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相模原事件とヘイトクライム (岩波ブックレット)

感想・レビュー
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二人娘の父
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映画「月」への評価は賛否が分かれるようだ。批判意見の理由は「障害者大量殺人事件の背景を『否定』できていない」というものだ。「やまゆり園事件=相模原事件」が日本社会に与えたファーストインパクトは甚大であった。しかしその後、この事件が社会のなかでどのように理解され、教訓化されているのか。自分自身の認識を含めて疑問というか、処理しきれないあやふやな思いをずっと持ち続けている。当事者らの訴える「差別の背景にある『無関心』」な状態を見過ごしていないか。まずはその認識を点検するところから始めなければならない。
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U-Tchallenge
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相模原事件について触れられているが、そこよりも障害者への偏見や差別について端的にまとめられた一冊であった。誰しもが障害者になり得ることは理解し、想像しておきたいことだ。そして、障害のある方を遠ざけていることで、無関心が蔓延っていることにも気をつけないといけない。無関心がさらなる無理解を生み出し、それが差別や偏見へとつながる。何がなんでも関り合いを、とは言わないが日常的な関り合いを意識しないといけないだろう。ブックレットなのですぐに読むことができるので、興味を持った方は是非とも手に取ってほしい。
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HANAE
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法律があるだけでは圧倒的に不十分であることや、事件のことを(批判の文脈であっても)語るのが憚られると言っている最中にも、優生思想やそれを部分的に「合理的」とする言説がすでに跋扈していることを今一度認識した
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晴読雨寝
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「差別の反対は無関心」
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海冨長秀
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相模原の事件が起きたとき、遺族の中には実名報道を避ける人がいた。その中には障害のある家族がいることを世間に知られたくない人もいたようだ。加害者を生んだのは、こういった障害者を見えないもの恥ずかしいものと見做す社会のありようなのではないか。道を歩くと、前をノロノロと歩く老人がいる「邪魔くさいな」と思う。こんな感情が、弱者排除の優性思想で理論化されると加害者のような人間を生み出す。私も危うい。そう気づかされる一冊。Nothing About us whitout us.
0255文字
こぱんだ
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優生思想について主に書かれた本。ホロコーストの前に障害者大量殺戮が行われたなんて全然知らなかった。差別の反対が無関心、とは本当にその通り。現代の日本では、健常者は積極的に学ばない限り、障害者についてほとんど知識がないと思う。
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BookerT
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主に、優生思想をはじめとする人権侵害についての解説や意見が述べられており、殺人という植松被告の異常性とは論点を分けていると思った。「殺人という非日常」を傍によけた時、日常の人々の内なる「差別」が浮き彫りになる。「差別の反対語は無関心」であるという。そうであるなら、成すべきことは、差別をなくすことではなく、差別を秘めたままであっても関心を持つことだろう。薄い本だが、刺激がたくさん詰まっている本だと思った。
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KappaKappaPog
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ネタバレ相模原事件で植松容疑者が綴った手紙に見られる障害者を殺害してもよいとする「優勢思想」について反駁した本。 大まかな論拠として、ドイツで行われた障害者を殺害するT4作戦を始めとしてホロコーストが行われたことを元に、同様のことが起こらないためにも「優勢思想」には反対するべきだとあった。
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れお
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相模原の事件が起きたのは、わたしが高校生の時だった。新聞は読まないし、ニュースも見ない、というかテレビ自体を見ないわたしは確かこの事件をTwitterで知ったのだった気がする。概要も何も分からないまま、大変なことが起きているのだろうとただそれだけを思ってそれきりにしていた。某有名な歌手のTwitterでの発言が波紋を呼んだとき、「優生思想」、それから相模原事件、ナチスの障害者や病気を抱えた人の殺戮についてぼんやりとながら知った。それで、きちんと知りたいと思って読んだ。続
れお

