一つ目の短編からして凄まじい。訳わからないくらいのスピード感が魅惑的だった。ストーリーにも文体にも圧倒的な自由を感じた。 2話目では、どこまでがノンフィクションなのか分からないくらい、お話と文体にリアリティがあって読んでいて面白かった。 3話目では叙述トリック的な要素にまんまと騙されたり、自由意思をめぐる哲学的な問いを深く考えたりもして有意義な時間だった。 最後の話はキュっと切ないエモさがある良作。 映画やアニメやドラマやマンガでは表現できない、小説ならではの表現に小説やSF小説の可能性を感じた。