形式:Kindle版
出版社:小学館
出版社:情報なし
イノベーションに後ろ向きな現代の日本を手厳しく批判しています。担保と確実性を重要視する銀行からはもはやお金を借りる術はない。そして、国民の利益よりも、現行の社会システムの保持、延命に走る政府は、新しいものを排除する方向しかない。もう先細りの日本では、このような経済自治区(経済特区のような規制の厳しいものではなく)を作って、内側から変えていくしかないのだ。また、原発に対しても、主人公中谷の葛藤が興味深い。莫大なエネルギーを消費するエアーを使いつつ、原発をゼロにすることはできない。極端な反原発への抗議であろう
しかし、あえて批評するなら信用経済という資本主義の根本を否定している一方で、その資本主義経済から得た資金によって新しい資本主義システムを構築しようとする矛盾がある。そのために、その資金がショートした途端に自治区は崩壊してしまう。個人的には自治区が成功し、新しい資本主義によって日本が再生する姿を見てみたかった。それは「エアー3.0」にお願いするとしよう
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