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昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

感想・レビュー
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馬咲
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これだけ多くの当事者達による錯綜した応酬(恩讐)を描ききった著者の手腕に感服しつつ、鉛を飲み込んだような読後感。政争と経営が不可分な大組織の混沌とした人間模様が記述の中心だが、「行政改革」というワードと土光臨調を持て囃し、官業性悪説的言説まで展開して世論を形成していくメディアといった舞台背景の様子も伝わってくる。平成以降の「民営化」や「規制緩和」が語られる際の論調に近しいものを感じたが、この辺りで範型が出来上がったのか。
馬咲

本書の成立は分割・民営化推進派=勝者側の資料提供に拠るところが大きい点に留意が必要かもしれないが、実力行使で職場を占領地化してヤミ手当等の悪慣行のような歪んだ「労使協調」にもたれかかり、セクト思考でいがみ合う組合の姿からは、労働運動の「大義」は見えて来なかった。国鉄解体に伴う国労解体は、公務員の労働基本権という論点と民間の労働運動の双方の衰退にとって重大だったことも見逃せないが、正規/非正規が新たな階層と化した現在にとってあるべき労働運動を考えるうえで、その顛末は大いに戒めにすべきものを含むと思う。

03/26 01:50
0255文字
なかしー
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前々から気になっていたテーマであり作品。 国鉄という巨大組織とその利害関係者(政・財・官)が存在するため、登物や組織団体が多いかつ複雑な利害関係となり、裏切りあり謀略ありで、現実にあった話でありつつ物語としても非常に読みごたえがあった。ある種の昭和の象徴的な「国鉄」が分割されることにより、旧→新の権力構造ターニングポイントともいえる。本書を読むことで、現在の権力構造に至るまでの一部分を垣間見ることができる。 山崎豊子が好きな方なら是非オススメしたい社会派作品。
0255文字
ゲオルギオ・ハーン
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国鉄解体に至る経緯を労働組合と政治の動きをリンクさせながらまとめた一冊。割といろいろな視点から書かれていて面白く、国鉄の問題点が浮き彫りになっていくので読んでいて理解を深められた。残念ながら私には当時の労働組合の人々の気持ちを理解できなかった。お客様に迷惑をかけてまで自分達の主張や職場を守ろうとする考え方はよく分からないし、自分の首を絞めるようにしか読めなかった。そのため、輸送手段として鉄道が競争力を失っていくのも納得だった。政治の動きも細かく書かれているので国鉄が政治に振り回されていくのも分かる。良書。
ゲオルギオ・ハーン

とにかく、身勝手なストライキが今行われていなくて本当に良かったと思うし、それによって電車の信頼がなくなっていくのは想像するに容易だった。もし、当時に生きていたら電車なんて乗らずに車で移動しただろうし、輸送もトラックや空輸の方を信頼したと思います。そのため、物流の歴史についても予備知識をつけられたので本当に良い一冊だったと思います。

01/03 21:41
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nanagou
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国鉄が分割民営化に至る背景には、国労解体を通じて社会党の力を削ぎたい政治家の目論みと、日本国の鉄道網維持を目指す有志達の志が合わさり渦巻き、大きな流れが出来ていた。その流れの中で成し遂げられた国鉄解体。それは55年体制が崩壊する昭和解体でした。非常に濃い内容でした。
0255文字
りょうちゃん
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国鉄分割民営化は、戦後最大の政治経済事件であり、「昭和解体」と呼んでも差し支えないと感じさせられる。国鉄当局に留まらず、時の総理、国会議員、運輸官僚、巨大労組組織の幹部などが激しく利害を争う様をここまで重厚かつ淡々とした筆致で描ききった著者の圧巻の筆力。市場論理が浸透し、資本主義が成熟した令和の時代からは考えられない、内部の権利闘争に明け暮れた内向きの巨大組織である国鉄が崩壊する様子に、戦後という時代の縮図を見せられた気分になった。
0255文字
PT
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日本の鉄道のために国鉄解体に尽力した方が、JR西日本の福知山線事故の遠因になる?会社(社風、体制、経営方針)を築くなんてね。。
0255文字
hide
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凄絶なノンフィクション。60-70年代のマル生運動で燃え上がった労使紛争から、80年代の国鉄分割・民営化までを通史として描く。経営基盤が弱く日和見主義の国鉄首脳陣、改革を目指して苦闘する若手革新派社員、合従連衡を繰り返して生き残りをはかる各労組、そして背後で国鉄解体の流れを作っていく中曽根内閣といった切り口になっており、まるで社会派小説の趣だった。 エピソードが革新派3人組と中曽根元首相を格好よく書き過ぎているため、あくまで勝者の歴史として読む必要があるが、素晴らしい本だった。
0255文字
takao
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ふむ
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micheldujapon
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JR東海で総合職にも新幹線の運転免許を取らせるのは、組合がストになっても新幹線を止めないためとは…
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レイノー
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2017年刊行。著者は日本経済新聞社元代表取締役副社長。◇図。◆昭和40年代から顕在化した日本国有鉄道の赤字問題。それは➀我田引水ならぬ我田引鉄を推進した政治屋・地方自治体に押し付けられた不採算路線、➁国鉄職員=公務員であるだけで、本来憲法上は労働者に認められるべきはずの労働三権が否定された結果、労使交渉の対等性と正当化根拠が喪失し、そのため職務規律に関する弛緩と生産性向上に対する忌避、さらには余剰人員が生み出されていったことに由来する。そして、本来は漸進的にそのツケを払わなければならなかったはずだ。
レイノー

