読書メーター KADOKAWA Group

物語論 基礎と応用 (講談社選書メチエ 647)

感想・レビュー
122

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
zunzun
新着
一部が理論、二部が『シン・ゴジラ】『まどか☆マギカ』『エヴァンゲリオン』『ドラゴン桜』『暗殺教室』『スラムダンク』『百年の孤独』『蒲団』『絶対にラブコメしてはいけない学園24時』『響きと怒り』『悪童日記』などの理論を利用した分析がおこなわれる。一部のほうが中身が圧倒的に濃い。二部の分析は一部の理論を多用しているわけでもないので、拍子抜けしてしまう。その理論ではプロップからはじまる童話の三一機能、ブレモンの「可能性の論理」、ロラン・バルトの「枢軸機能体」「シークエンス」、
zunzun

そしてロシアフォルマリズムとソシュール、ヤコブソンから発したフランスの構造主義とがあわさり、ロシアフォルマリズムをフランスに紹介したトドロフにより「物語論=ナラトロジー(ただし物語とナラトロジーは相性が悪く、中華圏の「叙事学」のほうが適切とされる)」が名付けられた。物語とは「時間的な展開があるものを言葉で語ったもの。最小の物語は「王が死んだ」である。これらの精華としてナラトロジーで知らぬ者はいないジェラール・ジェネット『物語のディスクールがうまれる。本書ではこのジェネットの物語論を徹底的に解説しており、

01/03 20:34
zunzun

「錯事法」「射程」「振幅」「第一次物語言説」「第二次物語言説」「省略」「黙説法」「括腹的後説法」「再説」「持続」(休止法、情景法、要約法、省略法)、頻度(単起法、反復的単起法、括腹法)「ディエゲーシス」と「ミメーシス」、内的焦点化(内的固定焦点化、内的不定焦点化、内的多元的焦点化)、変調、冗説法、語りの時間、語りの水準など多くの用語がでてくるがどれも漫画、小説から説明されており、非常によく解説されており、実に見通しがよくなった。ついで、分析哲学や認知言語学のナラトロジー本も紹介されていて役に立つ。