現れではないでしょうか。この発想自体、優生思想の延長線上にあると言っていいのではないでしょうか。二〇歳未満ならいざ知らず、二〇歳を超えた方について、たとえ親の意向とはいえ匿名のままでいいのでしょうか。とても違和感があります。」この結論はあまりにも早計だと思う。たしかに、そういう風に考えて公表をしたがらない遺族がいたのかもしれない。けれど、名前を公表すればその遺族は周りの人の醜悪な興味や関心に振り回されることにだってなるはずだ。静かに悼むことすら、ゆるされなくなるはずだ。

09/20 13:07
れお

亡くなったひとのことを静かに悼み、前を向いて生きていくための準備をするうえで名前の公表自体が足を引っ張る場合だってあるのではないか。わたしたちは名前を知らない人たちを悼み、手を合わせることができる。遺された家族が塗炭の苦しみを抱えていることを想像し、それに寄り添うこともできる。そういう考えもあるのだ、と知ったいい機会だったけどわたし個人としてはあまり賛成できないな、と思った次第。

09/20 13:18
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0255文字
くり坊
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第三章「ナチスドイツとT4作戦」は必読。もっと多くの人に、ナチスによるホロコースト、ユダヤ人の大量虐殺の「前哨戦」として、障害者を対象とした虐殺があったということ…国民(兵士)として「役に立たない」という安直な理由から…もしくは福祉の財源を削減できるという「戦時下」の発想からか...多くの罪なき「命(いのち)」が奪われたことの、その「知る」きっかけになればいいと、この本の価値を願います。
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mana
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ナチスの歴史などと絡めて、障害者への偏見や差別を端的に書いている。優生思想、差別意識は相当根深いものなのだと読んでいて恐ろしくなった。事件の被害者の名前を出すかどうかというのは、障害者だからということではなくて、純粋に「そっとしておいてほしい」という気持ちもあるのでは?と思ったが、「最初からいないもの」と考える人もいるのだと…。あと、「無関心が一番曲者で、怪物のようなもの」だという言葉が刺さった。障害者に限らず、高齢者やマイノリティの人々を認め合い、支え合いながら共生していける社会は実現するのだろうか…?
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すけんこ
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図書館で読んだのですが買います。ヘイトに心身を噛み砕かれそうになっても、この本に立ち返ればまた闘えると思う。断種のポスターの文面もおぞましいが、曽野綾子にもドン引きである。厚顔無恥な優生思想は犬(坂上忍)にでも食わせておけと思った。言葉がキツくてすみません、読み終わりたてでとても怒っています。
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Ishi
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☆☆☆ 明確な意志を持って、歴史まで含めて簡潔に書かれた本。横山晃久さんと藤井克徳さんへのインタビューがあった点もよかった。
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大熊真春(OKUMA Masaharu)
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所有することにした。薄いブックレットだけど肝心のエッセンスは的確に書かれていると思う。植松被告はともかく、我々自身が反省せよ。だ。
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*あじさい*
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ネタバレページ数が少ないので一気に読みました。ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺の前に行われた「T4作戦」なる障害者虐殺はヒトラーがすべて指揮したものではなかったこと、それが正義とされていく年月の過程を今日本にいる私達は知り、相模原事件を考える必要があると強く思います。
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Yuka
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なかなか向き合えなかった事件。薄い本なのに、重たくて手に取れなかったけれど、避けては通れないだろうと思う。 先日、『アスペルガー医師とナチス』を読んで優性思想のもと多くの障害者が殺害されたことを知った。 人は能力がなければ生きていけないのか?人間の"能力"は誰が測るのか?私自身は、能力のある人間なのか。 「障害者の権利」と言っても多くの人が無関心だと思う。それ以前に、私たちは社会の定める能力がなければ生きる価値がない、と思わなければいけない社会の在り方を見直すことが先なんじゃないだろうか。
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shohji
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相模原の施設で障害者19人が殺害された事件。ネットで事件の部分肯定が起きかけていたことへの警鐘が主な内容。著者の憂慮は途中からヒトラーの差別意識へと進んでいく。ホロコースト以前に障害者抹殺があった。ヒトラーよりも医療関係者が積極的に推進していた。これはあまり報道されていない。もう一つのポイントは被害者の氏名を公開しなかったことの是非。ご遺体にも人格はあるわけでこれも難しい問題。事件が起きた2016年は障害者差別解消法が施行された年である。差別の対極が無関心にならないような議論が必要であると著者は結んでいる
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futabakouji2
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無関心であることから障害者についてよく知ろうと思った本。というのも自分もいつ障害者になってしまうかわからないからだ。酔っ払い運転に巻き込まれる可能性がある。自分がなりうる存在を処分するのはまずいと思う。社会に明確な勝ち組、負け組を作ることって勝ち組でいられる優越感、安心感を維持させるものとも思える。勝ちも負けたまたまだし、その両者になってしまうのが当然だ。
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🌿 la brise*@mistral 🐰⤴︎♡
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読友さんのレビューから手に取りました。事件のことは、ずっと気になっていて…(関連本を何冊か登録中)。2016年7月26日…津久井やまゆり園で起きた事件。事件発覚で「匿名報道」、「優生思想」、「入所施設の内情(青年、壮年が大集団で期限なしに収容)」などなど、さまざまな問題も浮き彫りになりました。ナチスの「T4作戦」については、恥かしながら今回はじめて知りました…日本でもハンセン病の歴史があります(内なる「優生思想」…自分と他者を比較して差別する心については多分?誰もが持っていることかも? 難しいです)。↓
ベーグルグル (感想、本登録のみ)