「国鉄アウシュビッツ」の評は行き過ぎにしても、いわゆる窓際族ですらやらないような苛酷かつ無意味な肉体労働に従事させたことは、忘却してはならない事情だろう。しかも、その現場を世間から隠し実情を隠蔽した葛西(人活センター担当)と、これを知っていた総裁杉浦の責任は軽くはない。◇他方、我田引鉄の推進者・自民党議員の責任も藪の中だし、仮に素知らぬ顔で当選し続けたなら、基盤を失い落選した社会党議員よりたちが悪い。◆ちなみに国労が採った労働運動戦術の数々は、労働法の基本書のコラム欄を飾るネタ(例えば順法闘争)の宝庫。

11/07 14:16
レイノー

戦後日本の一時代を築いた史的な「行動遺産」、法的議論を進めた事実として、感慨深い。

11/07 14:53
5件のコメントを全て見る
0255文字
go
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#昭和解体 #国鉄分割・民営化30年目の真実 #牧久 図書館で借りて一気読み。 国鉄の崩壊は必然だったと思うが、30年以上経った三島会社の惨状をみると、なかなか複雑な思い。社会的共通資本としての使命は、もはやないのか。そうではないと思いたい。 田中角栄から三木武夫、鈴木善幸、中曽根康弘、三塚博、橋本龍太郎など、もちろん良し悪しはあるが、いまにくらべれば登場人物はまだまだ魅力的。
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NoDurians
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読み応えがあった。つい最近のように感じるけれど、もう三十余年。功罪を見つめ、公共という意味、労働組合の価値を考え直すことができるとよいのだが。
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Akio  Kudo
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★★★ 100円稼ぐのに、380円もコストかかるのでは、確かにJRの民営化は不可避だった。だが、民営化の中身も借金を別会社作って、国民に押し付けるのは果たして正しいのか。国鉄民営化、解体を詳らかにした本としては及第点。
0255文字
いま
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そりゃ今でも労務系が幅を利かせるわな、という内容。3人組は殊に労務関係では才能があったのかもしれないが、以下略
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鉄蔵
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「暴君」は組合側からであったが、本著は会社側から国鉄解体とJR誕生を描いたもの。労使関係や国鉄中枢と政治家の関係など、著者の綿密な取材や構成の臨場感溢れた文章は本当に素晴らしい。当時のヒーローであった三銃士も昨今の評判は良くないが、良きも悪くも権力への執着であろうか。
0255文字
ヤマコ
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国鉄内部の労使間闘争、分割・民営化へ向けた波乱の道のりを描いたノンフィクション。国鉄最大の労組・国労などによる、顧客無視の順法闘争やストライキの様は、現代では想像もつかないほどに凄惨で強引だ。親方日の丸の下に、労使ともに組織は腐敗、借金も莫大。その中で「三人組」と言われた改革派が登場し、民営化を実現させるストーリーには惹きこまれた。利権にしがみつく経営陣、改革派と政治家の駆け引きなどが綿密な調査により明らかにされ、抜群の読み応え。国家で生き、組織で生きる私たちにとって、国鉄解体の歴史から学べるものは多い。
0255文字
よゆめ
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この本を読んだきっかけは JR 西福知山線事故を書いた「軌道」。事故につながるような組織がどうして生まれたのか、事故が井出氏を始めとした幹部だけの責任なのかを知りたいと思った。 国鉄の分割/民営化は、避けて通れない道だった。そこで重大な役割を果たした井生氏、三人組の功績は大きい。井出氏はJR西でも経営を建て直し、震災からの復興でも重要な役割を果たした。強いリーダーシップは、その後の事故に繋がる独裁体制と同質なものなのだろう。
0255文字
うえだ
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図書館本。国鉄民営化の仁義なき戦いと改革派3人組の、プロジェクトX。凄い本、興奮した。
0255文字
たつ
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戦後、人員・路線網とも肥大化した国鉄が、経営破綻・分割民営化するまでを労使問題を中心に書かれいる。戦後民主化で組合活動が活発な時代、最大労組国労を中心に他の組合、経営陣入り乱れての闘いが起こる。しかし、ストの乱発・順法闘争により国鉄利用者の怒りは爆発。おごる国労は時代の空気を読めず、国鉄改革の方向性を見誤り衰退していく。そして勝ち残ったのは、あのコペルニクス的転回の松崎動労だった。松崎動労とJRの闘いは、次作へと続く。政治家、活動家、国鉄幹部のエピソードが多用されていて非常に楽しめた。
0255文字
BATTARIA
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中曽根康弘が唱えた戦後政治の総決算とは、55年体制を終わらせ、総評も社会党も叩き潰すことで、その本丸が国鉄解体だったとは。狙い通りに実現したことといい、橋本龍太郎の底力を見抜いたことといい、慧眼には恐れ入る。それに引き換え、田中角栄や三木武夫の無責任ぶりには呆れ返る。とはいえ、松崎明という獅子心中の虫を受け入れたツケは、想像以上に大きかった。北海道、四国、貨物の3社も、見切り発車のまま打つ手なしとは情けない。
BATTARIA

