形式:文庫
出版社:講談社
形式:単行本
出版社:白帝社
形式:Kindle版
出版社:情報なし
則天武后といえば言わずと知れた中国史上唯一の女帝であり、強引な手法で最高権力者の座へ登り詰めた女傑であるが、著者によればこのような人材を輩出したのは唐室の北族的気風と、魏晋以来の儒教支配の緩みが結合した結果であり、その後も女性や雑胡の権力者が相次いで出現する同一系譜上にあるという。なるほど。
彼女は、自分の死後のことはどう考えていたのだろう。李姓の者を皇太子に立ててしまえば唐朝への復古は避けられず、武周革命の意義もなくなってしまうと思うがどうか。システムとしての「女帝」の確立は、いかに武后といえど不可能だったということか。武后時代の史料も事績も、後世執拗に抹消されてしまったのが惜しまれる。きっと物凄く面白くて魅力的な人だったろうと思う。
そのような地盤の弱さを自覚していたからこそ武后はあそこまで徹底した政策を行ったのだろう 息子であろうと容赦なく殺害し、酷吏を用いて「自白」を作り出し、武氏は周の武帝に連なる家系なのだと喧伝した
自分が女性皇帝としての先駆者でありその前例を作ろうとした武后 しかしそのためには強引なやり口をいくつも用いなければならず歴史と人心に大きな傷跡を残した その武后の後を継がんと韋后が権力闘争を試みるも、あえなく敗れ去ったのも いかに武后のやり口が強引でその反動が残っていたのかが伺い知れる
今現在中国ドラマ『武則天』視聴中です(^^)
面白いですよね。綺麗で華やかでワクワクしました。
若黎さん!昨年末に明治大学の一般公開講座 ZOOMリモートで5、6回の漢時代をテーマがありました。この気賀沢先生の講義を受けました。久々にお姿を拝見しました。お元気そうでした。今年の10月頃に魏晋南北史をテーマに講義がありますよ!
山陰さん、一般公開講座受講されたんですね。先生がお元気そうでなによりです。10月に魏晋南北史ですか。頭の老化が著しく受講するのは微妙ですが、公開講座の情報はありがたくいただきます。
なんにせよ則天武后は多面的な魅力を備えた女性だったのだろう。 それでもなお見え見えの猿芝居を大仰に打たねばならぬ程に、中華圏内では女性が帝位につくことは困難なのだろう。 大真面目に儀式に臨む周りの者達は、馬鹿らしいと思いながらも時勢の流れ上どうしようもないと思って表情を整えていたのかしら。 唐代ゆえ、著者は繰り返しそう述べる。 以後、楊貴妃にしろ西太后にしろいくら皇帝を意のままにし権力を手にしても、所詮は後宮の一員でしかありえなかった。
そう考えると、則天武后のとてつもなさと唐代の空気を少し感じ取れるような気がする。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます