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則天武后 (講談社学術文庫 2395)

感想・レビュー
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でんきひつじ
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則天武后の評伝。一官女から志尊に地位まで上り詰めたまさに女傑といった人物で、最期はやや寂しいものであったにしてもそれなりに全うできたのは本当にすごい。但し、5章までは則天武后というよりも唐代前半の概説となっている。唯一無二の女性統一皇帝ということで有名だけど、こうやって見てみると所謂女性特有とされがちな特徴はない。特に最晩年の張兄弟への寵愛は男の皇帝もよくやることで、そこは則天武后も変わらないのかという驚きがあった。そういう意味で女性だから/ならではという観点で評価すべきではない人物なのかもしれない。
0255文字
若黎
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またまた今年の1冊目に再読。あー、在学時に先生から則天武后の話を聞いておけばよかったなーーー 後悔先に立たずとはこれのことだよ。
0255文字
赤白黒
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(追記)氣賀澤先生の著作なので硬派な学術書かと思いきや、中身は小説だったのでいささか拍子抜けしてしまった。内容は史書や出土史料から得られた成果を丁寧に再構成してあるものと思われ、則天武后の時代の雰囲気が生き生きと描写される。後半、武后が権力を掌握する段になると小説色は薄まるが、学術文庫としてはかなり柔らかい文体(史料及び先行研究の引用などは稀)のため、購入される方はご注意ください。『旧唐書』『新唐書』も読んでみたくなった。
赤白黒

則天武后といえば言わずと知れた中国史上唯一の女帝であり、強引な手法で最高権力者の座へ登り詰めた女傑であるが、著者によればこのような人材を輩出したのは唐室の北族的気風と、魏晋以来の儒教支配の緩みが結合した結果であり、その後も女性や雑胡の権力者が相次いで出現する同一系譜上にあるという。なるほど。

12/24 14:24
赤白黒

彼女は、自分の死後のことはどう考えていたのだろう。李姓の者を皇太子に立ててしまえば唐朝への復古は避けられず、武周革命の意義もなくなってしまうと思うがどうか。システムとしての「女帝」の確立は、いかに武后といえど不可能だったということか。武后時代の史料も事績も、後世執拗に抹消されてしまったのが惜しまれる。きっと物凄く面白くて魅力的な人だったろうと思う。

12/24 14:31
0255文字
若黎
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今年も新年一冊目はコレにしました。
0255文字
kokekko
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とても面白い歴史読み物だった! 講談社学術文庫から出ているのでおかたい本かと思いきや、塩野七生さんのような軽妙な語り口でつづられる唐の女帝の物語。彼女の出現を許した唐という国は一体どういうものだったのか、というところを、隋の末期や北魏の末裔の行く末など、多民族の血族的な側面から溶きほぐした序盤が特に面白かった。だが文化史的な側面の記述はない。ともかく読みやすい本だった。おすすめ。
0255文字
へやせま
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おもしろかった。中華史唯一の女帝。そろそろ"武則天"の表記に統一してもいいんじゃないかなと思うけど使う機会もあまりないか。たいへんおもしろいのでおすすめなのだが、中華史が好きじゃないときびしいだろうか。女帝列伝ものとしてはすこぶる読みやすく物語調なので歴オタじゃなくてもついていけるとは思う。ちょっと予習はしたほうがいいかもしれない。なんならyoutubeで疑い半分でおさらいしてもいいかもしれない。歴オタ界隈だけに埋もれてしまうのはもったいないのよな。
0255文字
すずゆい
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【文喫 選書】 物語調のためか読みやすかった。しかし、さすが中国史。残酷だな…。あと、女帝の側に怪僧がいるのはどこの国でも同じだな、とも思う。歴史は繰り返す、ということだろうか。
0255文字
碧雲-  lukeminen
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推測が土台の小説。 資料を土台にしていない、史実に沿わない空想モノ。 大陸の武家のルーツについて、調べていない。
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あっはいそうですね
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前半は李世民(太宗)、中盤以降武后の業績が続く内容 李世民は自分が「どう描かれているか」を気にした男だった 歴史に造詣が深い李世民はそれだけ過去の史書で英雄がどう描かれているかを知っており 常に自分が後にどう描写されるかを意識していた そのため制度・施策としては隋の煬帝をほぼ踏襲していたにもかかわらず 彼と同じ轍を踏まないようにと反面教師にし、『貞観政要』にあるような「名君」であり続けた 後半になると専制の傾向が出てきたがそれでも唐歴代王朝の中では傑出した英君であり続けた
あっはいそうですね