かつて総評事務局長だった富塚三夫は、毎日のようにブラウン管に登場していたが、彼が国労出身だったなんて、全く知らなかった。闘争では敵の退路を断たないことをモットーにしていたそうだが、当局を敵と位置付けたのが、そもそもの間違いだった。井手正敬、松田昌士、葛西敬之による、完全に退路を断つ戦い方は、富塚には想像もつかなかったか。国労の活動家が清算事業団で屈辱にまみれる姿は、私も当時テレビで見たが、いくら自業自得で同情に値しないからって、さすがにやり過ぎだと感じた。それだけ怨念が凄まじかったってことか。

02/19 22:13
BATTARIA

それにしても、多くの職員の人生を狂わせた責任をとって、新会社に行かず退職するつもりだったという井手、それが本心だとしたら、福知山線事故は起きなかった筈だ。東海豪雨で新幹線をムリヤリ走らせて史上最悪の遅延を起こしたのに、JR東海社長だった葛西は居直り暴言で袋叩きに。2人が国鉄改革の手柄に自ら泥を塗る萌芽は、この時代に出ていたのが、読んでよくわかった。

02/19 22:18
0255文字
kabeo
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国鉄改革が佳境になる辺り、かなりのめり込んで読んでました。当時、民営化はともかく分割する必要があるのか疑問に思っていましたが、こうでもしないと国鉄は変えられなかったんだと納得しました。中曽根さんの政治力を改めて実感しましたが、中曽根さんを行政管理庁長官として入閣させ第二臨調を立ち上げた鈴木総理も中々大した首相だったのではないかと再認識しました。それにしても国鉄時代の職員の腐敗ぶりは酷かったですね。組合活動自体は全て悪い訳ではないが、組合の力を利用して怠慢を正当化する労働者は許せないです。
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Takehisa Matsuda
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ネタバレ第二次世界大戦により破綻した日本の復興と重なってきた国鉄の歴史は、労使紛争の歴史でもあった。 『国家というしがらみ』から抜け出せず、政治・経営陣・労組のせめぎ合い、派閥争い、労組同士の確執、内部の腐敗や権力闘争…により自滅していった国鉄の叙事詩『サーガ』の第一章と言っても過言ではない。 『暴君』『マングローブ』『トラジャ』『軌道』という『サーガ』の続編と合わせてご一読頂きたい。 巨大組織の崩壊から私達は何を学ぶことができるだろうか。
0255文字
みぐ
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国鉄という組織について、当局VS国労との単純な労使二項対立で語ることはできない。マル生運動の隆盛と挫折、現場協議をはじめとする国労の人事権への介入、そこからさらに癒着を進めていく労使双方という歴史をまず踏まえる必要はある。しかし「田中曽根」内閣の誕生、改革三人組の活躍、動労松崎のコペ転といったファクターが絡み合い、結果的に分割・民営化が実現したとみるべきである。著者はそれを昭和という一つの時代の終焉に重ねて我々に提示してくれた。
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美味しい渋谷
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牧久さん、初読みです。国鉄解体、民営化の長く凄まじい道。今のJRの興隆を見るにつけ、あれはなんだったのかと思う。
美味しい渋谷

