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美徳の不幸 (角川文庫)(Kindle版)

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karatte
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「美徳の不幸」「悲惨物語」の二編を澁澤龍彥の名訳にて収める。前者はのちにジュスチイヌ関連二長編の土台となる中編小説。長編は未読のため比べるべくもないが、妹ジュスチイヌを襲う災難の数々は、まさに不幸の見本市状態。副題の「哲学小説」や前口上に出てくる「ザディーグ」で瞭然だが、これはヴォルテールのコントの系譜だ。一方、後者の短編は悪徳を極めた父親と蹂躙される母親、更には父に悪の思想を吹き込まれる娘と、より観念的なテーマで読む者の心胆を寒からしめる。取り敢えず殺しておくか的ラストの空虚さよ。
karatte

不幸の連続にただただ打ちのめされる前者の迫力も悪くないが、サド研究の先駆者たる故モーリス・エーヌに「サドの短編中第一等の傑作」と言わしめた後者のほうにより問題提起的な現代性を感じた。

12/18 20:00
0255文字
火冬
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【評価:満足/媒体:電子】こうなることは分かっていたけれど……やっぱり救われないなぁ。
0255文字
かんちゃん
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1787年マルキ・ド・サド。『ジュスチーヌまたは美徳の不幸』『新ジュスティーヌ』に先立つ『原ジュスティーヌ』と呼ばれる作品。作品の中にいる限り、サドの主張は完璧であり、つけ入る隙はない。つい納得しそうになるのは、我が身の内に同じような悪徳の心が厳然と存在するからだ。読み終えて後、作品から一歩離れて気がつく。心中には美徳もまた同居し、悪徳だけが暴走することはない。美徳だけでは生きにかろうが、悪徳だけで生きることは決して出来ない、そう思いたい。サド恐るべし。澁澤龍彦の名訳も凄い。
0255文字
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