さっきチラッと調べてみたよ。ナチスのT4作戦。ナチスのヒトラーも酷いけれど、それを利用して人体実験や虐殺をしていたという医師や有識者達も酷すぎ。ハンセン病も未だに差別的な目もあるしね。だからハンセン病にしろ、色んな事も知ることからしなきゃと思う。ちょうどいい時にこのナチスの作戦も知れてよかったと思う。ありがとね。

05/24 23:34
🌿 la brise*@mistral 🐰⤴︎♡

もう、調べたんだね? 医師や看護師、有識者が…というところが、もうね…。そう、知ること…大切だね。無関心が一番いけないと思う。「麦ばあの島」も気になる…。ゆっくり追いかけるね❤︎

05/24 23:54
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マイケル
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ナチスの優生思想によるT4作戦の障害者殺戮との関連であの事件を簡潔に説明したもので、事件の記憶が風化する中、本書は貴重。また、出生前診断による障害児堕胎にも触れており、優生思想が決して過去の遺物でない点も紹介。「わかる、使えるはじめの1冊」に偽り無し。なお、ナチスのT4作戦については、この事件がきっかけで翻訳開始された本「障害者の安楽死計画とホロコースト ナチスの忘れ去られた犯罪(スザンヌ E・エヴァンス)」に詳しく書かれており、合わせて読むことをお勧めします。
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yuki
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なんにも知らなかった…。「『事件の特異性』にとらわれるだけでなく『事件なき日常性』を考え直していくこと」の重要性という指摘に納得しました。国会議員の野田聖子さんの曽野綾子氏への戸惑いに泣けてきました…。家族を介護していて身につまされました。
yuki

