2021年1月の注目本!トレンドワードまとめ

本の感想・レビューが集まる日本最大級の書評サービス読書メーターで、2020年11月-12月にアクセスが多かった本を紹介!文学賞の候補作、公開予定の映画原作、話題のドラマ原作小説など。一部作品には試し読みも。

*感想・レビューはネタバレを含む投稿を除き、ナイスが多い順に自動で表示されます。

注目のできごと

芥川賞・直木賞候補作の発表、この〇〇がすごい!2021発表

#直木賞候補 芦沢央

汚れた手をそこで拭かない
starbro

第164回直木賞にノミネートされてから図書館に予約したので、漸く読めました。(既読6/6コンプリート)芦沢 央、2作目です。本書は、イヤミス短編集、オススメは、『忘却』&『お蔵入り』です。直木賞ノミネートも納得ですが、次は長編で直木賞を受賞して欲しいと思います。本書で区切りの3,500レビュー達成しました。 https://books.bunshun.jp/articles/-/6032?ud_book

ナイス ★714

bunmei

人は失態を犯し、窮地に追い込まれた時、自己防衛の本能からその場を凌ごうとして、嘘や見栄を張ってしまうことがある。最初は些細な嘘のつもりが、次第に取り返しのつかない罪へと膨らんでいく。結局、嘘は嘘を呼び、だるま式に膨れ上がっていく。そんなジワジワと締め付けてくるような深層心理を、イヤミスタッチで描いた芦沢作品。決して悪意があったわけではなかったが、事実の隠蔽により、どうしようもない現実に直面していく主人公。誰もが、この当事者になり得るのかもしれない特別な日常に、警鐘を鳴らすようなブラックなミステリー。

ナイス ★608

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#直木賞候補 加藤

オルタネート
starbro

以前から気になっていた加藤 シゲアキ、初読です。直木賞の候補作発表前、発売直後に図書館に予約したので、早めに読めました。第164回直木賞候補作1/6です。本書は、料理×高校生限定のSNS(オルタネート)×音楽の青春譚の佳作でした。アイドル作家にしては文章が巧みですが、直木賞受賞までの勢いを感じませんでした。出版社も新潮社なので、受賞はないと思います。 https://www.shinchosha.co.jp/alternate/

ナイス ★840

bunmei

直木賞候補作品ということで、加藤君の作品を初読み。新時代に生きる高校生の恋愛や友情、夢に向けての世界観をリアルに写しとった青春群像劇。そのベースが高校生のみが利用できるマッチングアプリ『オルタネート』。そんなアプリを媒体とした構成は、令和ならではの視点とも言える。但し還暦迎えた自分にしたら、最初から「フロウ・オルタネート・コネクト」と横文字が飛びかい、人物名も突飛で、アプリ頼みの短絡的な恋愛観も、なかなか寄り添えなかったかな。それでも、最後は、それまでの伏線を上手に回収していた。

ナイス ★758

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#芥川賞候補 尾崎世界観

母影
starbro

第164回芥川賞候補作 既読4/5、尾崎世界観、初読です。 芥川賞候補作っぽい作品ですが、昭和の母子家庭の物語、あまり新鮮味がありません。 https://www.shinchosha.co.jp/book/352142/ https://www.creephyp.com/feature/omokage 2月は、本書で読了です。

ナイス ★297

旅するランナー

小学生の少女の目を通して見えてくる世界観。子供が感じる孤独、喜び、母への思慕、変タイな大人の世界が、物悲しく描かれます。影の描写が素晴らしく、その意味でタイトルが秀逸です。この何とも言えない読書感は何なんだろう。

ナイス ★254

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#芥川賞候補 宇佐見りん

推し、燃ゆ
ヴェネツィア

文体の成熟度、完成度は極めて高い。言葉の紡ぎだす世界の信頼度もまたそうだ。その意味では、タイプは全く違うが、『日蝕』でデビューした頃の平野啓一郎を思わせないでもない。ただ、その一方で、内容的には随所に矛盾を孕んでもいる。そもそも、あかりは「推し」に全てを投影しながらも、それに溺れることはなく、いたって自己内省的でクールに冷めている。また、高校を中退した学力と、分析的な思考との乖離もまた大きい。すなわち、この小説は自分自身の存在意義を投影によって確認しようとしつつ、崩壊の予兆を最初から予見していた⇒

