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三十歳 (岩波文庫)

感想・レビュー
59

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Eu
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ネタバレ来年三十歳になるから読んだ。原題Das Dreissigste Jahrは直訳すると「三十番目の年」(だから二十九歳の一年)ということになるらしい。存在には生命として誕生するととは別の時点からのスタートがあるよな、ということはちょうど最近自分も思ってたことで、それはだいたい三十歳だよな、とも思う。「すべて」と「ゴモラへの一歩」が好きだった。
0255文字
sj
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"人は、死に至るまで他人から自尊心を傷つけられ続ける。そして、誰もが死を恐れているけれど、生という途方もない侮辱から逃れて救われるのは、死においてだけだ"
0255文字
毒モナカジャンボ
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短編集で緩急とかなく全部ストレートで凄いってのは一体どうなってんですかね
0255文字
nyu_omemekusisi
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ネタバレ疑問文を連ねたスピード感ある文体が特徴の『30歳』 ヴィトゲンシュタインの影響が垣間見える法廷小説である『一人のヴィルダームート』では 言語を確実な物として使用し安定した世界観に存在するの事に固執した主人公が同名の被疑者法廷で遭遇し徐々に言語上で表される真実の限界に取り憑かれていくにつれて回想という形で自身の人格形成の過程が解体され被疑者と同化していく 最初の自伝といい自己がまだ自分自身のものであるといえる記憶から切断された結果としての回想、
nyu_omemekusisi

主体によって三人称の世界を認識し、一人称で独白・対話する 一小説につき本当の意味での登場人物は一人である

03/23 23:10
0255文字
naomi
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30歳を迎えた年に、先輩から薦めてもらった。三十歳、人殺しと狂人たちのなかで、一人のヴィルダームートが良かった。 新感覚な世界観。戦後すぐのウィーンに思いを馳せる。ぐさっとも言い難いけど、小さな針が突き立ってくるような、決して甘くはないけども目賀醒める作品。
0255文字
ぎじぇるも
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好きな話は三十歳とすべて。三十歳は30歳だから読んだけど本当は29歳に読むべきだったようだ。小説というより詩で、一文一文がかっこいいので噛み締めて読むと味が出て来るかもしれない。すべては終始不穏な雰囲気があって絶対この子死ぬじゃんと思ってたらやはり死んでしまった。こちらも主人公は30歳の時の子。「すべて」が死ぬのやめてほしい。
0255文字
STO
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すべて
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あんなまん
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インゲボルグ・バッハマン,松永美穂(訳)『三十歳』株式会社岩波書店,2016年
0255文字
K
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「すべて」と「ゴモラへの一歩」は読書会で読んだので、残りは自分で。表題作「三十歳 Das Dreissigste Jahr」が一番好きでした。下半期一番かな。物語最後で二人称が使われて、読んでいるこっち側にメッセ―ジを伝えている気がして勇気をもらった。そうか、僕も立ち上がらなくちゃって、そんな思いです。「すべて」に関して、思想的に言えば、ウィトゲンシュタインの言ってる言語ゲームに絡めとられてしまうことのくやしさ、残念さみたいなものが表現されているのかなと。この本の主人公たちはみんな脱することを欲している。
0255文字
T. Tokunaga
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作者が「わざわざ」小説にしたという感が拭えない短編集。このひとは詩も書いていたそうだけれど、シルヴィア・プラスと同じで、小説家になりたかったのだろうか。
0255文字
geromichi
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表紙がなんか良い。30歳になることへの不安をテーマにされると、なんかやるせない。
0255文字
スミス市松
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三十歳に至るまでの一年間の焦燥を描いた表題作は、随所に技巧を凝らしているものの著者の思想と語り手の振る舞いがちぐはぐで幼稚に感じてしまい可笑しかった。それよりは妖異な空間を構築しつつ噛み合わないやり取りによって結末を切り開く「ゴモラへの一歩」が、カウリスマキの映画作品のような雰囲気を終始漂わせていてよかった。その他はコンセプトが明確な「オーストリアの町での子供時代」や、表題作に比べればまだ思想と物語が滑らかに結合されていた「すべて」などが佳品として印象に残っている。この作家は詩の方が気になる。
0255文字
秤
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「新しい言葉がなければ、新しい世界もない」
0255文字
きくらげ
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新しい世界を立ち上げるための、新しい言葉への渇望があった。自己や評価、真実についての不安や当て所のなさが問題になることに連動して、表出の媒介になる言葉の方も問題として析出してくるのか。世間や時代の動乱にそれなりに直面し、今一度そこから飛躍して世界の手触りを掴みなおそうとする三十番目の年。言葉からのブレイクスルーにかける期待と諦念が描かれる。
きくらげ

