読書メーター KADOKAWA Group

人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)(Kindle版)

感想・レビュー
27

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
加藤正太郎
新着
著者の研究史が楽しかった
0255文字
Yuki Snowy
新着
ネタバレ水月湖には厚さ45m(7万年分)の年縞がたまっており,水月湖は地質時代の標準時計になった。著者はこれを元に1年単位の詳細な過去の気象データを復元する研究に取り組んでいる。数十万年のスケールで見れば地球では氷期が「正常」な状態で,現代のような変動の少ない温暖な時代は例外的な時代。過去の大規模な温暖化では東京がマニラに変わるほどの激しい温暖化が起き,海位が350年で20m上昇した。知見が得られていない理由で気候が突然変動し始めることだって起こる可能性があるのだ。ダイナミックな地球が分かりやすく解説されていた。
0255文字
本読みましょ!
新着
ネタバレ人間が氷期の到来を遅らせているとの意見もある。水田は湿地に似た環境を作ることで有機物の発酵をうながし、大量のメタンを放出する。また森林伐採は、生態系の光合成速度を低下させることで大気中の二酸化炭素を増加させる。人間がこれらの活動を開始したことが、大気中の温室効果ガスが本来の傾向を上回って増加し始めたことの原因であり、もしこれらの人間活動がなければ、地球はすでに次の氷期に突入していたはずだというのが、ラジマン教授の仮説の骨子。
本読みましょ!

気象予測の技術は確立されていない。来年の夏が米作に向いているのか、冷夏を見越してソバを植えたほうがいいのか、あるいは熱帯の根菜類を植えるべきなのか、事前に知ることのできる方法は存在しない・・・なるほど。

09/18 10:03
0255文字
Kentaro
新着
水月湖の堆積物のうち年縞があるのは湖底から45メートルだけだが、その下には年縞のない通常の堆積物が続いており、全体の厚さは73メートルを超える。これを時代に直すと、じつに15万年に達すると推定され、15万年分の「景色」の歴史が詰め込まれているのである。今からおよそ15万年前頃には、水月湖の周辺にスギはまったく生えていなかった。それが13万年前頃から急増して、12万~11万年前頃にピークに達する。最盛期にはスギの花粉が全体の80%に達するが、これは人間がさかんにスギを植林している現在の水準よりもまだ多い。
0255文字
uekata
新着
年縞というものを初めて知る。しかも世界標準でつかわれているとは。地球温暖化のせいで氷期になり切れないのが事実だったら面白い。いつかは水月湖に行ってみたい。
0255文字
リタ
新着
めちゃくちゃ面白かった…! 2つ言えること。1つ、今の便利な暮らしが全リセットされても、←はもう充分堪能したので、延期されてるのかもしれない氷期が生きている間に到来してくれないかなあ。ソレを体験してから死にたい(あるいはその体験が死因になるかもしれなくても) もう少し現実的な願望として、2つ目。水月湖に行きたい!7万年(どころか15万年)前に触れてみたい。色々埋まってる福井に行きたい!笑
0255文字
ピンガペンギン
新着
ものすごく面白く、勉強になった。11600年前まで地球は氷期で氷期の中でもD-Oイベントという急激な温暖化変動に見舞われていた。今の温暖で気温が安定している時代は地球の歴史のなかでは短い。氷期終了後に農耕が本格化していって余剰が出来て工業などが発展していくが、今の安定して比較的温暖な時代はいつか終わることになる。(現代の温暖化を軽視していいとは全く言ってないのでご注意。)この研究が国際的なメンバーの努力でなされたこともよくわかった。
ピンガペンギン

P203「気候がふたたび暴れ始めるとしたら、農業に基盤を置いた社会は深刻な見直しを迫られる。」氷期には人類は狩猟採集で生き延びた。しかし狩猟採集では現在の人口を養えない。1000分の1位のカロリーだそうだ。「共同体を総動員して考えて続けるということが当面の答えということになるだろう。」

