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宮沢賢治の詩友・黄瀛の生涯

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きつね
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「1929年に花巻で宮沢賢治に会い、翌年に上海で魯迅と会う。信じられない行動の軌跡だ。この行動力は何に起因するのか、およそ詩人という枠を逸脱している」(p.168)という研究のきっかけとなる瑞々しいエピソード。その後の著者の旺盛な取材活動に頭が下がる。近代日中関係史に翻弄され続けた一人の繊細な詩人が言葉少なに語る「魯迅先生が長生きしたなら、毛沢東とは相容れなかったでしょう」(175)という言葉も示唆深い。文章が読みやすく、わくわくしながら展開を追った。巻末に黄瀛の詩・評論が収めてあるのもいい。
0255文字
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