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エドの舞踏会 (文春文庫 183-9)

感想・レビュー
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けけくち
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風太郎ほぼ全読破チャレンジ16冊目。明治ものとしては地味な一作だが、風太郎の明治元勲たちへの評価がフェアで面白い。誰でも光と陰があるのは当たり前なんだけど、それらが実は表裏一体なのだと思わせるのが上手いなあ。「黒田清隆夫人」の意表をつく展開を楽しみ、「ル・ジャルドル夫人」の「橘屋あ!」には泣かされた。坂東竹松の出生は調べてびっくり、史実なんですね。と、するとこの話もあり得たかもしれないわけで、虚実の狭間を突く手さばきに、今さらながら感心。
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ささ
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◾️ピエール・ロティの『江戸の舞踏会』と山本権兵衛が妻に渡した7ヶ条に興味を持って手に取った。明治期の著名な人たちの妻に焦点をあてた本。この着眼点は当時としてもなかなかだったのでは。山本と妻の冒頭近くのやり取りで、山本と妻の関係性がわかるのがとても良い。『「お馬車がけがれます」(略)それをみなまでいわせず、(略)「そいじゃ、乗せていただこう。乗るぞ!」と、大喝にちかい声でいい』。史実を交えた群像短編集という感じでさくさく読めた。登場人物がみんな生き生きしてる。
0255文字
出世八五郎
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ネタバレ連作短編集。明治断頭台のように最終章で驚きの仕掛けが用意されているのかと予想した。が、そんなことはない。平和的な終わり方である。同時に最後の文は人間臨終図鑑みたいであった。一つ一つのストーリーも明治の元勲と奥方様、そして歴史を知ることが出来て面白かった。三島通庸は幻燈辻馬車で知ったが、歴史に詳しくないと面白い使い方だとは思わないだろう。しかし、本作は随所楽しめた。
0255文字
モンティ
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山田さんの本は初めて。これを知ったきっかけは日曜名作座。聴いていてとても面白かったので、ついに図書館に予約して取り寄せてもらったが、内容はとても面白く歴史好きの私にはサクサク読めた。本当にこんな事があったのだろうかとWikipediaで調べたりして、史実からの創作と知り、益々面白くなった。明治維新を成し遂げたえらそうな旦那さんの奥方が髭を蓄えた旦那さんより数倍すごみがあり、度胸が据わっており、恐れ入りました。私が読んだのは大活字ブックス。大きな字だったのでそれもサクサク読めた理由かもしれない。
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さざなみ
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ずいぶん昔に「くのいち忍法」関連の本を読んだような気もするが、初読みに等しい山田風太郎の本でした。 この年になってこんなに面白い小説に出会えるとは・・・・ 明治維新を行った人物にはいろいろ批判めいたゴシップがあるが、その人たちの奥方が生々しく、生き生きと描かれており(フィクションであっても)ページをめくる速さはピカ一でした。
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さっと
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条約改正に向けた欧化政策の極端なポージングと揶揄される鹿鳴館のダンスパーティーの参加者集めに奔走することになったボディガード兼エスコート役の海軍少佐・山本権兵衛を通して描かれる政府高官夫人たちの様々なドラマ。武骨で愚直な軍人(とはいえ彼もまたのちに政治家となる)と、清濁あわせもった政府高官のコントラストが効いているが、物語のラスト、権兵衛の命日によせて、「その日から八年後の同じ十二月八日、彼が心血をそそいで作りあげた日本海軍は滅亡の航海へ旅立つ」には、それを言いたいがための人選かと思わず邪推してしまう。
0255文字
UEHARA Rikiya
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1/15日購入
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猫田(無職透明)にゃん吉
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作者が切り開いた新ジャンル(誰も後に続かないのだが)明治ものの一つ。 明治の元勲のその妻たちを追う連作集で、どこからどこまでが創作なのか実に眉唾物ではあるが、登場人物たちの負った業とか運命とか、その重さや変転には一読唸るしかない。いやもう、お腹一杯です。 個人的に明治維新に対して複雑な思いがある。そこへこの本だ。ますます複雑な感慨を抱いてしまう。 日本は明治維新から太平洋戦争の敗戦へ一直線の道を歩んだのだなあ…。
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きよきよ
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明治初期の著名な政治家の妻たちをメインキャラクターに話は進む。 彼女たちを鹿鳴館の舞踏会に参加させるために家を訪問し、 夫婦の隠された問題に巻き込まれ、解決する。 登場する妻のほぼ全員が短期的ないし、長期的に芸者を していたことがあるのには驚いた!
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kuri8655
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芥川の『舞踏会』も山田どんの手に掛るとこうなるのでごわすなぁ…お見事!元薩摩の海軍士官・山本権兵衛はひょんなことから鹿鳴館への人集め係を命じられ、図らずも時の権力者の「家庭の事情」を垣間見ることとなる。教科書に太文字で載る高官らの素顔を時に下世話に辛辣に語りながら、「美しい添え物」然とした夫人らが実は青竹のような気骨を秘めた聡明な淑女ぞろいであったことを鮮やかに描き出す快作だ。とくに「信田の子守唄」「橘屋!」の章には泣けた。エログロを嫌い山田風太郎を避けている人にもお薦めしたい超良質の歴史ミステリである。
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エドの舞踏会 (文春文庫 183-9)評価80感想・レビュー10