01/03 20:45
0255文字
ホワン
新着
独学で7カ国マスターしたと言う著者。面白かった、特に視点と語り手の部分。マジックリアリズムを誤読した作家がノーベル賞作家になるなど、結局面白かったりいい作品なら良いのね…紹介されてたものでこれは面白そうと思った本がいっぱいありました。
0255文字
雑魚
新着
別著からこの本の存在を知りました。時間的展開がある出来事を言語化する。王が死んだ。読む前はどのように小説を読むかにフォーカスした本かと思いましたが、創作にも応用できそうな内容で読む側も書く側も読んで損はない本だなと思いました。時間、視点、叙述、スピード、誰が語っているのか、ただ読むのではなく様々な観点から読むことができるのだなと感心しました。 少し飛ばして読んでしまったのでオーバーラップの概念がちょっとわからず。何か書きたかったものがあったが忘れてしまった…。
0255文字
41semicolon
新着
KU。バルトとジュネットのいつものやつを前半でやって、後半で『シン・ゴジラ』『まどまぎ』『進撃の巨人』とかのライトなやつから、ジョイスだったり康成だったり『百年の孤独』とかを使って実践する。理論と実践のバランスがよく、軽妙な文体とあわせて楽しめた。一番の収穫は、日本固有だが日本での典型的な語りのスタイルに「オーバーラップな語り」と名称をつけて析出させたこと。登場人物に完全に同化しないもののぴったりくっついた形での疑似焦点化。日本語の妙ともいえるそのスタイルは確かに慣れ親しんでいると気づかされた
0255文字
ディス
新着
〇。物語論をアカデミックにやりたい人は、まずこれを…と言えるほど読みやすい一冊。とはいえバルト、ジュネットなどを取り扱うので、片手間に読めるほど簡単でもありません。前半はそのようなガチガチの物語論、後半はすこしフワッとしてきて読みやすくなりますが、前半ほどの筋道だった展開でもなくなります。
0255文字
ひつまぶし
新着
やっと読めた。勢いで読んだ。ちょっと難しい。全体として理詰めのエッセイのような構成。個人的には物語る主体(著者)と視点(人称)をどう位置付けるかが課題であるように思えた。その組み合わせのバリエーションを理解していく手がかりないしとっかかりになった。「物語論」としては物語との関連付けから出られないが、物語ることの本質は認識論的なところに解を求めねばならないだろう。語るから認識できるのか、認識の範囲内で語っているに過ぎないのかと言えば、どちらも真実だが、なぜ語るのか、何を語りえないかをとらえる必要がある。
0255文字
しんえい
新着
覚書 二葉亭四迷はツルネーゲフの『あひびき』を翻訳する中で、ロシア語の原文が過去形だったことを受けて一貫して文末表現を「た」にした。しかしそれは回顧の意識が作用したわけでなく、客観的な語りを実現させようとしたにすぎない。 ある人物の視点を完全に制限して語る方法は、伝統的な日中の物語にはあまり見られなかったが、森鴎外は『舞姫』でそれを実践した。西洋の言語は常に状況の外に視点を置いて語ろうとするが、日本語は状況の内部に視点を置きやすい。 魔術的リアリズムとは、ありえないことを当然の事として客観的に書くこと。
0255文字
はひへほ
新着
フランス構造主義の物語論(プロップ、バルト、ジュネット)の理論の紹介と分析の具体例が平易に紹介されている。分析例は多くあるが、その分深入りはしない。毎週講義で課題文献読んでくる形式だと深く学べそうとは思った。そういう風にはできないので、同じ系統の別の本を次は読んでみることにする
0255文字
氷柱
新着
1011作目。10月23日から。日本語の再学習本と評して良いかもしれない。これは一体誰の視点で語られているのかということを強く意識して読みなさい的なことが書かれている。またそこから発展して英語の場合と日本語の場合とでどのようにニュアンスが異なるのかも述べられている。仮に小説家になるとするとこのようなことをしっかり頭に叩き込むか、もしくはセンスで身に付けるしかないと考えると途方もないことであることを思わされる。
0255文字
テッテレこだち
新着
物語の構造がどうなっており、どう読み解くかという技法について述べられた本。引用例が豊富で、かつ整理されていてわかりやすい。物語を書きたい人にも向くが、それより多いだろう「読む」ほうのひとが、どのように物語と接するとよいか考える助けになると思う。
0255文字
マルコとマルオの7日間
新着
貸してくれた友人が、人生を「物語」として生きるという価値観を持っていたが、もしかしたら自分が過去に過ごしてきた日々もこれから過ごす未来も、思い起こす時に「物語化」しているという事を考えると、人生というものはある種「物語」であると言えるかもしれない
0255文字
nosime_tombo
新着
個人的に、物語は誰が語っているのか(または誰が語るべきか)、静的な言葉の連続が物語という時間として感じられるのはなぜか、というのが最近の疑問としてあって、手に取った。本書はフランス構造主義の物語論を中心に紹介しつつ、具体的な作品(古典の名作から最近の話題作まで)について分析を加えている。物語が持つ構造、時間や語り手について俯瞰することができ、こういう本を求めていた、まさにドンピシャな一冊だった。
0255文字
miori
新着
物語についての考察。特にジュネットの『物語のディスクール』に拠っている部分が多くありました。小説の視点について、以前から興味があったので手にしたのですが、この本を読んで、もっと詳しく学びたいと思いました。ということで『小説のしくみ』を読んでいる最中です。
0255文字
tieckP(ティークP)
新着
基礎と応用というより理論と実践で、前半はフランスを中心としたナラトロジーの紹介、後半はきわめて書く側が楽しそうな実践編(たくさんの作品について短くテクニックを紹介するのは楽しいものである)。前半の日本語についての部分で著者の研究披露になっているところはあるが、それ以外は大学生向けの手堅い内容である。良い本という前提でツッコむと、マルチエンドはサウンドノベルの発明ではなくゲームブックの時点であるし、完璧な人の恋愛物語は面白くないと言うけれど、バチェラーやバチェロレッテは人気である。でも些細な指摘です。
tieckP(ティークP)

あとは他の本で説明がなされているのかもしれないけど、莫言が中国における「マジック・リアリズム」の誤読から作風を築いたというのは納得しつつ、もう少し誤読できた理由を知りたかった。「魔法のようなことを現実的に」描いたラテンアメリカについて、「現実を魔法的に」描いたもの(ロマン主義のようだ)と誤解したという説明は理解できるけど、本当にその2つは誤読できるのだろうか。別物のだという著者の説明に納得するほど、それほど別物な概念を誤った理由が知りたくなるのである。

