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自民党―「一強」の実像 (中公新書)

感想・レビュー
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富士さん
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派閥やポストや選挙など、テーマごとに今の自民党がどのようにできてきたかを論じた本です。歴史とは一線を画した、自民党論といったものです。学者らしく、ネットでの選挙活動が大した影響を持っていないとか、右傾化は民主党への対抗のための戦略にとどまるとか、安倍政権は古い自民党への回帰という側面があるなど、ジャーナリスティックな決め付けや分かりやすい解釈と異なる視点が目を引きました。逆に、小泉政権の特異性が際立つ記述になっています。ただ、今を中心にして論じられているので、時代を経ても「使える」かは、わかりません。
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時雨
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著者の本は『日本共産党』に続き2冊目、2017年4月初版。/1990年代以降から「安倍1強」に至るまでの自民党の変遷を多角的な視点から分析。政治改革に規定されて大きく変質しながら与党の座に舞い戻る巨大政党の実態を、憶測を極力排して各種データをもとにシステマティックに解析する点が本書の特徴。正直なところ章ごとにコメントを付して知見をまとめておきたいぐらいに示唆に富んだ読書となったが、記録する余力がないので多くは語らない。自公勢力が衆院で過半数割れを起こした今こそ「あの時代」を知るために読まれるべき1冊。
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たろーたん
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自民党の特徴でまず挙げられるのが派閥だ。1980年代から90年代初頭に最大派閥として君臨していたのが、田中角栄に率いられていた木曜クラブであり、その系譜を引く経世会、すなわち竹下登派だ。多数の国会議員を傘下に集め、建設や郵政をはじめ様々な政策分野の族議員を揃えて陳情を処理し、業界団体にネットワークを広げた。しかし、それを継承する平成研究会(平成研)にはもはや往年の力は見られない。石破茂や河合克行なども離れて行った。求心力低下の原因はリーダーシップの欠如だ。(続)
たろーたん

つまり、小泉がやっていた排除的な人事、新自由主義的な政策、無党派層の重視の逆として、安倍は包摂的人事、利益誘導政治と新自由主義の両立、支持基盤を重視した訳である。民主党政権の時に距離を取った日医、日歯、JAグループなども包摂し、企業・団体献金も増やしていく。同じ自民党でも、この二人は非常に対極的だ。また、安倍派、冷戦の終焉や階級対立の弛緩や利益誘導政治による国民の支持の調達による党の結束維持の困難から「自主憲法の制定」の党是など右派的な理念を強調し、結束を固めようとする。

10/28 22:24
たろーたん

民主党が個人重視だったため、こっちは国家を基本とする政策を重視したのだ。その結果、思った以上に右になったと野田聖子は語っていた。こうやって見ると、小泉と安倍では勝利の方程式が異なることが分かる。無党派層を重視した小泉は高い投票率の下でこそ勝利したのに対して、安倍政権は低い投票率の下で支持基盤や公明党による組織票により勝っている。自民党を叩くことによりポピュリズムを行った小泉と、利益誘導政治による組織票で勝利する安倍では、やはり大きな違いがある。