などと適当に。夏の終わりからちまちまと読み進めた。三十歳を、そして作中の状況を自身に重ねるともっと悲観的にしか捉えられない。ハードワークもできず、スティグマを見出してしまう身体で、世間への参入権も持たないまま、跳躍もこのままなく老いきってしまう想像しかできない。白桃の肉の朽ちだし三十路はや。

10/04 03:56
きくらげ

当事者研究の話読んでると、一人で言葉の問題に向かおうとするから立ち行かなくなるのでは、人と人のあいだから現れてくる言葉もあるのじゃないか、と思ってしまう。

10/04 21:41
0255文字
やんぬ
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タイトルが自身の年齢と一致することもあり購入。 著者は元々詩人とのことで、随所に散りばめられたその表現力に、読み手の読解力がついていけないところもしばしば… スーッと入ってきたわけでもなく、爽快な読後感が待っていたわけでもないが、いち女性作家が繰り広げるその世界観には魅了された。
0255文字
lily
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詩的で哲学的で意識の流れも汲んでいて、リルケにもプルーストにも似たような、これぞ文学の頂点とでも推したくなるような滅多に出逢えない種類の短編集だった。細くてゆっくりとした倦怠の血の流れをみているようで、その生温さがより生を強くする。詩集も『バッハマン/ツェラン往復書簡 心の時』もトリプルチェック。
0255文字
コマイヌ
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短編というより散文詩って感じだな、きもちがおちこむのでまともに取り組めなかった……「すべて」は確かに良く書けていると思う
0255文字
i-CHIHIRO
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お気に入りレベル★★★☆☆
0255文字
k.kishida
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著者はもともと詩人で二十三歳の時にハイデッガーに関する研究で学位(博士)を取得しているという。いい意味でも悪い意味でもそういう背景の人が書いた小説だと言える。
0255文字
ひかり
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もう一度読みたい… 妖精が語ると歌のようになる。
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;
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錯綜した記述による痛々しいまでの抒情。
0255文字
J. Tamura
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模倣・迎合・理不尽への反発と真実の追究。構成も感情もうねりが凄い。
0255文字
まんだむ
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どのお話も、境遇や主人公の性別は違っても、今いる環境や状態から抜け出そうとするような意思が感じられた。表題の「三十歳」がとても良くて、ラストの一文で元気を貰えた。その他だと「オーストリアの町での子ども時代」「すべて」「一人のヴィルダームート」あたりが好き。とにかく言葉が美しくて、詩的な世界に浸れる一冊でした。
0255文字
Taichi Keaton
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表題の三十歳が一番印象に残ったが、どれも現代人の奥底に眠る心理(真理)を描いていて味わい深かった。
0255文字
misty
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★★★★★★★ ★満点の5つに加え評価SSランク! というか僕は今29歳でこれ読めて本当に幸せでした・・・ 30になる前にもう一度読もうと思っています☆彡
0255文字
肉欲棒太郎
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個人的な境遇と重なることもあってか、表題作の『三十歳』が心に刺さりすぎてやばい。本書と出会えたことに心より感謝申し上げますレベル。 「ぼくはきみに言おう。立ち上がって、出発したまえ!きみは、骨を折ることもなかったのだから。」
0255文字
ヒ
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言ってることは至極真っ当だがそれをただ説明されてもなあ、こういう世界を生きる人が具体的にどう世と関わるかみたいなことの方が気になる、三十歳はまだ幼いということか
0255文字
葛
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2016年1月15日 第1刷発行 訳者:松永美穂 発行者:岡本厚 発行所:株式会社岩波書店 印刷:三秀社 カバー:精興社 製本:松岳社 企画:岩波書店 村松真里
0255文字
魚京童!
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まだまだ先だけど、結婚して、子供がいて、資格があって、部下がいて、優秀で、それでいて、…。泣きそうになるね。
0255文字
大雪(おおゆき)
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作者は戦後オーストリアを代表する詩人とも評されるインゲボルク・バッハマンという人(1926~1973)。本書は7篇の小説が収録されている。どの作品も詩や散文のような文章が織り込まれていて癖があり、話のスジが追いづらいきらいもあるが、読んでいてどれも引き込まれる力を感じた。表題作「三十歳」は30歳の誕生日を前にした男性の内省、自省が綴られてる。めんどくさい自己省察、けど、なんか詩的で美しい。これは他の作品にも共通している。「所在のなさ」「からっぽな自分」「なににもなれてない自分」が露わになる。
大雪(おおゆき)