09/21 22:12
0255文字
田中瞳
新着
ネタバレ物語とは、「いかにして組み立てられているか」ということを紐解いた作品。収穫の多い読書となった。また、本書で解説されている『百年の孤独』を読みたくなった。
0255文字
karamashomu
新着
ネタバレ非常にビミョーでした……。前半部分は物語を砕いて分類分け、説明です。後半は具体的な作品を出しての分析でした。前半で行った分類分けを元に後半の作品分析をしております。分類分けを知ったところでどう使うのか、書いて欲しかったです。私は大学のゼミの一環として読みました。作家志望の人が読んだら書き方やジャンルの引き出しを増設することに繋がるかもしれません。違う状態でこの本と出会いたかったです。
0255文字
ネムル
新着
「視点と語り手」の項が勉強になる。シンプルな小著ながら、小説を考えるよいツールになる。
0255文字
hakootoko
新着
ネタバレ物語論は、物語を表現素ともいえそうな単位に分解する。物語論を含む詩学は、表現の機能や効果を分析する。どのような効果が、ある解釈を成立させるのか。いやあ、こんなに細かく読むんだな、すげえな。あと、読みたい小説が増えた。
0255文字
kuukazoo
新着
物語論(ナラトロジー)についての本。物語がどのようにできているかの理論(主にジュネット『物語のディスクール』より)と具体的な作品(小説、マンガ、映画、アニメ等いろいろ)を通して「なぜ面白く感じられるのか」を分析。物語の中での時間の流れや語り手の位置や英語と日本語の違いなどが興味深かった。「何を書くか」よりも「どう書くか」における作家の技を考えるのは面白い(多分自分の興味はそっちにあると思う)。紹介された海外文学も楽しそうなので読んでみたい。
0255文字
すいへい
新着
思ったより読みやすく、一日で読了。視点と語り手のところが学びたい点だったので、今の自分にドンピシャだった。後半は具体的だが、あーでもないこーでもない的なスタイルなので、自然と読み飛ばしてしまった
0255文字
でろり~ん
新着
ん~。まるで記憶に残っておらず、結果的に再読。ん~。
0255文字
むい
新着
ネタバレ「物語とは人間言語に特徴的かつ本質的なものなのである。」分かりやすく、読書案内としても良かった。
0255文字
ジュンケイ
新着
まず、物語はどのように作られて、どのように順序で、誰によって語られるのかを分析する。とてもおもしろい。ある程度の小説を読んできたのなら、こういうことは考えるだろうが、裏付けがあってなるほどと思う。分析編は、具体的な小説や映画を題材にそれらがどのように作られているかを解説される。著者もブックガイドになっていると書いてあるが、ラテン文字が多く、かなりほしいリストにチェックした。文学は技術から成り立っていると実感した。
0255文字
Mark.jr
新着
本や映画などのフィクションにたくさん触れていると、必ず本書の考え方に行き着くと思います。全ての表現は物語であるということと、それはある程度の定型に分類することができるという考え方です。本書はそんな物語論の歴史のまとめから、物語の成り立ち方・構造的分類、具体的作品を取り上げての解析など、内容の充実度もさることながら、この手の他の本と比べて格段に分かりやすく書かれているのが、グッドです。故に、オススメ。
0255文字
gu
新着
『シン・ゴジラ』『百年の孤独』『ペドロ・パラモ』『続いている公園』『八岐の園』『めくるめく世界』『オレンジだけが果物じゃない』『ビラヴド』等々、取り上げられている作品が(特に翻訳小説ファンには)たまらないラインナップで、ブックガイドとしても一読の価値がある。ナラトロジーの入り口的なところには辿り着けた気がするので、p147-148に挙げられている入門書・専門書を読んでいきたい。余談だが、莫言ら中国マジックリアリズム作家とマルケスの違いは、中国における南米文学の「誤った」受容に起因するというのが驚きだった。
0255文字
Yuma Usui
新着
物語を科学で捉え解説した大学講義のような解説。小説好きはもとより物語の創作者にも気付きが多いと思われる示唆に富む内容。物語をその内容ではなく形式に着目した学問である物語論(ナラトロジー)を基に、前半で物語がどんな要素で成り立つか理論を解説し、後半で具体例を古今東西の小説や映画、アニメで解説。物語に流れる時間は叙述の詳しさに拠る点や、物語の語り手は誰の視点なのか、フランス語や日本語など言語の違いが物語に与える影響など面白い。明治以降に「〜た」といった過去形の言葉を用いた物語が生まれたとの指摘には驚いた。
