『調書』では歯が立たなかったル・クレジオ、本書はちゃんと読めた。読友さんありがとう。読み易いかと言われるとル・クレジオの中ではと言う事になるだろうがアフリカの匂いはタップリだった。そして内側から見た植民地の実態も丁寧に書いてあった。ナイジェリアは1960年に独立するがその後1967年のビアフラ戦争をはじめ現代のボコ・ハラムの活動などずっと政治が安定していない現実がある。他の地域では比較的マシだった英国の統治はナイジェリアでは結果として下手だったようだ。
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後半でお父さんが死にそうになり、死ぬかと思ったが死なずに帰国。 物語的には現地で失意の内に死ぬ方が劇的だろうと思ったが そこを生かしてあげるのがお父さんに対する愛情? もしくは大切な思い出のストーリーを捻じ曲げたくないとか。 (実際のお父さんに気を使ってるのもあるかも)
現地黒人の顔の刺青(傷に鉛?を塗り込む)、刺青の模様の話が何度も出てきたが 知り合いのニジェール人に顔の刺青でどこの部族か分かると聞いたことがあり(最近の若い人はたしかもうあまりやらない) その土地の人たちにとって非常に意味のあるものなんだろうと。 そういうアフリカエッセンスが気が付かない部分にもあちこち織り込まれているんだろうな