そのような地盤の弱さを自覚していたからこそ武后はあそこまで徹底した政策を行ったのだろう 息子であろうと容赦なく殺害し、酷吏を用いて「自白」を作り出し、武氏は周の武帝に連なる家系なのだと喧伝した

01/31 04:27
あっはいそうですね

自分が女性皇帝としての先駆者でありその前例を作ろうとした武后 しかしそのためには強引なやり口をいくつも用いなければならず歴史と人心に大きな傷跡を残した その武后の後を継がんと韋后が権力闘争を試みるも、あえなく敗れ去ったのも いかに武后のやり口が強引でその反動が残っていたのかが伺い知れる

01/31 04:27
5件のコメントを全て見る
0255文字
若黎
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今年の一冊目は、再読ですがコレにしました。
0255文字
amiura
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武后登場の過程が時代・社会背景も含めてわかりやすく書かれている。女性性の扱いについてはちょっと微妙。女性の方が皇帝になるためのハードルが高かったことは間違いないが、自分が権力の座に就くために親族を殺害する、皇帝になって愛人をはべらせる等は男性権力者も同じくらいやっていたのでは?
0255文字
matsu
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ネタバレ中国の長い歴史の中で唯一、皇帝に登り詰めた女性の物語。唐朝の第2代皇帝・李世明(太宗)の後宮に入った後、その息子である李治(高宗)とも関係を持つという、当時も今もアカンやつだけど、ついには高宗の(先の)皇后を追い落としてその地位を奪取する。兄弟、子供、孫などなど、自分が権力を握るために邪魔な者は殺しまくる。権力欲が凄まじい。男性社会の中で初の女帝となるための体制・環境を20年以上かけて作りあげ、高宗の死後ついに皇帝に。著者は歴史家だが、物語風に仕上げてくれているので歴史書よりずっと読みやすい。
0255文字
ぼちぼちいこか
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隋から唐に政権が動くとき則天武后は生きていた。14才で太宗の後宮に入り、太宗亡き後その息子である高宗に寵愛され後宮に潜り込む。それだけではなくライバルである皇后、愛妾を無残な死により追放する。ここまで15年の間、武后はしたたかに政治を自分の物にしようとしていた。御簾政治もこのころから始まり、女帝への道を進んでいくことになる。自分の計画の為には息子、異母兄、など必要ない者たちを殺していく。儒教の国で女性が皇帝になるとはありえない。それを実現させた武后。この女性のバイタリティー信念とはが書かれている。
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みのくま
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駄本。既定の則天武后像に変な物語を付与して語られる本書は非常に不愉快。だが文字数が勿体無いので武后について書く。武后は本当に虚栄心だけで皇帝になったのか。勿論それもあるだろう。しかし、彼女の武周革命はもっと実際的な動機があったように思う。それは官僚制の確立と皇帝権力の集中化。仏教、特に弥勒信仰と新しい神話の創設。「則天文字」に見られる新しい中華文明の創世。漢民族と他民族の融和、つまり大帝国への道を踏み出す事にあったのではないか。しかし彼女の碑には何も記されていない。彼女が本当になし得たかった事は隠匿された
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山陰 柴
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西暦617〜710の中国は唐時代に皇后の身より皇帝になった女帝武照の一時代の歴史研究書です。非常にわかりやすく書かれた本であります。著者は私の学生時代にゼミの助教授でした。その頃は厳しく指導された半面、研究室では夜食に大鍋でインスタントラーメンをみんなで作って食べた等の数々の楽しかった思い出があります。研究に対する姿勢は学生であれ曖昧な事は許されず真剣勝負でした。話し好きで学校内の色んな情報を仕入れる事に興味を持たれていた事ーこの本の書かれた表現も親近感を覚えました。
0255文字
槙
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則天武后は目的のために手段を選ばない。有効と判断すれば産まれたばかりの娘を殺し、皇帝位のライバルになる息子たちもザクザク殺す。 密告を推奨し宗教を利用し家柄ではなく能力で人を取り立て人材を活用し、いらなくなった人物は捨てる。作者も凄まじいと辟易したり魅力的だと圧倒されたりであっぷあっぷしたと後書きで述べていたが、読者もひえーっと言ってるうちに一気読みしてしまう。佐野洋子が「気が強くて才能があって不美人で自己主張が強すぎる人を偉いと思ってる」と書いてた。則天武后は美人だったが、残りは全部あてはまるわ。
0255文字
xuxu
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ディー判事のモデル狄仁傑を知りたく。女の身で皇帝になる。不可能に近いことを成し遂げた女。当然凄まじい。権力のためなら我が子すら手にかける。その残虐な所業には目を覆う。一方で遠大な計画を実現していく手腕、意志の強さは特筆もの。低い家柄、遅いスタート。そこから50年かけて着実に地歩を固めついに即位。評価は様々なれど傑物であることは間違いない。本書は女帝出現の背景として初唐の社会や宮廷内の派閥争いにも言及。確かな歴史考証に基づきつつも物語仕立てで読みやすさは抜群。狄仁傑は武后すら認めた男にして唐復活の立役者。
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ぽっぽママ
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則天武后の一生がわかりやすく丁寧に書いてある。特に政治的な業績が詳しく書かれている感じ。日本における女帝とは歴史的背景が全然違って彼女が乗り越えなければいけなかったハードルの高さを感じた。
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えむ女
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中国史の専門家による則天武后論で小説ではない。美貌や才気はずば抜けており、準備周到に機を待ち、政治手腕もある稀に見る烈女で小説やドラマでは非常に面白い人物。「小説十八史略」を読んで武后を知り何冊か関連する本を読んだが本書はこの時代の背景が書かれており冷静に武后を見られる。中国のドラマを思い出し読んだので主要人物はキャストの顔を思い出し読み終えた。
ton

