読書にのめり込む時期が比較的遅かったので、その分集中して文学を中心に濫読した。中学の3年だったので、受験に失敗して中卒で働き始めた。今、思うとそれでよかったし、10代の頃が読書に関して、いちばん充実していた。社会科学の分野に熱心だった。本を読み、それが生涯の友になるには、初めに出会った著者の作品は大きい。トルストイの「戦争と平和」、志賀直哉「暗夜行路」、このニ作品は特に、その後の読書傾向に強い影響を与えてくれた。ルソー、ドストエーフスキー、スタンダール、芥川龍之介、佐藤春夫、吉行淳之介、推理小説の分野では、石沢英太郎、結城昌治、仁木悦子など読み返したい作家は切りがない。映画、演劇、バレエの鑑賞にも熱中した。ちなみに好きな映画人は木下恵介、震えるほどに感動した作品は、黒澤明の「わが青春に悔いなし」。
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