ナイス ★1907

ろくせい@やまもとかねよし

自己を問う物語。古くからの主題。しかし、まさに今でしか紡げない作品。主人公の思考表現は、重々しくないが決して軽いものでもなく、宇佐美さんの筆力に感服。自己形成の軸には他者が不可欠。主人公のそれは「推し」。「推し」への利他性を、切ないまで惜しみない利己で発する。偶像である「推し」は別世界の存在。一方「推し」は近親の人間。理想と割り切る「憧憬」の偶像が、現実の生活に「共生」としてが入り込み、この自己意識での曖昧な距離感が、自己を形成する過程を複雑にするのか。いつの時代も人間は自己を支える利他を求めるだろうか。

ナイス ★1795

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#島清恋愛文学賞 綿矢りさ

生のみ生のままで 上
ヴェネツィア

10代で鮮烈なデビューを果たした綿矢りささんも35歳(本書の執筆当時)。こんな小説を書くようになった。なんだか、親戚中の期待を背負った姪を見ているような言い方だが、ついそんな気分になってしまう。さて、本書の新境地は女性同士の間の愛を全うすることの可能性を追求したこと。これだけ性の多様化が認知されようと、それはまだまだ観念的な領域でのことなのか。男である私にはわかりかねるのだが、女性におけるバイセクシュアルは案外普通の事なのだろうか(もっとも、彩夏はホモセクシュアルのようだが)。私は自分がヘテロ⇒

ナイス ★444

starbro

綿矢りさは、新作中心に読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか、少女漫画チックな同性愛小説、上巻まではありがちな内容です。下巻では、どういう結末を迎えるのでしょうか?続いて下巻へ、トータルの感想は下巻読了後に。【読メエロ部】

ナイス ★340

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#ノースライト ドラマ ネタバレ

starbro

横山 秀夫は、新作中心に読んでいる作家です。久々の新作(実は10年以上前に執筆したお蔵入り)なので、期待して読みました。建築家族叙情ミステリ、期待した割には、元々お蔵入りだったせいか、凡作でした。建築(家)や設計に興味のない方には、辛い作品かも知れません。

ナイス ★867

ウッディ

「あなたが住みたい家を建ててほしい」建築士の青瀬は、そんな依頼に応え、北からの光(ノースライト)を取り入れた渾身の家を建て、評価される。しかし、依頼主の吉野一家はその家に引っ越してこず、一脚の椅子が残されていた。ダム建設技術者であった父と現場を転々とした少年時代、バブル崩壊で辛酸をなめた仕事と離婚、そんな青瀬の過去が、吉野の失踪と繋がっていることがわかる。建築をめぐるミステリーで、不遇の画家の遺作を展示する美術館の設計に挑む、建築家たちの熱い想いも伝わってきて、お仕事小説としても読み応えがありました。

ナイス ★800

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#ラジオ小説 HiHi Jets

オートリバース (単行本)
散文の詞

80年台のアイドルとその親衛隊にまつわる話。 事実に基づいたフィクションだと思いたいが、もしかすると…。 懐かしいともう人も多いだろうし、新鮮に映る人も多いだろうが、どうも、私には、怖さのような感情が残った。 それから、オートリバースが嫌だという理由が、いまいちわからなかった。まあ、繰り返すという意味では、アイドルとファンの関係を合わしているのかも知れないが。 ただ唯一、その当時の小泉今日子は輝いていたのだろう。

ナイス ★154

よつば🍀

高崎卓馬さん初読み。アイドル黄金期と呼ばれた1980年代に小泉今日子にハマった橋本直・高階良彦、二人の青春物語。14歳の時に千葉県の中学校で転校生同士として知り合った直と高階。学校では校内暴力や喧嘩が日常茶飯事。そんな時、二人を夢中にさせたのが『スタ誕』をきっかけにデビューした小泉今日子。二人は親衛隊に入りNHKのレッツゴーヤングの公開録画へ参加しハチマキ姿でコールしたりする。最近はオタ、昔は親衛隊。今と応援のカタチは違えども少年達の姿は熱くて純粋だ。ウォークマンとか持ってたなと懐かしさに浸りながら読了。

