「すべて」と「ゴモラへの一歩」は読書会で読んだので、残りは自分で。表題作「三十歳 Das Dreissigste Jahr」が一番好きでした。下半期一番かな。物語最後で二人称が使われて、読んでいるこっち側にメッセ―ジを伝えている気がして勇気をもらった。そうか、僕も立ち上がらなくちゃって、そんな思いです。「すべて」に関して、思想的に言えば、ウィトゲンシュタインの言ってる言語ゲームに絡めとられてしまうことのくやしさ、残念さみたいなものが表現されているのかなと。この本の主人公たちはみんな脱することを欲している。