暴君を先に読了しており、2作目でした。

01/07 20:08
0255文字
Zhao
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ネタバレ昭和40年前後、国鉄が赤字に転じてから民営化までのドキュメンタリー。 国鉄の労働組合の興亡がまま戦後体制の展開とリンクしている(ように思ってしまう)のはなるほどなあと素朴に感じてしまった。今の若者世代にとっても「昭和」を歴史として知るには良い一冊かも。 個人的には年始早々「順法闘争」だの「不当労働行為」だのの単語の連打は正直ツラいところだったなぁ…
0255文字
ボタン
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「暴君」を先に読んでこちらに。長くて密度の濃い本だったが、大学卒業がS61年、JR発足がS62年。ということでリアルタイムでニュースや新聞記事で見ていたことが蘇る。JR(国鉄)を就職先として考えたことはなかったが、なかなか凄まじい会社。分割民営化=社会党などの勢力を削ぎ実質解体につながるというのも恐ろしい政治の打ち手。
0255文字
tkm66
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先に『暴君』を読んで慌てて買った。この<昭和ジャーナリストの圧倒的なクオリティ>!
0255文字
ともふく
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面白かった。社員30万人超の公共企業体、国鉄。その解体と再生はどう成し遂げられたか。分割民営化に反対する一部経営陣と労組。政治の思惑も絡みつき、先行きは全く分からない。しかし、危機感を共有する中堅幹部が、縦横無尽に活躍、最後は勝利する。安易な妥協をせず、労組を窮地に追い込んだのが成功要因か。労組の弱体化で、総評は解散、労組が支持基盤の社会党も、大きく衰退。今の自民党一強はここから始まった。その後J Rは、改革派の中堅幹部が経営中枢となり、大きく発展。明治維新もしかりだが、革新を果たすのはやはり若い力だ。
Admiral2009

ともふく様、三人組は誠に爽やかでしたが・・・井手正敬氏は移ったJR西日本で❝天皇❞と呼ばれる独裁者と化し福知山線事故では不遜な態度を繰り返した挙句、子会社に天下りして大ブーイングを受けました。歴史は繰り返されています。