10/28 22:24
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0255文字
みじんこ
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一九九四年の政治改革と小泉政権によって、自民党が組織としていかに変わったかがデータを交えて繰り返し述べられているのが特徴的である。「連立を組む公明党の存在を含め、自民党が保持するリソースは他党を圧倒している」ことがよく分かった。派閥や友好団体、地方組織、後援会など、昔と比べて弱体化も起きているとはいえ未だ強固に張り巡らされたネットワークである。政策決定における党の事前審査制の話、部会や総務会での全会一致の原則の内実はある意味大人の対応な面もあると感じ、もう致命的な分裂に至らないのも与党としての強さである。
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AKI
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再読だけどこちらには初登録。 以下のパートを改めて興味深く拝読 ・個人後援会の存在 制度改革の結果、個人後援会が弱体化した。その結果、自民党の国会議員は二重構造化した。盤石な世襲議員と非世襲の公認候補。選挙戦略にも影響を与える。2012年総選挙で初当選の議員をいか盤石にするかが課題。 ・党中央と支部組織との制度的な関係性 政治制度改革の結果、有力議員の系列が弱体化した。それまでは代議士系列が強力で、党本部と地方県連の仲介役を果たしていた。支部組織の幹事長以下は基本的にその都道府県の地方議員が務める。
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二人娘の父
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2016年刊行の新書。振り返ればこの頃が安倍晋三の絶頂期ではなかったか。政権末期は相次ぐ政治的疑惑に揺さぶられ、念願であったであろう改憲どころではなくなっていた。本書は自民党という化け物のような政治組織を歴史的かつ、構造的に捉える良書と言える。奇しくも清和研究会の裏金疑惑により、特捜の捜査が始まっている。真相を明らかにしつつ、この事件を機に、自民党がどう変わるのか注視したい。
0255文字
takao
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ふむ
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ふじお
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少し出版から時間が空いてますが、今も非常に参考になります。小選挙区制になって、政権交代があっても自民党はなぜ政権の座に長く入れるのか。その構造が基礎からわかります。
0255文字
hikarisk
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派閥、総裁選、地方組織、個人後援会など盛りだくさん。 94年の政治改革で中選挙区制から小選挙区制になり派閥は力を弱め、地方や友好団体との結びつきを弱めていく話など、私が思っていた自民党とは違った印象。 小選挙区は自民党にこそ不利であることも知る。 野党が今のように分裂し、無党派の風を集めきれないもどかしさ。
0255文字
awe
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政治学者による自民党研究の成果が新書一冊にコンパクトにまとめられている。自民党が日本においてどうしてここまで強いのか、という点が派閥、政策決定プロセス、国政選挙、友好団体、地方組織など複数の観点から緻密に論じられており、とても面白かった。2017年の著作なので、菅・岸田政権のあり方や旧統一教会問題等には当然触れられていないものの、それでも今の自民党を考える上では大きな手がかりになりそう。◆1章は派閥について。派閥は、中選挙区制の時代において「党中党」と呼ばれるほど党内で影響力を持った集団だった。その権力
awe

公明党枠は用意されている。こうした例外はありつつも、人事慣行において総裁の権力は増大している。それを示すもう一つの変化が、幹事長人事慣行の変化と幹事長の権限の縮小である。前者は総裁と幹事長は異なる派閥から出す慣例であった「総幹分離」が崩れたこと、後者は、様々ある幹事長の仕事の一つである派閥間の利害調整があまり行われなくなってきたこと(ex.派閥の衰退に伴い派閥均衡の人事をする必要性が低下し、かつては幹事長が行なっていた人事を官邸が差配するようになった)である。ただし、派閥は衰退したとはいえ未だに力は持ち

12/04 14:59
awe

続けているし、幹事長も巨大な権限を持っている。そんな中、権力を総裁に集中させることは党内ガバナンスを進める上では得策ではない。そう考えた安倍晋三は、小泉以降の人事慣行の破壊と抜擢優先の人事路線を修正し、派閥の領袖を取り込んだり、自身と距離のある有力議員(谷垣や石破)を幹事長に宛てるなどした。包摂的な人事である。しかし安倍の巧妙なのは、単に包摂するだけでなく、幹事長代行や選対委員長など幹事長周りの要職を自身に近しい人間で固めることを忘れなかった点である。◆3章では、自民党の政策決定プロセスのあり方が論じられ

12/04 15:00
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Tomozuki  Kibe
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自民党の本。自民党の歴史…というにはポスト55年の話。自民党の政治方針…というよりは自民党内部での権力の話。そういうことを知りたい人にはいい本なんだろうが…。
Tomozuki  Kibe

 自民党の人たちって結局こういう勢力争いで政治生命のほとんどを燃やし尽くしているんですね。 「風雲児たち」で、林子平が公家と政治の話をしに行ったとき、子平は北方防衛などの話をしたかったのに対し、公家は尊号一件しか関心がなく、子平が失望したエピソードがあったことを思い出す。

11/08 20:58
Tomozuki  Kibe

覚書  事前審査制の下でなぜ官邸主導が可能か93p ミクロな「鉄の三角形」97p 族議員とは「省庁を基本単位とした政策分野について、強い影響力を持つ中堅議員の集団」99p 長期に選出された族議員のほうが、転勤がありせくしょリズムに染まった官僚より優位100p 内閣支持率は47パーセントでも「高いほう」143p 経団連の政策評価は「金で買う」イメージ忌避のため弱まってはいる227p 地方議員報酬21万円低い!→やれるのは有閑階級になる238p

