川沿いの桜並木のそばにある、その喫茶店はマーブル・カフェといいます。若い男性の店長さんが一人で切り盛りしています。ある日、決まって木曜日に１人の女性客が訪れるようになりました。彼女は決まってココアをオーダーするんです。そんな一杯のココアから始まった１２の物語・・・。カフェの店主にココアさんと呼ばれた女性がココアをオーダーし続ける秘密まで、どの物語も優しさに満ちたものばかりでした。カフェのマスターは不思議な人だけど、やっぱり魅力的ですね。

好きな事を仕事にしたいと思うものの、いまだ、ファミレスで働くフリーターの久里子。そのファミレスの常連の老人と関わった数ヶ月の物語り。老人は、ちょっとミステリアスな雰囲気がありまして、実際に本当の姿はショッキングなものでした。老人の正体が気になって、先を急ぐように読み終わりました。老人との関りで、１歩、全身できた久里子でしたが、老人の方も久里子に接したことで考え方が変わったのではないかなって思いました。

子供目線で綴られていく五つの物語り。なんでも先入観で決めつける担任教師。反撃に有効な言葉は、低めの声でゆっくり呟く「僕は、そうは、思わない」。服装がみすぼらしいから見下していたら、その子の母親が、自慢の父の、大事なクライアントだったと判明して驚く子。痛快でした。ちょっと切ないお話しもありましたが、ほのぼの、良いストーリーもあって、とても面白い１冊でした。

東京にある小さなおでん屋さんで繰り広げられる人情物語り。おでん屋の女将は、元人気占い師。結婚をめぐる様々な問題や結婚観の違いだとか興味深く読みました。女将と長い付き合いの真行寺さん、クールで素敵です。

１日１００円でなんでも預かってくれるお店のお話し。東京の下町の商店街の端っこに、ひっそりと佇む「あずかりやさん」。店主は目が見えないんです。だから、お客様のプライバシーを覗き見ることは皆無です。店主の記憶力は素晴らしいんです。１度、声を聞くと名前を憶えてしまいます。預けたものも正確に把握できています。実に不思議・・・。時に物騒なものだったり、猫だったり、離婚届だったり。でも、誠意をもって預かっています。社長と名付けられた猫ちゃんも良い役割を担ってますよ。この本も、ほっこり心が温もる１冊でした。

川沿いの桜並木のそばにある、その喫茶店はマーブル・カフェといいます。若い男性の店長さんが一人で切り盛りしています。ある日、決まって木曜日に１人の女性客が訪れるようになりました。彼女は決まってココアをオーダーするんです。そんな一杯のココアから始まった１２の物語・・・。カフェの店主にココアさんと呼ばれた女性がココアをオーダーし続ける秘密まで、どの物語も優しさに満ちたものばかりでした。カフェのマスターは不思議な人だけど、やっぱり魅力的ですね。

作者の方は、どうやら、大酒飲みらしい・・・。まさしく私にピッタンコ、同じ人種です(笑)共感できることが多くて、エッセイとか短編とか、あまり好きじゃないんですけど、とにかく笑えました。朝から毎日のようにビールを飲んでも大丈夫なんだなって勇気と希望を頂いた１冊でした。また、この方の作品を読みたいと思います。