形式:文庫
出版社:筑摩書房
「はったりが、はったりでなくなることがある。」を明確に打ち出すのが、ご存じバークリー『レイトン・コートの謎』である。見ての通り、同じく巴妙子訳である『探偵術教えます』などを手に取ったのなら、バークリーにも手を出してみてほしいです。ダイマ。
あれか、おぼっちゃまといえばファイロ・ヴァンスはこの頃は競馬をやっているよな。
いかさま賭博というテーマながら殺伐とした雰囲気がないのは、賭け事が資産階級のお遊びという面もあるが、やはり著者の性格によるものでもあるだろう。非常に楽しい一冊だった。
あとがきにもあるけれど、1929年作品のエピローグ中でトニーがイカサマ暴きビジネスモデルについて浮ついた夢を語り、漏らす言葉「ずっとそんなふうに暮らせたらいいのになあ!」は暗示的というか直球に恐ろしい。おそらくこの本の刊行まもなく世界恐慌がアメリカから起きるから。
シンボル/カードの出方/ポーカードッグ/赤と黒/良心の問題/ビギナーズラック/火の柱/アカニレの皮/エピローグ/堕天使の冒険
正にそうですねえ。電報でのトニーの依頼を断り続けていたのに、奥さんの「どうか来てください」「行きます」のやり取りも爆笑物でした。文庫本収録の「堕天使の冒険」も味わい深いです。
紹介ありがとうございました! これ、ツボど真ん中でしたー(≧▽≦) 文庫本収録のも読みたいっす!
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