ちえさん、いつもいい本を教えていただきありがとうございます。

05/12 23:05
ちえ

こちらこそ(@^^@)/

05/13 12:39
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ちえ
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先月辺見庸の「月」を読み、再読。きょうされんの藤井克徳氏の語る「特異さだけでは片づけられない問題」(入所施設・匿名性・障がい者差別)とナチスドイツのT4作戦へのフォン・ガーレン司教の批判が響く。仕事上、認知症や高齢で障害が進む人に対し(もう施設や病院でないと無理では)という思いが自分の中に出てくる。でも時に、本人や家族から「まだやれる」という言葉があり、何とかしようとすると助けややり様が見つかる。(やってみてだめならまた考えればいいんだ)と思わされる。今の仕事を続ける限り自分に繰り返し問い続けないと。
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のら
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ナチスがユダヤ人を虐殺したのは周知のとおり。その前には障害者抹殺を図った「T4作戦」があり、さらにその前には一部疾患者に対する「断種法」があった。本書では、それらの3つの連続性を指摘する。連続性があるからこそ、断種法という「最初」を断てれば、その後の悲劇も生まれなかったのでは?と述べる。さて、現代日本はどうか。ヘイト言動がネットのみならず実際の現場でも起きている。とうに、「最初」の段階は過ぎているのではないか。個人でできることに限界はあるが、やはり戦わないといけない。
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ちえ
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読友さんのレビューに事件後に購入し読んだ本書を再読。この前に姫野カオルコの「彼女は頭が悪いから」を読んで、自分は優秀で何をしてもいい、という、優越感からくる想像力の欠落に、いやというほど触れていたこともあり、より考えさせられる。犯人は2年経つも犯行当時の主張を繰り返しているという。生産性のない者は価値がないと発言する議員も。誰にでも生きていく権利があり、例えば災害被災地域で避難所に居ることが障害のために精神的に困難になる(設備や環境という物理的な面でなく)ようなことが一人でも少なくなる為にも考え続けたい。
ぽこ

ヘルプマークをつけていても認知されていなかったり、精神障害であることだけで差別を受ける可能性もあって、なかなか浸透しませんね。排除、嫌悪の意識が高まっている社会で避難生活など想像を超える困難があると思います。いたたまれません。

09/17 14:06
ちえ

ヘルプマークは札幌にいくと地下鉄などでよくみかけるようになりました。でも逆に付けていることで差別される、そんな社会なら付けることに躊躇しますよね。優越感や劣等感、ひがみが差別を助長する事考えると、社会の歪みがそうさせているともいえますね。

09/17 15:42
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0255文字
ぽこ
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期せずして「われらはみな、アイヒマンの息子」を読んだばかりで、アンダーソンが唱える「体制が変わっても生き続ける根」そのものである差別の実態を探ることができた。加害者は優生思想の持ち主とかヒトラーに影響を受けていたと報道されていたが、当時からそこには疑問を持っていた。精神障害の疑いも違うだろうと思っている。本書で明らかなように彼自身が持った考え方が優生思想と呼ばれているもので、ナチスの思想と酷似しているだけ。こういう人が世の中にたくさんいることは事件後の反応で嫌という程感じたけれど、道理が通じない(続
ぽこ

相手の考えを変えられるのか、暗澹たる気持ちになる。政府の対応も非常に表面的でお粗末だったし、社会全体が障害者の存在を弾こうとする傾向が強まるばかり。匿名報道は被害者の人権を損なうものではあるが家族が隠して欲しいと思わざるを得ない状況を解決せずに報道すれば良いとも言えない。出生前診断なども含め「いらない命」として扱う事への許容や慣れが今後広がることを懸念する。T4作戦について作戦終了後の方が虐殺された人が増えたことは新たに知った。現世田谷区長の著者の障害者についての政策を評価していたので著書が読めてよかった

09/08 17:09
0255文字
kentaro mori
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社会に蔓延していて、それを公言することをはばからなくなってしまった「ヘイト」の渦。それはどこから生まれるのか。それは醜い「ルサンチマン」から来るのではないか。自分の中にもルサンチマンは、ある。それをどう乗り越えるか。
0255文字
SK
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相模原事件から、今日で2年。自民党の杉田水脈議員からは、「生産性のないLGBTを支援する必要はない」発言。命を選別する優生思想とは、闘い続けなければいけない。
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kawauso
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事件の異常性ばかりに引っ張られて、文章を借りるなら「事件なき日常性」に目を向けなければとハッとさせられる。「生産性」なんて、想像力の欠如した言葉が当たり前に発せられる今、事件も書かれていることも決して他人事ではないのだと思う。
0255文字
天城
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第3章に記述されている、ナチス・ドイツによるホロコーストの「リハーサル」とも考えられる「T4作戦」なる障碍者の大量虐殺という悪しき史実を初めて知った。第4章の「自滅の論理」で「やがて加害者自身も「抹殺」の対象となる順番がまわってくる自滅の論理」もまた今回の事件を通して我々が肝に銘じなけれいけない重要な問題の一つである。
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Ikkoku-Kan Is Forever..!!
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思想史として考えると「『人権human rights』という概念をどのように説明しますか?」という話になる。乱暴に図式化すると「人間」(生物的な個体)と「絶対的なもの」(イデ—でも普遍でも絶対者でも本尊でも良い)の関係をどのように論じるかとなる。①「個」の外にある「絶対的なもの」へのコミット。②「個」と「個」の共感のなかに「絶対的なもの」が立ち現れる。③「個」のなかに「絶対的なもの」がある。①と③を両極に②を挟んで立体的にする思想とは何か。「社会を成り立たせるもの」と「人間を人間たらしめるもの」への問い。
Ikkoku-Kan Is Forever..!!