0255文字
suzuki
新着
小説を中心とした物語が、どういう構成・技法で成り立っているかを学術的に解説する第一部と、具体例を示す第二部からなる。 第一部は大学の授業に出ているようで知恵熱を出しつつ、時間の解像度と臨場感の関係などに膝を打った。 第二部、例示されていたあまりなじみのない南米や、著者の専門の中国の小説が気になり、いつか読んでみたいと思った。 今後小説を読むに当たっては、本書を思い出しつつ、したり顔で分析しながら読むつもり。
0255文字
ヤマニシ
新着
「英語などでは、自分自身すらも外側から客観的に眺めて語るのに対して、日本語ではその語られている状況の内部にいる人物に同化してしまうのである。」(p116)
0255文字
lifeforone
新着
前半の物語論の概説では、物語論の発展の経緯やその分析視点などが広く網羅されていてわかりやすかった。後半の事例は多数の作品の一部分のみの分析ばかりで、どうしても浅い感じがしてしまった。
0255文字
チタカアオイ
新着
【図書館】
0255文字
Mr.Hiyoko
新着
物語論の研究者の努力と堆積には敬意を払うが(ジュネットとライアンの本はなんだかんだ好きだ)、同時にやはり物語論は根本的に何かズレてると思う。
0255文字
カイロス時間
新着
理論編と応用編の2パート構成。理論は別の本で読んだので応用編のみ読む。理論を使って個別の作品を分析したとのことで、興味津々。物語論という言葉を聞いて、機械的に文学についての話を予想してしまったけど、もちろん物語と呼ばれるのは文学だけではない。映画、事実報道、日常生活にさえ物語構造がある。というより人間の認識が物語的なのだ、という指摘が、数ある「なるほど」のピークだった。けどやっぱり個人的な関心は文学にあったので、分析対象になっていた小説(未読のもの)に興味をひかれ、読みたいリストに加えるという安定のオチ。
0255文字
孤独な読書人
新着
物語の型、構造を物語理論によって明らかにしていく前半とその物語理論を使って既存の作品を分析していく後半に大きくわけられる。 この物語理論は基本的には娯楽寄りの小説や映画等に当てはまるもので、芸術的小説や芸術的映画にはそのまま適応しないかなという印象。
0255文字
ミッツデラックス
新着
ネタバレ主にバルトとジュネットの物語論。時間の順番(射程、振幅)、持続(休止法、情景法、要約法、省略法)、頻度(単起法、反復法、括複法)や視点と語り手における外的焦点法、内的焦点法、等々。楽しく読めた。
0255文字
史
新着
物語とは、色々であり、興味深いものである。
0255文字
三柴ゆよし
新着
ジュネットあたりをちょっとおさらいしたかったので、とりあえず手元にあった本書を再読した。駆け足(特に第2部)ではあるが、手際よくまとまった良書だと思う。
0255文字
MIKI(magicrose)
新着
前半の理論編では、物語の定義、物語論とは、物語論の系譜、そして物語論の基礎知識をざっと知ることができました。興味深かったのは、"話法"の解説。なかでも、英語やフランス語などでよく見られる"自由間接話法"について、さまざまな翻訳例を挙げて日本語の言語習慣を解説する第4章がおもしろかったです。 後半の分析編では、さまざまなジャンルの物語を例に「物語がどう出来上がっているか」について、物語の展開方法や叙述のスピード、文体、視点、語りの構造といった切り口からの解説が新鮮で楽しく読みました。
0255文字
ray_fu_69
新着
やべぇ本でしたぁ!
0255文字
れどれ
新着
易しすぎず難しすぎず、向学心と好奇心の間が満たされるちょうどいい塩梅の読み応え。物語の解析を言語学的観点から紐解こうとする試みが実に興味深かった。例に用いられた作品は多岐に渡り、深夜アニメやゲームにまで触れるのにはびっくり。資料として公平に渉猟しているとも、単に物語ジャンキーとも見えて、慕わしい。「百年の孤独」の文体論は発火するほど面白かった。
0255文字
全122件中 1-40 件を表示
物語論 基礎と応用 (講談社選書メチエ 647)評価46感想・レビュー122