03/06 16:12
0255文字
とり
新着
福井県・水月湖に堆積する年縞。何万年も前の出来事を年輪のように1年刻みで記録した地層で、現在、年代測定の世界標準となっている。世界標準になるまでの過程がドラマチックで面白い。温暖化は産業革命後のここ100年程の問題ではなく、農耕がはじまった10000年前からはじまっている。
0255文字
アームチェアー
新着
日本の年縞研究から、地球の環境変化の研究の歴史が語られる。寒暖が大きなスケールで繰り返されているとは知っていたが、最近の研究では安定性・不確実性が重要である事が分かってきたらしく興味深い。政治的な思惑で語られる事が多い温暖化論とは、少し距離を置いた本書は読みやすい。
0255文字
ユウジヤン
新着
アゴラの書評で気になり、手に取った。気候変動問題といえば、過去100年程度の人為による原因をベースに21世紀末までの影響を予測するのが主流。一方、本書が語る古気候学からの視点は約10万年サイクルを最長に3つの周期があるとするミランコビッチ理論にある。著者は15万年分の水月湖年縞堆積物を調査する中で「氷期」における激動の気候変化を生き抜いてきた古代人類が「農耕」「定住」しなかった理由をロジカルに論じている。「演繹的な予測に成功することはおそらくない」と著者。気候変動予測の困難さを再認識させられた。
0255文字
Satoshi
新着
とある経済評論家が「地球は縄文時代には今より平均気温が高かった」などと言い、地球温暖化対策を小馬鹿にしていたが、そんなに単純なものでないだろうと本書を購入。過去の気候変動と比較すれば、人類誕生後の気温上昇は人為的であることが言えるが、有史以来、異常気象の連続により文明が消滅したことは多くある。古代気候の重要な地層が福井県の水月湖にあることは驚きだ。福井県は恐竜の化石も出るし、地質学的に貴重なエリアなんだね。
0255文字
ケサランパサラン
新着
ミランコビッチ理論 ・地球の公転軌道 10万年周期/・地軸の傾き 4万1千年周期/・地軸の向きの円運動 2万3千年周期 100万年以前の氷河期周期は地軸傾き周期であったが、その後は公転軌道周期になっている。エルニーニョは2万3千年周期。 p.161地球温暖化は8千年前人類が森林を破壊し、牧畜/水田を始めた時点からはじまっている。
0255文字
naohumi
新着
地球温暖化は人間の活動が影響している。と言われている。その事実の背景には、10万年の地球の歴史から氷期、温暖期を繰り返している。その事は三方五湖の水月湖の年縞から読み取れるらしい。 地球温暖化に対する警句は胸に刻みつつ、永い地球の歴史に思いを馳せて気候問題についてを考える事も必要である。 自然の前に人間は小さいものの、征服できるような錯覚がある。しかし、地球と比較すると、その規模や歴史もちっぽけなものであり、結局人間は自然の一部にすぎない。そんな風に考えた。
0255文字
にたす
新着
ここ数十年で気候が不安定になっていることは事実だが、人間の活動のために温暖化が直線的に進んでいるわけではない。過去の気候研究からはむしろ激しく変化している状態が本来の地球のようにさえ見えてくる。研究の過程は地味ですぐに行動を変えるような結論も出てこないが、数万年単位の話が多いのでその手のロマンが好きならぜひ。科学に興味があれば小学校高学年くらいから楽しめるだろう。
0255文字
かきつばた
新着
気候は数十年単位で結構激しく変動するもので、人類の有史以来のここ数千年は、例外的に安定しているに過ぎないのだと知った。  たまたま安定な気候が続いている幸運に恵まれてきたことで、人類は文明を発展させることができたのかもしれない。  今後の気候の安定が保障されているものでは全くないし、再び気候が荒れ狂い始めれば、現在の高度な文明は消滅し、遺跡となってしまうのかもしれない。  地球上に住むしかない人類の非力さを思い知らされた気がする。
0255文字
初心者
新着
年縞 狩猟採集。氷期 温暖期(数千年が一応マックス。例外で2万年)
にゃんこ

福井県の水月湖に滞積する堆積物の「年縞」から過去の精密な聞こう変動を探る。研究者としての視点から分かりやすく説明されていて、読みやすかった。 私たちの生きて言える時間は地球規模で考えるとほんの少し、点でしかないという事。 今の温暖化の状態がどのようなものか、今騒がれている地球温暖化問題とも比較して考えさせられた。

10/21 12:34
0255文字
Narumi
新着
福井県、三方五湖の一つ水月湖で7万年分の堆積物(年縞)が見つかった話から始まり、それをもとに過去の気候とそのパターンが読み解かれていきます。三方五湖は実家のわりと近くで子供の頃ときどき行ったこともあり、この周辺の数万年前の様子などは読んでいてわくわくします。そして現在の温暖化とはどういう状態なのか、それはいつから始まったのかなどから明かされる意外な事実。最近特に温暖化のニュースなどをよく見かけますが、いろいろと考えさせられます。
tonbei

エジプト文明の発生が5000年前。私たちの思考はそこで止まっていたような気がしますが、人類(ホモサピエンス)はおよそ16万年とか18万年前に発生したとされ、そうなると文明以前の時間が相当長い。およそ30倍の長さ。となると、そこでの人類の在り方が今に影響を与えていると考えるのは当然の帰結なのでしょう。ニホンザルは、最大でおよそ100匹の群れを形成しますが、おもしろいことに我々の人類も100人の群れを形成したとされる。人類にとって それが群れを形成するのに最適の数だったということでしょうか。