「権利」と「義務」の関係という観点から、歴史的なアプローチをすると、①「権利」が最初に生じる論理と②生じた「権利」を維持発展させる論理は違う、のではないか。これは「自由」をめぐる問題。確かに、「権利」は「義務」から生じた。ポリスのデモクラシーをみればわかる。ただ、その「権利」を維持発展させる論理は、ある特定の人の「権利」を否定するものの「権利」を認めると「権利」そのものが死滅するという直感が支える。ナチスはその代表例。「権利の制約」はその逆説であって、①と②の論理の違いから意味と目的が交錯しているのでは。

11/11 19:23
Ikkoku-Kan Is Forever..!!

「権利の濫用」という規定が、どのようにして近代憲法のなかに位置付けられたのか、それぞれの国の歴史を考えながら整理すること。そうした観点から、「正義論」(公共哲学)や「社会福祉」あるいは「社会保障」について研究すること。とりあえず、まずは思想的アプロ-チを、戦後日本思想を例に「人間革命」という言葉に注目しながら簡単にまとめて、それを一里塚にする作業。

11/11 19:28
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fujiokashinya
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世田谷区長である著者が、2016年7月に津久井やまゆり園で起きたヘイトクライムについて、障害者支援団体の人々へのインタビューを含めて考察します。同年4月には障害者差別解消法が施行され、世田谷区役所でもセレモニーが行なわれましたが、それから半月も経たないうちに事件が起きたこともあり、著者の感じるインパクトも大きかったのでしょう。これは首長の仕事ではないと思う人もいるかもしれません。しかし、間違っていることは間違っているとリーダーが表明することは、米シャーロッツヴィルでの非常事態を見ても重要だと思います。
0255文字
qbc
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インポート
0255文字
takuji
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ドイツのT4作戦についてはNHKで放送されたものをなぞっただけなので、ちょっと物足らない。 「障害当事者の人々が真っ先に表明したのは施設の問題でした。私は、事件の特異性が成立する条件として、多くの障害者が施設に入所しているという点にすぐに気づきませんでした」  ここは重要だ。この点についてもっと詳しく知りたかった。  重度障害者の多くが施設でなく地域で生活していれば、事件は起きなかったのだろうか。 「事件の特異性にとらわれるだけでなく、事件なき日常性を考え直していくこと」
0255文字
うがり
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大学時代、障害者と触れ合う部活をしていた。その時の親御さんが「自分の子どもは障害を持つという特徴を持つ以外、普通の人と変わらない」と言っていた。何を基準に優れていて、劣っているか。劣っているなら殺していいのか。そのはずはない。でも今の社会は、それをちゃんと否定するのが難しくなってしまった。今の社会に流れる優生思想は、昔から続いているもので、きっとこれからも残っていく。人は弱い。だから下に誰かを見たがる。でも本当に強くなるなら、みんな横に見れるはず。自分という人間の強さを問う話であった。
0255文字
coolflat
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相模原事件は、その犠牲者と被害者の件からも戦後最悪の事件となった。また施設職員として働きながら、衆議院議長宛の手紙で犯行を事前に予告し、「襲撃・殺戮行為」を正当化している点、無差別ではなく、殺傷の対象を絞った選択的殺人という点から、ヘイトクライムとしての特質を持つものと受け止められている。ヘイトクライムとは、個別のトラブルや怨恨等を理由とするものではなく、生まれながらの人種、民族、宗教、性的指向、障害等の特定の属性を持つ対象への偏見や差別に基づく憎悪によって引き起こされる暴力、虐待等を意味する言葉である。
coolflat