11/10 11:53
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げんき
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伝統的な自民党史(「55年体制」「大福三角中」など)ではなく、現代の自民党に焦点を当てている。小選挙区制の下で派閥ー総裁間の力関係は大幅に総裁側に移動したこと、また各種友好団体の力は弱体している一方地方議会での自民党支配は強固なものであること、こうした変化にも関わらず自民党の政策決定過程は比較的堅牢に保たれ実質的な政策審議の場としている(またその能力もある)ことがわかる。自民党は決して盤石ではないのだが、現状では国政を担う上で常識的に必要な組織構造を持っているというだけで十分な強みとして機能している。
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thefumin765burn
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一強状態にある自民党の現状分析。1994年の政治改革、小泉構造改革、そして政権交代により変化してきた自民党の現在を、55年体制の対比で捉える。 55年体制で隆盛の原動力となった派閥、友好団体、個人後援会などの人的ネットワークは、衰退しながらも改革による危機を乗り越えて自民党一強を支えている。 だが、実際は縮小再生産にすぎないのではないか。これまで培った政治的リソースを食い潰しながら自民党は優位であり続けるだろうが、このままでは日本もろとも諦観の内に壊死する気がしてならない。
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ポルターガイスト
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自民党の特徴を派閥や政策決定プロセス,各種団体との関係などから論じている。筋立ては分野別だが歴史成分が多い。特に小泉政権と安倍政権の違いが意識されている。とても説得力がありよかった。本当に自民党はアメーバ政党だなと思う。実態がないようであるような。日本人の集団意識が見る夢の投影みたいな。結局民主党政権は小泉政権のカリカチュアにしかならず,しかもその後は自民党が民主党のいいところを吸収合併してしまったように見える。リクルートの頃の感覚で自民党を批判しても的外れになる,変化を見ないとね。共産党の本も買う。
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kotatsu_ofutwun
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ネタバレ第2次安倍政権に至る自民党の変遷について包括的に論じた本。 55年体制下では自民党候補の同士討ちが発生する中選挙区制度により、個人後援会と友好団体を票田とした議員達が派閥に所属して相争う時代が続いた。その後小選挙区制の導入により派閥は衰退し官邸主導が実現するが、制度の違いにより劇的に力学が変化するのは面白い。 一方野党への下野で無党派層の不安定さを認識し、55年体制下の固定票が見直された結果、近年の自民一強が実現している点は見過ごせない。今後二大政党制が定着するには野党の合従連衡と地方への浸透が鍵となるか
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ほうすう
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第二次安倍内閣、自民党が政権を取り戻したころに書かれたものであろう。時代が変わり選挙制度も変化し、かつて力を持っていた派閥や団体組織・地方組織といったシステムが衰えてきたこと。それでありながら地方組織など地力の強さが自民党の強さの源でもあるのだろうと分かった。またなんだかんだ言って現実主義な面とそのバランス感覚では安部さんは政治家として手腕があったのだろう。昨今の事件は自民党にとってはやはりマイナスでしょうなと改めて感じるところである。
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たろーたん
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自民党のポイント。①減少しつつあるものの非イデオロギー的で制度化された派閥があり、総選挙や国政選挙の候補者擁立や支援、政治資金の調達、政府のポスト配分の時にその機能が発揮される。②事前審査制によるボトムアップとコンセンサスを重視する政策決定プロセス、予め党内の意見を集約し足並みをそろえることで、野党の国会の時間的制約による日程闘争に打ち勝つ。③国政選挙において「選挙の顔」を立てることによる広報、非自民党の無党派層の動員の抑制、そして公明党との蜜月。
たろーたん

自民党以上に票が硬い創価学会が母体の公明党に対して一部候補者を見送り、支援してもらうことにより、他の選挙区での候補者に票をもらう(公明党は600~700万票の票を持ち、一つの小選挙区には2万~2万5000票ほど。10万票ほどで当選なので2万票は重い)。もちろん、その代わり公明党も自民党の比例票をもらう(100~150万票、公明党の20%前後)。また創価学会は高度成長期に都市部に入ってきた比較的貧しい人々を入信させた背景から都市部の票をたくさんもっている。そのため、地方に強い自民党との相補関係となっている。

