

mitei

いきなりの展開に驚く場面が多々。流石るーすぼーいだなと思った。なるほどそういう世界観なのかと面白く読めた。あのタイムスリップする人がどうして殺したのかが、はっきり分かりにくいかなぁ。

ナイス ★208

wata

天然の空気読めない女の子のラブコメかと思いきや…怖いじゃん!!想定外でした(((((゜゜;)

ナイス ★44

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#小林泰三 デビュー作

夢追人009

SFホラー作家・小林泰三のデビュー作品集ですね。表題作『玩具修理者』はシンプルですが生理的な嫌悪感が込み上げてくる悪夢の如き名作ですね。近所に住む玩具修理者は、どんなものでも一旦全てのパーツをバラバラにして最後には治してくれる。死んだ猫でさえ治してくれるのだから、姉の私は誤って死なせてしまった幼い赤ん坊の弟の死体を持って行くのだが…。まあ意外性はそれ程ではありませんが、著者が考え出した「悪夢の童話」と言うべき1アイディアの勝利ですね。玩具修理者の呼び名「ようぐそうとほうとふ」も不気味さを盛り上げています。

ナイス ★339

青乃108号

短編【玩具修理者】は昔貸本で読んだ日野日出志の漫画の様、白や黄色やオレンジの汁にまみれたシュールな恐怖。シンプルな物語だが強烈なインパクトを残す。続けて次の中編【酔歩する男】を読み始めるが。これは、俺の様なメンヘラは読んでは駄目な物語だった。ぐるぐる、ぐるぐる。読んでも読んでも終わりの見えない絶望的な反復。このまま俺が、ずっとこの物語に取り込まれたままになってしまいそうな恐怖。ああ、やっと終わった。ところで今、風呂から上がってきた妻は、俺の知っている女だろうか。恐る恐る、振り返る。

ナイス ★281

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#女子刑務所 美容室

鉄之助

タイトルから想像したのとは違い、軽~い物語。表紙のイメージ通りだった。刑務所の中にある、一般の人も利用できる「あおぞら美容室」。受刑者だけでなく、そこに通ってくる利用客たちにスポットを当てた。テーマは面白い、と思う。が、冗長な会話文が延々と続き、チョット飽きてしまった。刑務官が、気軽(?)な感じで、話しかけてくるのも、違和感。

ナイス ★395

三代目 びあだいまおう

結論すごく良かった!最後に泣いた❗小説を読んでいると時々、登場人物を本気で応援したくなることがある。成功者や英雄譚などは完全客観的に物語自体を楽しめるのですが、たまに感情移入しすぎて、主人公やストーリーシーンをリアル私生活と捉えてしまう。読前は刑務所内の美容室に受刑者達が髪を切りに来て、罪や後悔を語るストーリーかと。違った。刑務所内の、普通の客が訪れる美容室、美容員自身が受刑者!失敗や後悔は誰にもある。明日への希望を失うことも。確かに過去は変えられない。でも未来は変えられる!頑張れ!幸せ掴むんだぞ‼️🙇

ナイス ★315

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