09/16 07:36
Narumi

なるほど、縄文時代は1万6000年ほど前から1万数千年続いたそうですが、縄文時代についての本をよく見かける気がするのも、その辺が理由なのかもしれませんね。

09/17 01:36
6件のコメントを全て見る
0255文字
Ag 47
新着
とってもおもしろくて興味深かった。いわゆる地球温暖化うんぬんには胡散臭さを感じていたが、それまでより大きな視点での考え方は新鮮で楽しい。
0255文字
T
新着
★★★★☆ 人類と気候の関係性を、10年、1万年など単位や視点を変えて分析している点に説得力を感じた。同じ傾向が続いているから今後も同じような傾向が続くとは限らないという見方や、一つのものに依存しているより多様性のある方が生存できるということはあらゆる場面に適応できると感じた。
0255文字
はちめ
新着
とても刺激的な一冊だった。研究自体は湖の底の年縞という極めて地味なものだがそこから得られる成果は極めて大きい。その一つが12000年前ころから11500年前にかけて日本を含め地球は寒冷期から温暖期に移っていくが、その過程において極めて激しい気候変動があったということ。数年の間に平均気温が5度以上上下するような想像力を絶する気候変動だった。現在の札幌と東京の気候が交互に現れるような激変。この激変を乗り切るために人類は最後の進化を果たし新石器時代、縄文時代、農耕定住社会に入っていったのだと思う。☆☆☆☆☆
0255文字
atomicchildren
新着
面白かった!気候の変化のダイナミクスから考えるに、大きな転換が意外と身近に迫っていることがよく分かる。 予測できる未来のほうがわかりやすいから信じられやすいけど、こちらの対応も考えないといけないよね。ただ、単位が1000年とかなので、切迫感は難しい。
0255文字
aki
新着
地球の気候の変動の規則性と不規則性について、あらゆるスパンで論じている。ここ100年間で、平均気温が1℃上がり、東京が福岡になった。6万年スパンで見ると、直近1万1600年が温暖な時代で、それ以前は氷期の合間に急速な温暖化を繰り返すD-Oイベントが5000年に一度(1万1600年前、数十年で5℃~7℃上昇)起きていた。80万年スパンで見ると、10万年ごとに繰り返す氷期(ミランコビッチ理論、地球の公転軌道による)の温暖な時代としながら、↓
aki

今後100年は過去1万年と全く違う変動になるだろうと結んでいる(カオス、不確定性)現代の気候変動については近視的になりすぎず、タイトル通り長期スパンの中での温暖化や氷期の周期や期間、変化について分かりやすく説明されていて、今起きている変化について改めて地球の歴史において突出した温暖化の時代とは言えない(1億年前は北極にも南極にも氷は存在せず)が、周期で論じることができない不確定さがある。サピエンスが30万年の歴史のなかで、数十年で5℃~7℃の平均気温上昇を生き抜いたというのは初耳で、印象的。

07/10 14:30
0255文字
ビーグルの匂い
新着
古気候について述べられた本。近年の暖冬、猛暑、大雨など異常気象について古気候の視点から解説されている。多くの温暖化について書かれている本は、危機を煽り、あるいは楽観論・陰謀論であったりして、読む度に不安がつのる。この本は そういう類のものとは一線を画す。読後、少し未来ついて安心できた。先日、年縞博物館を訪れた。読んでから行った方がよかったかも。
0255文字
羊の国のひつじ
新着
オーディオブックにて。これは相当なロマンだった。特に水月湖での湖底の採取から読み解かれた、過去15万年の気候変動の記録。水月湖の採取記録が世界標準時計になるまでの軌跡は読んでいてワクワクした。また、氷河期時代、人々は農業ではなく狩猟で生計を立てていたが、それは気候が大きく変動する世界では狩猟の方が適していたからだ、という仮説は興味深いなと思った。狩猟から農業にシフトしたのは、人類が賢くなったからというのが定説だと思っていたからだ。もう少しこの辺りを掘り下げてほしかったなと思うのが本音なところ。
0255文字
sab
新着
@オーディオブック。科学者の情熱に垣間触れつつ、叫ばれる地球の温暖化が10万年スケールでの地球の気候サイクルにおいてどういうパターンと位置を示すのかを示唆する本。水月湖の話はドラマで、それ以外は科学読本。サイクルからすると現在は間氷期の終わりで氷期が始まっていてもおかしくないが、それは誤差の範疇でもあり、温暖化が氷期を止めた上で気温が上昇しているとも、まだ間氷期の範囲内で気温が上昇しているとも取れる。タイトルから氷期サイクルのダイナミズムによる人類の移動史みたいなものを想像したがそれはなかった。残念。
0255文字
まさ☆( ^ω^ )♬
新着
科学って面白いって感じる一冊。
0255文字
ふとし
新着
気候は一定である、と無意識に思っているから昨今の地球温暖化、環境破壊などと声高に叫ぶ。が、そもそも地球の万年単位の歴史では氷期と暖期は繰り返している。その観点から氷期を生き抜いた我々ホモサピエンスの祖先がいかに偉いかを語る。氷期を生き抜いた私たちの遠い祖先は、知恵が足りないせいで農耕を思いつけなかった哀れな原始人などではなかった。彼らはそれが「 賢明なことではない」からこそ、氷期が終わるまでは農業に手を付けなかったのだ。暖期に生まれ死んでいける現代の我々はその時点で平和ボケしているのかもしれない。
0255文字
全27件中 1-27 件を表示
人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)評価77感想・レビュー27