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死後の恋: 夢野久作傑作選 (新潮文庫)

感想・レビュー
126

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稽子
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★★★+ 短編集。初心者向きに傑作を初めに持ってきて、やや読みづらい物も収録されているが、短くて読みやすい作品を間に挟むことで最後まで読み切りやすい構成にしている。だが夢野久作作品は、読みやすい物と読みづらい物の差が激しいので注意。編者解説で「ドグラ・マグラ」を最初に読むのは止めておいた方が良いとアドバイスあり。御尤もで。実は十年以上前にそれをやって、夢野久作に苦手意識を持ったせいで今まで読もうとしてこなかったのが、私である。「死後の恋」「瓶詰地獄」は既読(良作)。「支那米の袋」が個人的ヒット。「木魂」は
稽子

やや読みづらいのが難点だが、ストーリー自体は好み。「いなか、の、じけん」はショートショート風で、コミカルなものも多く読みやすい。夫婦の虚空蔵、一ぷく三杯、蟻と蠅、郵便局、あたりが好み。「怪夢」もショートショート風だが、こちらは夢野久作の幻想的な作風がより現れている。工場、病院、七本の海藻、硝子世界、あたりが好みだった。

03/21 07:09
0255文字
平楽
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冒頭、いきなり表題作で頭をガツンとやられた。強烈な作風が多い著者の中でも傑作短編に焦点を当てた本書。饒舌体とも呼べる独特な文体ながら、大変読み易い。ただ、それ故にシームレスに狂気の世界へ連れていかれるので注意が必要。この著者の何が凄いかって、ゴリゴリの怪奇小説ながらほぼほぼ超常現象が起こらないこと。人間の頭の中の狂気だけを抽出して、恐ろしいほど不条理で悪夢的な世界を構築している。「いなか、の、じけん」など説話風な物語が複数提示されるのだが、その田舎住民の狂気というか愚行の列挙に開いた口が塞がらなくなる。
0255文字
チャボ
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北村薫氏の本で紹介されていた瓶詰地獄を読みたくて購入。瓶詰地獄を読んだ後は数年放置していたので残りを一気読みした。ほぼ誰かの語りで紡がれる物語は少し読みにくく耳鳴りのような仕上がり。いなか、の、じけんは面白かった。
0255文字
はと
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悪夢を見ているような短編10本。オチのようなものは特にない作品も💧一番強烈だったのは表題作かな。
0255文字
竜王五代の人
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くどくどしくてカタカナ変換がよく混ざる、解説いうところの「饒舌体」全開の短編集。シベリア出兵がらみが二編(死後の恋・支那米の袋)あることや、田舎っぽいエログロ事件見聞録「いなか、の、じけん」など時代の雰囲気も濃い。デビュー作「あやかしの鼓」に対する江戸川乱歩の酷評はもっともだけど、あれが当事者の言い訳という形だと思えば、多少筋が通らないのもむべなるかな、と思う。
0255文字
あ
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ネタバレいなかのじけんのしょうもなさもあっけない残酷さが印象的。妻が死んで線路を歩いてはいけないと息子に約束させたのに自分が線路を歩いてるところを目撃された話も好き
0255文字
いなとも
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夢野久作の入門書として「ドグラ・マグラ」の前に読んでおくと良いらしい。短編集なんだけど非常に読みごたえがあった。「いなか、の、じけん」はホントそのまんまの内容。こうゆうの結構好きです。
0255文字
おべ
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ネタバレ『ドグラ・マグラ』で有名な夢野久作の短編集です。作者特有の独白体とともに、狂ったような、グロテスクなお話が繰り広げられる作品が多いです。 個人的に好きなのは『あやかしの鼓』『瓶詰地獄』『死後の恋』の三作品。どれも独特なおどろおどろしさを全面に秘めています!
0255文字
ベルディ
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アレを読んでから毎日1度は夢野久作のあの荘厳な尊顔を頭に思い描く時がくる。これが『死後の恋』か… て冗談はさておき、『木魂』の心理現象への数学的解釈はユニークでしたが他の未読作品で刺さる作品が少なかった。でも『死後の恋』は何度読んでも好き。
0255文字
そら
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短編10篇で既読が4話。未読の6話を読んだ。どの話も長い夢を見ているような感覚で。ちょっと怖いけど居心地いい~❤夢野久作ワールドでした。読んだ6話の中では木魂が好きでした。
0255文字
ハナ
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死後の恋といなか、の、じけんが好き。
0255文字
鱧ちゃん
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すごい!めちゃめちゃ引き込まれる。読み始めたら止まらないお話ばかり。 頭のおかしな話なようで少し正気で、ほんのりエロティック、、。最初は読みづらかったけどすぐに慣れる、死後の恋の衝撃、、なぜこんなお話が書けるの?すごい。好み
0255文字
Shinichi Tañiguchi