ナイス ★97

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#さんかく窓の外側は夜 映画原作

眠る山猫屋

読み友さん数人が褒めていたが・・・納得の面白さ。てか怖さ(苦笑)BL要素は個人的にはにがてなのだが(ごめんなさい)これくらいなら許容範囲内。いやいやそれより怖さの描き方が巧い。見えちゃうってこういう感じなのかも、と思わされちゃう。そしてヒキもまた上手い。ラストシーン吃驚したぁ( ; ゜Д゜)まさかこんなに早々に登場するなんて!!

ナイス ★72

GREEN

昨日の夜から読み始めたら、結構怖くて暗闇が怖かった(笑) 見えるだけの三角の体を通して、霊能者の見る力を増幅して、独特の方法で除霊する。 三角の体を通して視る時の感覚が快感すぎて断りきれなくやっている内にどんどん深みに入っていくような・・・感じですね〜。 続きがBE×BOYから連載になるそうなので、続きはBLになるんだろうなぁ〜と今から楽しみです

ナイス ★70

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#このマンガがすごい!2021 オトコ編

ゼロ

読んでいてゾッとした。1話でデンジが悪魔のポチタと合体し、チェンソーマンになる。チェンソーマンになったデンジの元に、公安のマキマがやってきて、デンジを犬として飼うことになる。話が進むに連れて、デンジの煩悩さや明るさがあり、物語はサクサク進む。ゾッとしたと感じたのは、デンジの教養の無さを食事の散らかしや入浴の歌で描いていること。底辺の人間であることを明確に描き、マキマは利口的な人間として明確に描かれている。パワーなどキャラクターもぶっ飛んでいて、渇いた空気が伝わってくる。何か起きるんじゃないかと予感させる。

ナイス ★100

眠る山猫屋

ファイヤパンチでもそうだったが、インモラルな空気が隠しきれてない。だからこその面白さなんですが!犬みたいな悪魔のポチタとの友情の挙げ句、ヤクザにバラバラにされちゃう薄幸の主人公デンジ。ポチタとの融合により復活、今まで得たことのない幸せを求めてデビルハンターになるが・・・。この作者お得意の計算高い魔性の女マキマにいいように利用されてる。半分ポチタだから仕方ないの?絶対面白くなりそうなのに、媒体が週刊ジャンプってのは危惧材料。

ナイス ★89

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#このマンガがすごい!2021 オンナ編

評判通り面白かったです。星先生好きです。学生時代あるあるも散りばめられていて先生にあだ名をつけたり日誌に絵を描いたり女子高生たちの奔放さも懐かしいです。副ちゃん(セツ子)に眉毛を描く話は可哀想でした。

ナイス ★346

猿吉君

じわじわと星先生が好きになっていく不思議な作品、女子高なのにある意味めちゃ硬派(笑)。①とてもニッチなところを攻めているネタなのにニヤニヤ笑いが止まらない、電車で読んじゃダメ。②小林先生は完全に第二の主役、この人も個性強い、良い人。③私は男ですが女子高生ってこうだよなあとか知ったかぶりしたくなる日常の行動。④他の先生も気になる。⑤はっきり言ってストーリーはない、なのでずっと続ける事も可能、長く続いてほしい。点数90/100→再読性の高い手元に置いておきたい凄い漫画、星先生が愛おしくなります(笑)

ナイス ★163

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#このミステリーがすごい!2021

たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)
starbro

2020年国内ミステリ三冠(『このミステリーがすごい!2021年版』、週刊文春2020ミステリーベスト10、ハヤカワ・ミステリマガジン ミステリが読みたい!)ということで読みました。辻 真先、初読です。米寿の著者の割には若々しい戦後青春ミステリの佳作、面白いですが、本作が2020年ミステリの代表作、ダントツ1位となると甚だ疑問です??? 戦争犯罪、大量殺戮に対し、『たかが殺人じゃないか』という言葉は重いですが・・・ http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488028107