被害者たちのほとんどは、自分の身を守る「心身の能力」が制約された重度障害者たちだ。こうした無抵抗の重度障害者を殺すということは、二重の意味での「殺人」を意味する。一つは人間の肉体的生命を奪う「生物学的殺人」。もう一つは人間の尊厳や生存の意味そのものを優生思想によって否定する「実存的殺人」だ。こうした思想や行動の源泉は、今の日本を覆う「新自由主義的な人間観」と無縁ではない。労働力の担い手としての経済的価値や能力で人間を序列化する社会。そこでは重度の障害者の生存は軽視され、究極的には否定されてしまいかねない。

06/08 00:11
coolflat

ナチスはユダヤ人を大量虐殺した。しかしそれ以前にナチスは障害者を「価値なき生命」とみなしてガス室で次々と殺戮を続けて、20万人以上の生命を奪った。障害者殺戮(T4作戦)の方が先に始まって、大量殺戮の技術と手順を確立した事が、その後のユダヤ人虐殺に繋がったという前後関係だ。実はT4作戦の前には断種政策があった。断種法とT4作戦とユダヤ人虐殺の三つは連続的で段階的とみなければならない。ナチスが行った断種のような初期段階で事態をどう見るかが問われている。「これくらいは」と許してしまった事が大きな悲劇を招いた。

06/08 00:12
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覚醒
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区長を務める方がこのように熱心に取材し執筆をされたということにまずは感服。事件について違和感が残っており手に取った。ナチス政権時代にヒトラーの命令ではなく医療従事者によって障害者殺戮が行われていたことは初めて知った。100年にわたり長く根付く優生思想を私達はどう乗り越えていくかという問題提起がなされており、福祉政策の充実や問題意識を持つことが挙げられているが、理論や理屈とは違い感情レベルのものは解決しづらいような。障害者ではなく固有名詞を持つ一人一人との出会いを積み重ねるしか感情を覆す方法が思い付かない。
0255文字
異風陽洋
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ネタバレ犯行の残忍性のみならず、加害者の心情に理解を示す声があることにも衝撃を受けた相模原事件。植松が事前に衆議院議長に届けていた手紙の内容を知った時は、新自由主義的な現政権下だからこそ起きた事件と感じたけど、問題の根はもっと深い。ドイツのT4作戦の実態には戦慄を覚えた。優生思想自体はそれ以前から世界各地で提唱され、政策として掲げられていたという事実に驚く一方、日本でもハンセン病患者に対して断種が行われていたことに思い至り、人間が歴史の中で繰り返してきた、未だ乗り越えられていない問題であることを認識できた。
0255文字
カワウソさん
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ブックレット形式で電車の帰り道で読破した。記憶にも新しい相模原事件。この事件をナチス・ドイツの「T4作戦」と結びつける。社会の中に潜む「優勢思想」はいつ、だれの中で湧き上がるかわからない。我々は社会的に弱い人に対し、差別はしていないかもしれないが、無関心ではないだろうか?今乗っているラッシュの電車の中に彼らがいたときに私たちはどんな行動をとるであろうか。社会の質が問われる。
0255文字
call
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著者は相模原の事件とその後の対応を通して日本社会における障害者の在り方に問いを投げかけ、日本で今なお消えない障碍者の外部化に警鐘を鳴らしている。まず、相模原事件の概観を述べ、障害者の声を取り上げている。次にナチス・ドイツの「T4」作戦を取り上げ障害者が組織的に殺された事実を述べている。そして、最後に障害者に対する私たちの覚悟を問うている。僕個人としては障害者のインクルージョンを大切にしたいと思った(意識しないと無意識に差別してしまうと思うので)。
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相模原事件とヘイトクライム (岩波ブックレット)評価90感想・レビュー60