形式:Kindle版
出版社:講談社
第12話「胸腺細胞」はキラーT細胞やヘルパーT細胞が、ともに胸腺で選択を受け成熟していく様子が、かれらの教官である胸腺上皮細胞などと共に描かれる。胸腺の同窓生として制御性T細胞の登場も多いが、この細胞に関しては本話ではその特徴は生かされていない。またヘルパーT細胞がキラーT細胞に攻撃の指令を出すという点も正確ではない。ヘルパーT細胞は、IL-2などのサイトカインを産生してキラーT細胞の活性化を助ける(ヘルプ)するくらいの表現に改めるのが望ましい。
第13話「獲得免疫」はおたふくかぜの原因ウイルスのムンプスウイルスが登場。ウイルスの形態がおたふく(おかめ)なのがユーモラス。ワクチンによりムンプスウイルスの免疫記憶が形成され、B細胞による抗ウイルス抗体によってウイルスが効率よく排除される物語。本話のタイトルは「免疫記憶」あるいは「ワクチン」とするほうが内容に即している。第14話「ニキビ」は、ニキビの起炎菌のアクネ菌と皮脂腺の細胞群が紹介されており、免疫系の役割に関する記述は少ない。
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