10/21 09:49
ともふく

A dmiral2009様、歴史は繰り返す。確かにご指摘の通りですね。自由にものが言える風通しの良い組織が大事ですね。

10/21 12:15
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おおい
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久しぶりに、圧巻のノンフィクションを読んだ。非常に高度なタッチで当時の国鉄労使のやり取りが描かれていて、大変勉強になった。 引き続き、「暴君」を読んでみたい。
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Tsingdao Beer
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「分割・民営化」。今思えば当然の施策ではあるけれど、学生だった当時はよく分からずに傍観していた。もちろん、色々な視点はあるのであろうが、これをやり切った中曽根・橋龍は大した政治家だったんだなと改めて感じました。
0255文字
エルモア200
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国労・国鉄当局の『国体護持派』と、改革派(分割民営化)とが繰り広げた、権謀術数と壮絶な戦い。あたかも幕末の志士たちの活躍を見るようで、とても面白く読めた。今となっては企業イメージも良く、当たり前のように存在するJR各社が、国鉄当時はこんなにも腐りきった企業体であったことに開いた口が塞がらない。半公務員の既得権、労組に迎合することの恐ろしさを改めて知らされた。しかし、分割民営化を成し遂げ、諸悪の根元・国労を壊滅させた先に待っていたのは、今度は死んだふりをしていた革マル派の復活だった。続きは同著『暴君』で。
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新空调硬座普快卧
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かなりバランス良く国鉄解体をトレースした本。詳しい感想はこちらに https://twitter.com/YZ22_334251/status/1128274238828191744?s=19
0255文字
わび
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国鉄民営化を扱ったノンフィクション。鮮烈な労使間の争いだけでなく、組合間や幹部職員の権力闘争、自民党の派閥抗争などが複雑に絡み合って展開される物語はエピソードに事欠かさず、読み物として最後まで面白く読むことができた。著者の取材は広範囲に渡り、組合関係者の証言も活かされているものの、全体として改革派の視点に立っており、特に大勲位の証言は無批判に使われている印象がある。加えて、民営化=組合潰しの図式を強調し過ぎるきらいがあり、「国体護持派」の論理(それが建前にせよ)が最後までよく分からなかった。
0255文字
富士松
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国鉄が民営化されて30年も経つことに改めて驚いた。こういった日本にとって重要なイベントが風化してしまう事を防ぐ意味でもこの本の意味は大きいと感じる。これだけの大きなプロジェクトがどのようにして実現できたのか、感激しながら読んだ。そしてわかったのは、やり遂げる意思、つまりは大志を抱いた何人かが必死に取り組んだ結果であったこと、改めて知ることができた。このようなプロジェクトに参加した人々がうらやましい。
0255文字
ゾロりん
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面白かったー。非常に読み応えがあった。国鉄解体はものすごい大事業だったわけだけど、やはりこの時代にはパワーがあったんだなと。
0255文字
Admiral2009
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学生時代に順法闘争とスト権ストで酷い目に遭って以来、私は国鉄が大嫌いで労組の国労・動労は仇敵であり、その背後の総評・社会党は恨み骨髄に徹す。戦前の陸軍、戦後の国鉄は日本史に残るダメ組織だ。本書では重視していないが国鉄共済年金不足金5兆円を厚生年金で補ったことは世間に知られていない。本当に救われたのは分割民営化に反対していた旧国鉄組合員の年金だった。これじゃ親方日の丸の恩恵を受けていない厚生年金加入者が救われない。
Admiral2009

私の通学路だった明治通りの踏切番は毎日半裸で洗濯物を干していた。私が撮り鉄だった頃、田端・尾久の機関車や客車の被写体にはキャッチボールばかりしている邪魔な国鉄職員が写り込んだ。尾久の定食屋には昼から作業服を着た国鉄職員が飲酒していた。大学の交通論ゼミ友達の❝国鉄の破綻❞を数字から指摘したレポートを読んで至極当然と思い完膚なきまでに潰れればいいと思った。国鉄⇒総評⇒社会党のドミノ倒しは痛快だった。

10/28 18:29
0255文字
isbm
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★★★☆
0255文字
Daimonji_books
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こんなに興奮しながら読んだ本は久々だった
0255文字
Francis
新着
かつて日本国有鉄道と呼ばれた巨大組織はなぜ分割・民営化に追い込まれたのか、を追ったノンフィクション。500ページ近くもある大著だが数日で一気に読んでしまった。著者は国鉄が崩壊した理由をマル生運動反対闘争への勝利に始まる国労、動労の暴走と国鉄当局の事なかれ主義に求めており、それに対していわゆる改革三人組をはじめとする改革派が立ち上がった、とする構図のもとにこの本を著述を進めている。それは一つの正しい見方であるのだが、赤字ローカル線を押し付けた政治の責任など国鉄を崩壊させた他の要因についても書いてほしかった。
どいんどいん

政治の責任が足りないのは私も感じました。この本は中立に書かれている点が好きです。どこかの組織を擁護、支援する内容でなかったことが読破できた最大の理由です。

10/30 18:31
Francis

どいんどいんさん コメントありがとうございます。同感です。未だに未練がましくある組織を擁護している人たちがいますね。政治の責任についてはおそらくこの本があくまで国鉄の内部の動きを追ったものであるために組織の外部の政治の動きについては割愛した、ということなのでしょうね。

10/30 20:30
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昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実評価78感想・レビュー75