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再読。結構忘れてる。耽美的な話より『いなか〜』のショートショート群が切れ味があって好き。人が群れた時の、愚かさ・無関心・無慈悲さ等が絶妙に描かれてる。
0255文字
大空愛
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初めての夢野久作作品です。 不思議でゾワッとする様なお話ばかりかと思いきや、ちょっと皮肉めいた笑い話みたいなのもあって、短編集らしいバラエティさに富んでいる作品でした。 表題作の『死後の恋』の他『瓶詰め地獄』『支那米の袋』『いなか、の、じけん』『あやかしの鼓』が特に印象強かったです。 『支那米の袋』はまるで自分が袋の中に入れられてしまったみたいな苦しさを感じたのが不思議だったし『あやかしの鼓』の呪いの凄まじさに鳥肌が立ちました。 不思議な作風の作家さんで、他作品も気になって来ました。
0255文字
猫スキー
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ネタバレ『死後の恋』①死後の恋は本当の話か?②最後の「アナスタシヤ内親王殿下」とは?の2点について自身の考察を。 ①死後の恋は語り部コルニコフの妄想に過ぎないのではないかと感じた。と、いうよりも戦争という極限状態の中で仲間や友人がああも無惨に殺されていた姿を目の当たりにしたら誰でも心を守るために幸せな想像をするの仕方ない事に思える。 ②アナスタシヤという名はP22に登場している。自分はこれは友人リヤトニコフの本名だと思う。宝石(=彼女の魂)を受け取って貰えず彼女を否定されたように感じた故の一言なのかな。
0255文字
buchipanda3
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夢野さんを読もうと思って手に取ったのは、表紙が近藤聡乃さんの絵のこちら。奇異と幻想の絵が本の中へと誘ってくる。そして中身も期待通りで存分に惑いの味を楽しめた。「死後の恋」題名の蠱惑さが印象的。不気味な高笑いから始まる語りに引き摺り込まれ、目の離せない状況の前に唐突に現れた光景に呆然。やがて題名の意味を知る。「瓶詰地獄」短いながら強烈な想念を残す作品。文と構成が効く。「あやかしの鼓」などは奇妙な独白に絡めとられ読み始めたらもう止まらない。「いなか、の、じけん」がまた変テコ。いやあ夢野な世界をもっと読みたい。
0255文字
xxx
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夢野久作の短編集。「少女地獄」から久作の語り口と文体がクセになりハマっているのだけれど、読んでいてリズム感が良いのか楽しい。 特に表題作の「死期の恋」と「怪夢」の硝子世界がエロティックかつ不条理で好きだ。
0255文字
夏
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【どろどろした愛】 全体的な仄暗い雰囲気が私に合っていた。ドグラ・マグラは読んだことないけど、同じような雰囲気なのだろうか?ぜひ別の作品も読んでみたい。死後の恋の描写が妖艶さがあり美しく印象に残っている。
0255文字
し
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夢野久作の中短編集。『ドグラ・マグラ』で著名な作者だが、その独特の「一人称饒舌体」に慣れるために、短編から読むことを勧めると編者は述べる。なるほど、彼の思考回路に貫かれているであろうテーマ「正気と狂気の境目の追究」という世界観に触れるという意味でも中短編から読むのが良いかも知れない。個人的にショートショート「怪夢」と中編「木魂」が好み。「あやかしの鼓」は江戸川乱歩に批判されてはいるものの「この作の取柄は、全体に漲っている気違いめいた味です」と評されているところに彼の個性の全てがあらわれている気がする。
0255文字
たぬ
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☆2.5 10編のうち未読の「白菊」「いなか、の、じけん」「怪夢」「木魂」のみのレビューです。たいへん残念ながらこのような点数に。これは習作? 朝礼で披露する小話? 正直なところ退屈でした。別媒体で読んだ「あやかしの鼓」は4点を付けたし「瓶詰(の)地獄」も「人の顔」もすこぶる面白かったから全体としてのクオリティは低くはない。
0255文字
塩崎ツトム
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夢野久作の短編選集。「いなか、の、じけん」が一番面白い。
0255文字
RST
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ネタバレ「死後の恋」「支那米の袋」「いなか、の、じけん」「あやかしの鼓」の四篇が特に面白かった。前二作はロマノフ王朝や強国アメリカへの幻想が漂う雰囲気が良い。あやかしの鼓は毛色が異なるなと読み進めたら、夢野久作名義での処女作というので納得した。ラストの師匠があやかしの鼓を打つシーンで、珍しく綺麗に終わるのかと思いきや、そうは終わらないところが作風と分かった。怪奇幻想が真骨頂の作家と思うが、いなか、の、じけんのような肩の力を抜いて読める作品も味わい深いと実感した。
0255文字
レイト
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ネタバレ初・夢野久作。作風文体は自分と相性が良かった。お気に入りは『死後の恋』『瓶詰地獄』『白菊』『木魂』『あやかしの鼓』。特に『死後の恋』と『木魂』が好きです。『瓶詰地獄』は何通りも解釈が生まれるほど不思議な作品でした。調べたところアヤコ=弟説もあり、確認のために何周か読み返しました(笑)この説も成る程あり得るのかもなぁと思います。 『あやかしの鼓』の選評で江戸川乱歩が述べた「全体に漲っている気違いめいた味」というものを全作品に感じました。 その内ドグラマグラも挑戦したいです。
レイト

