形式:Kindle版
出版社:講談社
形式:新書
気象予測の技術は確立されていない。来年の夏が米作に向いているのか、冷夏を見越してソバを植えたほうがいいのか、あるいは熱帯の根菜類を植えるべきなのか、事前に知ることのできる方法は存在しない・・・なるほど。
P203「気候がふたたび暴れ始めるとしたら、農業に基盤を置いた社会は深刻な見直しを迫られる。」氷期には人類は狩猟採集で生き延びた。しかし狩猟採集では現在の人口を養えない。1000分の1位のカロリーだそうだ。「共同体を総動員して考えて続けるということが当面の答えということになるだろう。」
福井県の水月湖に滞積する堆積物の「年縞」から過去の精密な聞こう変動を探る。研究者としての視点から分かりやすく説明されていて、読みやすかった。 私たちの生きて言える時間は地球規模で考えるとほんの少し、点でしかないという事。 今の温暖化の状態がどのようなものか、今騒がれている地球温暖化問題とも比較して考えさせられた。
エジプト文明の発生が5000年前。私たちの思考はそこで止まっていたような気がしますが、人類(ホモサピエンス)はおよそ16万年とか18万年前に発生したとされ、そうなると文明以前の時間が相当長い。およそ30倍の長さ。となると、そこでの人類の在り方が今に影響を与えていると考えるのは当然の帰結なのでしょう。ニホンザルは、最大でおよそ100匹の群れを形成しますが、おもしろいことに我々の人類も100人の群れを形成したとされる。人類にとって それが群れを形成するのに最適の数だったということでしょうか。
なるほど、縄文時代は1万6000年ほど前から1万数千年続いたそうですが、縄文時代についての本をよく見かける気がするのも、その辺が理由なのかもしれませんね。
今後100年は過去1万年と全く違う変動になるだろうと結んでいる(カオス、不確定性)現代の気候変動については近視的になりすぎず、タイトル通り長期スパンの中での温暖化や氷期の周期や期間、変化について分かりやすく説明されていて、今起きている変化について改めて地球の歴史において突出した温暖化の時代とは言えない(1億年前は北極にも南極にも氷は存在せず)が、周期で論じることができない不確定さがある。サピエンスが30万年の歴史のなかで、数十年で5℃~7℃の平均気温上昇を生き抜いたというのは初耳で、印象的。
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