形式:単行本
出版社:祥伝社
形式:文庫
近所で恐れられる謎の老人と彼を監視する少年。二人を繋(つな)ぐ貧弱な樹が白い花を初めてつけたとき、“終わりと始まり”を告げる長い長い旅が始まった。それは、神様が鳴らした優しく静かな号砲――――人生に大切なものが詰まった、心に沁(し)みわたる感動の物語。そのとき、老人はある決意を固め、少年は大人への門を潜(くぐ)る。札幌(さっぽろ)で暮らす小学六年生の瀬川大介(せがわだいすけ)には、自らの鬱屈(うっくつ)を晴らす、ささやかな楽しみがあった。それは隣家に住む、指が2本ない謎の老人佐藤北海(さとうほっかい)が見守る貧弱な樹がつける花芽(はなめ)を削(けず)り取ること。開花を待つ北海の喜びを奪うことで、不満を溜(た)めた老人が“暴発”することを願っていた。だが、夏休みに入ったある日、大介の油断を衝(つ)いてその樹が白い花を咲かせる。それを見た北海は突如ボストンバッグを抱えて旅に出発、両親と喧嘩(けんか)して家出をするつもりだった大介は、急遽(きゅうきょ)彼を追うことに……。一人の少年の好奇心と冒険心が生んだ心に沁みわたる感動の物語。
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