今現在中国ドラマ『武則天』視聴中です(^^)

05/15 09:47
えむ女

面白いですよね。綺麗で華やかでワクワクしました。

05/15 09:53
0255文字
エリオちゃん
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ふーやーちゃん目当てで読んだ。 女性が生き残るためにはここまでたくましくならなければならないのか。 宝具の由来はエグかったけど、暴君と名君の双方併せ持つ人だったな。
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MUNEKAZ
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武則天の評伝。権力奪取のためなら肉親にも容赦しない苛烈さに辟易するとともに、人を見る目の確かさ、人材登用の上手さにも驚かされる。もともと低い出自の生まれだけに、唐朝の非主流派の人材やアウトロー達を味方にして(そして使い捨て)、宮廷政治を渡り合う姿は、物語調の書き方もあってなかなか面白い。また、高祖、太宗の代から話を始めるなど、彼女の台頭の背景となった唐初の歴史や制度にしっかりと言及しているのも理解の助けになっている。
0255文字
うまのすけ
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NHKの番組「盗まれた長安 よみがえる古代メトロポリス」をみて唐の歴史をおさらいしたくなり購入した。野望を実現するために肉親を手にかけることも厭わない則天武后の執念に圧倒される。ここまで簡単に合法的支配が覆るのは、古代ローマ的なクリエンテーラ(恩寵的人間関係)が社会の基盤にあったからなのだろう。しかしこの物語を読んで印象に残るのはそのような理屈ではなく、例えば武后を皇后に立てる事に反対する褚遂良が叩頭して血を流す場面などに見られる、熾烈な個性のぶつかり合いである。そこに中国社会の力の源泉があるのだろう。
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風鈴
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中国史に燦然と光放つ唯一の女帝則天武后の波乱万丈の生涯は凄すぎ!今テレビで放映されているので読んだ。人名、官職名、国、地域等の名称難しく読むのに時間がかかった。権力欲は凄まじい。我が子さえ殺しあらゆる策を駆使して皇帝へと昇る。残虐な面は顔を背けたくなるがあの時代女性が頂点に立つなど誰が考えただろう。凄いカリスマ性を持ったパワー溢れる女性だなと。テレビのドラマ展開が楽しみ。
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魔威駆
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則天武后が生まれてから女帝になって死ぬまでを追った学術書。読んでいくうちに水滸伝を想起した。悪漢どものハチャメチャぶりは、武后の権謀術数を踏まえると、フィクションとはいえ時代背景を幾ばくか反映しているのかもしれない。最初の100ページは則天武后とは直接関係ないから読まなくてもいいかもしれない。
0255文字
佐藤丈宗
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抜群に面白い。ガチガチの歴史研究書が本来は忌避する物語的な要素や記述を大胆に採り入れているので小説のように読める。冒頭、彼女の生年を考察する段で「話として面白い」という理由を臆面もなく表明するのを目の当たりにしたときは度肝を抜かれ、歴史書として不安になったが読み終えてみると、この書き方は正解だと思える。中国史上唯一の女帝・則天武后を主人公とし、彼女の生涯を描きながらも、しっかりと唐王朝の抱える特質やその初期体制が描き出されている点は見事。本書は物語然としているが、確かに歴史家の鮮やかな仕事である。