ナイス ★435

へくとぱすかる

うわぁ、何てミステリなんだろう! よくわかる場所に大事なものがあるのに、結局気がつかない、ミスディレクションの最極致。しかも読者への質問状という、実質的な挑戦状まで挿入するという趣向。そして最後の最後まで読んで、驚いたの何のって! 1949年という時代の世相を、主人公と同世代の著者だからこそ描けた貴重な物語だと感心したのもつかの間、凝りに凝った本格ミステリとしての仕掛けへの驚きが、感心すら覆してしまった。でも最大の驚きは、88歳の辻真先氏によってこれが書かれたこと。「仮題・中学殺人事件」も読まなきゃ!

ナイス ★326

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#このライトノベルがすごい!2021

海猫

リア充主人公の青春ラブコメって素直に楽しめるのか?疑問を持ちつつ、購入して読んだらなかなか楽しめた作品。冒頭から主人公・千歳が複数の可愛い女子に話しかけられたり、話したりあっけらかんと描写されるので、妙な不安感を持ってしまう。それが引きこもり生徒の更生を頼まれて実践するあたりから印象が変わった。千歳くんリア充以前に、はっきりした価値観を持って屈託なく生きてる人だというのが見えてくる。要は良い奴でここからは好感。陰キャ脱出作戦の過程も面白い。シビアな面もちゃんと出るが、作品に込められた善意が気持ちがいい。

ナイス ★147

海月

U-NEXTのポイント期限が迫っていたため、気になってたので購入。さすがはこのラノ2連覇…実に面白い! 自分の中でラノベは非リアルもしくは普通の子が主人公鉄板だと思っていたので、この朔くんのリア充プリは見てて気持ちいいし確かにほんとのリア充でカーストテッペンはこんなグループだと1人納得。この作者よく見てるなぁと思う。設定も話のサクサク感も自分的にはどハマりで自分ランクラノベ編ではだいぶ上位にランクイン!これは続編もU-NEXTで揃えていきます(笑)

ナイス ★88

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#タイトルだけ大賞 2020年

いっち

タイトルと装丁で内容が伝わる。一生懸命生きなくてもいい選択肢を、提示してくれる本。著者はイラストレーターと会社員をしていたが、40歳目前で会社員を辞めた。理由を「勝ち負けにこだわらない生き方をしてみたかった」と言う。出世や昇給を争う勝負から、離れてみたかったそうだ。その後は装丁のような脱力した生活。起きたいときに起き、食べたいときに食べ、寝たいときに寝る生活。私はうらやましさを感じたが、そうなりたいとは思わなかった。貯金を切り崩す恐ろしさに耐えられない。むしろ、今の自分の生活に満足していることに気づけた。

ナイス ★156

しげき

心がフッと軽くなる本。でも楽をする事は意外と勇気がいる事だと思った。私はひょっとしたら頑張って仕事してる方向に逃げているのかもしれない··なんだか深い1冊です。

ナイス ★138

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#6,700円 美術解剖学本

ソッカの美術解剖学ノート
フユコ

なんだこの分厚い本は〜! 図書館で予約したらめちゃくちゃ重たくてびっくりしました。 持ち帰ろうか逡巡して結局図書館でがーっと目を通しました。 絵も綺麗だし、体の作りを丁寧に説明してくれるので分かりやすかったです。

ナイス ★62

たまきら

娘が「体の書き方を勉強する本が欲しい」というので、色々物色していたら、きちんと解剖学を勉強されているのにきちんとイラスト的な本書を発見!気に入って娘に紹介したらもっと漫画的なものを求めていたようで反応がそれほどよくありませんでしたが、オカン的には素晴らしい一冊だと思いましたね。美大で再三やらされていたことが丁寧に説明されていて懐かしかったというか…。韓国発信の本は最近すごく面白いなあ。

ナイス ★36

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