『瓶詰地獄』の第一の手紙の中で前半後半で「お父さま/お母さま」「お父様/お母様」と表記が変わっていることも気になります。深読みしすぎか?

03/05 10:30
0255文字
ゆぽんぬ
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『死後の恋』アナスタシアが好きな人は注意。初めて読んだとき、「気持ち悪い、残酷」という感想を持った。けれど読み返してみと、残酷な描写すらひたすらに美しいことを知り、いつまでも脳裏に焼きついて離れない。13、41、53、57 『悪魔祈祷書』26、35 『白菊』27、34、46、59 『いなか、の、じけん』虚実入り混じった、田舎で見聞きした事件のショートショート集。 『あやかしの鼓』こんな一片の因縁話を残すために生れて来たのかと思うと夢のような気もちにもなる。
0255文字
八百本 光闇
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ネタバレ残酷な描写がひたすらに美しい。読者である私でさえ官能を刺激されて2度見したのだから、極限状態にあった主人公がああなってしまったのも頷ける。
0255文字
2兵
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『ドグラ・マグラ』を読んでみたいが、いきなり読むと挫折してしまいそうなので、先ずこちらで夢野久作に慣れておこうと手に取った。一読して、乱歩や鏡花が好きな人は夢野久作も好きだろうと思った。表題作『死後の恋』の、内臓に散りばめられた宝石のイメージは強烈。他の作品では『悪魔祈祷書』『いなか、の、じけん』『怪夢』が特に良かった。『悪魔〜』は乱歩の『人間椅子』からエロさを抜いて代わりにオカルト要素をぶちこんだ様な構成。『いなか〜』はオチが無い話もあるが、当時の田舎の実態を知ることのできる社会派のレポートとしても秀逸
2兵

『怪夢』はどれもビジュアルが浮かびやすく、恐らく何らかのメタファーもこめられているのだろうが、夢の話なので、実はそこまで意味は無いのかもしれない。デビュー作となる『あやかしの鼓』は、ちょっと長さを感じてしまった。というか、これはミステリーなのか?まだ夢野久作の文体に慣れていない感じがあるので、もう一、二冊読んでから『ドグラ〜』に行きたいと思います。

01/28 16:06
0255文字
うさぎ
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どれもおもしろかったですが、瓶詰地獄といなか、の、じけんが好きです。
0255文字
Ban Harry
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私の運命を決定てください。 死後の恋を認め成仏させてください。
0255文字
しま
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夢野久作に興味はあるものの「ドグラ・マグラ」はハードルが高かったので、こちらの短編を読んでみました。予想通り夢か現か、耽美と狂気の世界でした。地方や女性の立場が非常に弱かった時代の話という印象が強く残りました。
0255文字
夢子🐻‍❄️🍓
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どの作品も珠玉。 表題作の綺麗な凄惨さがたまらない。 実は一推しは、「いなか、の、じけん」
0255文字
samurai
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ネタバレ悪魔祈祷書といなかのじけん(赤い玉と兄の骨)が面白かった。悪魔の祈祷書では、全ては悪魔的な精神が文明を発展させ、世界を支配しているという思想書を主人公が盗んだ話である。実は店主の作り話で、代金を請求した。(夢野の二重の落ち)赤い玉は、毒薬を飲まされたと妄信した主人公が、身を守るために殺害をした(実は単なる風邪薬)兄の骨は、坊主からあなたの不幸は、庭に埋没している兄の呪いだと聞かされそれを信じたが、実は単なる犬の骨であった。(二重の落ち)
0255文字
ワイ
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初めて読んだ夢野久作。 全体的に、背すじが寒くなる、ヒリヒリするような雰囲気を感じた。 読むのに時間はかかったが、クセになりそう。
0255文字
雫
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ドグラマグラをまだ実は読了していないんですが(途中で挫折して)、とっつきやすく片鱗がみれるようでよかった。とんではねてつきぬけている。好きなかんじ。
0255文字
masa
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楽しんで演奏するので一生懸命聴いてください。ポポポポポ。どうですか僕のあやかしの鼓。そこに完璧なドがあるとする。ごめん、そんなもんないかも知れん。でもあるとする。あると信じてる。僕はそれを鳴らす。ごめん、未完の音色かも知れん。でもそう鳴ってると信じてる。世の中がどうしようもなく狂っちゃって。みんな冷静でいようと努めちゃって。そんなの無理に決まっているのに。ライブハウスが殺されたんだって。正気を保つための悪者にされちゃってさ。君を救うのは音楽というワクチンなのに。だからロックは死なせない。死なせてたまるか!
masa

