形式:単行本
出版社:DU BOOKS
個人的に蒐集したモンスター関連の絵、人形、等身大の彫像を見ていると、デル・トロの創作の源泉を感じ取ることができる。異形なものへの偏愛は、一見、ティム・バートンのそれと重なって見える。しかし、バートンが異形のものにマイノリティの悲哀を感じるのに対し、デル・トロは社会を映す鏡を見ている。あるいは、創造主の想いを感じている。デル・トロが特にフランケンシュタインの怪物に惹かれるのは、たぶんそんな理由からだ。(つづく)
そう気付くと、バートンの映画がいつもパーソナルなものであるのに対し、デル・トロの映画は『パンズ・ラビリンス』にしろ、『パシフィック・リム』にしたって、個人的趣味を全開させているように思わせつつ、社会を感じさせるではないか。デル・トロの映画の怪物達が、ときに破壊的なのは、そんな理由からだろう。
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