0255文字
ゆみゆみ
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中国ドラマ「武則天」を観ているので読んだのだけど、ドラマと違って実際の則天武后はやはり恐い女性だったんですね。
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Jirgambi
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友人であり先輩筋に当たる人が唐王朝・則天武后期のジェンダー史を専攻とし、またファンビンビン(范冰冰)主演の『武則天』から。文字の変換や台頭までの道のり、どれも単なる革命、そんなものは普通無いが少なくとも他の革命より革新的と言うに尽きまさに無字碑。筆者は、則天武后をこの時代の空気だから生まれ得た、とまとめており、史観論やこの時代の王朝概念論についても為になる。
0255文字
若黎
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学生時代の恩師の本。あのころ、もっと唐代について聞いておけばよかったと後悔しきり。でも、読み易くて、楽しめた。この中国史上唯一の女帝の凄さを、この本で多くの人に伝わるといいなと思います。
山陰 柴

若黎さん!昨年末に明治大学の一般公開講座 ZOOMリモートで5、6回の漢時代をテーマがありました。この気賀沢先生の講義を受けました。久々にお姿を拝見しました。お元気そうでした。今年の10月頃に魏晋南北史をテーマに講義がありますよ!

09/12 08:21
若黎

山陰さん、一般公開講座受講されたんですね。先生がお元気そうでなによりです。10月に魏晋南北史ですか。頭の老化が著しく受講するのは微妙ですが、公開講座の情報はありがたくいただきます。

09/12 12:50
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0255文字
雛子
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女の身でありながら中華史上唯一の女帝として君臨した則天武后。本書では著者の言う通り彼女に対する一方的なレッテル貼りはされておらず、かと言って事実の羅列に終わらず読み物としてもとてもおもしろく。中国史素人の私としてはこのくらい噛み砕いて物語風にしてもらったほうが、楽しんで読める。しかし中華文化圏において女性が皇帝になることのなんと大変なことか。前皇后やわが子殺害はともかく天授聖図のあたりからのなりふりかまわぬ必死さが凄まじい。あとがきを読んで、入手しやすいこの講談社学術文庫があることに感謝したくなった。
雛子

なんにせよ則天武后は多面的な魅力を備えた女性だったのだろう。 それでもなお見え見えの猿芝居を大仰に打たねばならぬ程に、中華圏内では女性が帝位につくことは困難なのだろう。 大真面目に儀式に臨む周りの者達は、馬鹿らしいと思いながらも時勢の流れ上どうしようもないと思って表情を整えていたのかしら。 唐代ゆえ、著者は繰り返しそう述べる。 以後、楊貴妃にしろ西太后にしろいくら皇帝を意のままにし権力を手にしても、所詮は後宮の一員でしかありえなかった。

11/28 21:31
雛子

そう考えると、則天武后のとてつもなさと唐代の空気を少し感じ取れるような気がする。

11/28 21:32
0255文字
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則天武后 (講談社学術文庫 2395)評価71感想・レビュー32