生きたい?わからない。人肌でイきたいときはある。いい気になってないつもり。でもイキってるいつも。息してる酸欠でも。死んでもいいけど殺し合いだけは御免だ。死にたくなくないのに死なせたくないのは矛盾なのか?だから音楽と物語に縋ってる。

08/09 21:12
さっとる◎

ロックは死なないから。そんなの、ロッカーなら、とっくに知ってるな?死にたくないし、何も、死ぬな。

08/09 21:46
4件のコメントを全て見る
0255文字
ロドパパ
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やっと読み終えました。夢野久作さんの傑作選の短編集。解説のとおり、巻頭に置いた「死後の恋」、「瓶詰の地獄」.「悪魔祈祷書」については、ベストな作品ですね!私も同感です。懐かしかったです。さらに、「あやかしの鼓」も良かったです。「いなか、の、じけん」は、初読みでしたが、人間味溢れるお話満載でした。昔読んだ本を再読出来るのは、ありがたいですね!
0255文字
りっとう ゆき
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短編集。残酷だったり、怖かったり、せつなかったり、わたしにとって苦手な要素がたくさんあるのに、奇妙な美しさに引かれてどんどん入りこんでしまう。
0255文字
コルカロリ
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饒舌体があまりにも癖になってその語り口に囚われて話に心がずんずん引き込まれてしまう。その話を読み終わったら、次の話が読みたいなァと心が本の中に囚われてしまう。解説でも触れられてたけど、あやかしの鼓に江戸川乱歩が寄せた「全体に気違いめいた味」という後の夢Qのあまりにも深い魅力。たった一作で後に開花する魅力をこんなにも上手く表現しちゃうなんてなあ。しっくりきすぎてびっくり。しかもその「気違いめいた味」がこれは気違いだと分かっててもその人の語る世界に囚われちゃうから、本当に不思議なのである。
0255文字
りりりりり
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ネタバレ悪魔祈祷書→途中で断念したドグラマグラを思い出した。途中で発狂しそうになるが持ちこたえる。瓶詰地獄→ああ、そうきたか、と。いなか、の、じけん→皮肉やユーモアを交えた内容。読み終えてもからっとしていた記憶。怪夢まで全体的になんか読完後が消化不良気味でなかなか読み進められなかったがしかし!木魂→あら?何だか好きな感じとワクワクし、あやかしの鼓→これだよ、これ!と最後にドカンと好きな作品が来た。岩井志麻子さんの密告函が好きなんだけど、この作品と何だか似ていて全体的に妖しく燻る感じ?何だろか描写がエロいんだろうか
0255文字
*
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【沈淪(ほろび)の患難(なやみ)に魅せられて】怖くはないはずなのに、震えてしまう短編集。
0255文字
みや
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編者が夢野久作の短篇ベスト3に挙げる『死後の恋』『瓶詰地獄』『悪魔祈祷書』を含む傑作選。37歳にして作家デビューする契機となった雑誌の懸賞入選作『あやかしの鼓』と、主な選評(乱歩!)が併録されているのも面白い。怪奇幻想小説といわれているが、荒唐無稽なファンタジーではなく、誰もが持つ人間の「弱さ」に起因する「後ろめたさ」のようなものを抉り出すような展開。悪趣味な着想や饒舌な自分語りの形式が狂気に拍車をかける。筆頭の3作のほか、『支那米の袋』『木魂』の2作は、さらに人間的な切なさも加わって良かった。
0255文字
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