印象的だったのは「一人のヴィルダームート」という作品。主人公は厳格な父のもとで育ち、家族にも恵まれ、社会的にも申し分ないとも思える検察官の男性。この人は堅物というか職業柄なのか「真実」という言葉に異常に執着している。そんな彼がある殺人事件の検事を担当する。ちゃっちゃと済ませる案件だったはずが、思わぬ方向に進む。容疑者がたまたま彼と同じ名前だったことから、彼の内面が乱され始める。また、容疑者が供述を翻したことから「真実」をめぐって果てのない自己省察に追い込まれる。後半はほとんど散文。しかし、一気に読ませる。

12/02 17:13
0255文字
パーラメント
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「すべて」…無限の可能性を秘めている幼い息子は〝最初の人間〟になってほしいという父の想いとは裏腹に、社会性を身につけていくように見え、父は息子への関心を失ってしまう。その後の息子の行動、顛末は彼に何をもたらしたのだろう。あまりにもスケールが大きい。「そしてぼくは突然悟った。すべては言葉の問題なのだと」という言葉への言及はラカンを想起させる。
パーラメント

イーユン・リーの「理由のない場所」と非常に近いものを感じた。発表当時、この一篇が評価が高かったそうだが、誰かがこの短編について詳しく考察したものを読んでみたい。2020/06/12

06/12 09:45
0255文字
Yoichiro  Kaneko
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小説のような詩のような、短編集7作品が収録されている。文章で作者の意味しているものがなかなか理解できないところも多々あるが、そもそも完全に理解されることを望んでいる作品ではないのだろうと思った。しかし、村上春樹の作品のように言葉を読む中で何か心に刺さる、響く、ハッとさせられるような瞬間が度々あり、優れた文学作品なんだなと感じた。作者は精神的な不安定により、謎の死を遂げたようだが、その不安定な心、社会と対峙することで不安定になった心の声をどのように作品に落とし込むかによって人に届くものになると感じた。
0255文字
zirou1984
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沈黙より雄弁な言葉なんてそうそう出逢えるものではない。ツェランとも親交を結んだオーストリア出身の女流詩人は、新緑が陰りと契り、夕暮れの色合いと同化していゆく時期の混乱と動揺を類い稀なる短編として紡ぎ出した。ここにあるのは個人の弱さと歴史の弱さが重なり合う、苦悩を受け止めながらも生きようとする深い深い深碧の緑色。孤独も疎外感に簡単に手放していいものではない、それは感嘆するほどの世界へ私たちを連れていってくれるのだから。いずれの作品からも溢れている、言葉の持つ痛みを抱えたものだから生み出せる鎮痛剤。傑作。
0255文字
miqpale
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★★★★★
0255文字
pinoo
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三十歳、僕も近いうちに三十歳になる。色んなものにこなれてきてはいるがどこか空虚で、全てを脱ぎ捨て自分のことを誰も知らない所に行ってしまいたいと感じる。自分の青春の終期に、それを振り返りもう一度咀嚼することを求めているのかも知れない。大人だがそう言い切るには未だ円熟には遠い人間、そのような人間の微妙な心情がうまく描かれてると思う・・・また近いうちに読み直すだろう。
0255文字
Madeleine
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表題作と「すべて」が印象的。三十歳を迎えても、大人になったとは感じない。でも、若くない。自分を見つめ直す時に読み返したい。
0255文字
人工知能
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インゲボルク・バッハマンの短編集。短編集とは言うものの、特に最初の2編は特に詩を読んでいるような感覚。すごく丁寧に言葉が紡がれている。全編を通して、人とのすれ違い、分かり合えなさ、孤独感、寂寞が貫かれている。「すべて」は妻ハンナとのあいだにできた子供フィップスが成長するにつれて自分の手から離れていき、ある意味で成長なんだけど、一方で 別の人格であるがゆえの分かり合えなさがあって、でもハンナは一瞬たりともそういう感覚は持っていないと思う、そういう男のはなし。静かに心に残る、そんな作品。
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