04/05 16:39
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Bevel
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まだ自分には早かったかなあ。難しかった。中選挙区制がどうしてだめだったのか、小選挙区制が国政の雰囲気をどう変えたかみたいなところは、納得感あってよかった。
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いなちゅか
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2021年10月の衆院選に向けて、なぜ「どうせ自民が勝つ」というフレーズが固定化されてしまっているのかその実態を知りたかった。55年体制から政権を逃したのはたったの2回、しかもすぐ復権を果たした強さはどこにあるのか。強いのかそれとも野党が弱すぎるのか。 一番の課題は与党に有利な小選挙区制と相対的得票率の高さという問題だろう。
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まっちゃん
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自民党がなぜ日本の政界で60年以上にわたり強者であり続けられたかを歴史や組織、派閥、支持母体などの面から語っている本です。 本によると各地方の有力者を党に引き込んだことで、その後援会や支持母体の力を自民党の力にしたことが勝因であると読めました。そこから自民党内の派閥間政治が発生し、その是正のための官邸や内閣の権限強化、都市部での固定票獲得のための公明党との連立、小泉安倍両氏の台頭に繋がっていったとのことです。 自民党が地方を切れないのも納得がいきます。
0255文字
inu
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衆院選前に積読消化しました。自民党の強さの理由がわかる。自民党の強さの根源は地方組織にあって、そこをきっちり押さえてるとそりゃあ強いよなあと読みながら思った。立憲はそこが弱いと言われているので風頼りになってしまう。自公連立については、同著者の『自公政権とは何か』が良かった。
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たけふじ
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今回の自民党総裁選では、多くの派閥が事実上の自由投票を選んだとされる。その背景にあるのは、間違いなく派閥の弱体化にあるのだろう。国政選挙での支援や政治資金の調達、ポスト配分を受けるために派閥出身の総裁候補を支援するというかつての取引は、政治制度改革を受けて成り立たなくなった。代わりに総裁に求められるものは何かといえば、「選挙の顔」であり、派閥の代わりに「右派理念グループ」が登場したとする。「選挙の顔」というのはまさに今回の総裁選でよく聞く単語であり、筆者の分析力の高さを感じた。
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でね
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「部会」「総務会」「政調会」、これらの名前は聞いたことある人も多いと思いますが、では実際にどういう流れで決まっていくのかをきちんと説明出来る人はそう多くないはず。この本では歴史的な成り立ちも含めて、如何に自民党が組織をつくり、政策を決定し、規模を維持していくのかを丁寧に揉み解していきます。豊富なデータを基にしていながら、著者の「べき」論がほぼない冷静な筆致は政治的指向に関わらず読める良作となっているのではないでしょうか。
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だ~
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中選挙区時代と現在の小選挙区とを比較。 ・派閥は弱体化してる→小選挙区制導入に伴い官邸の力が強まった為 ・政策決定の過程は党から官邸に力関係が移っている→小泉、安倍(第二次以降)を比較すると、安倍は小泉ほど強硬な路線は取っていない。むしろ官邸主導は継承しつつも、党への配慮も行っている ・関係団体(組織票)は確実に減っている→絶対得票数の減少 ・後援会等の地盤について→地盤がしっかりしてる候補者は風に流されない。むしろ強い。 ・今後もしばらくは自民党政権が続くだろう
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もりたく
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官邸主導のトップダウンによる政策決定が、自民党のコンセンサスに基づく事前審査制と何故共存できているのか。集金力は高いが集票力の弱い財界が、職能・宗教団体の政策影響力に勝つ日は来るのか。政策決定のシステムが一見すると小さな制度変更で大きく変化するのは政治学の醍醐味なんだろうと想像。右傾化が批判される現与党も、失敗したリベラル政党に勝ち続けるための差別化戦略と考えると納得。
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よねちゃん
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自民党として一つにまとまっているように見えて実はそうではないようですね。 少し次元が異なるかも知れませんが、戦国時代の大名とその家臣たちとの関係に近いかも知れませんね。 家臣たちがそれぞれの領地を支配して領民の支持を得ているような感じかも知れませんね。
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サイトトウロク
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自民党の構造を、専門的な知識を使わずにまとめた本 法案が事前合意に至るまでの段階に関する説明が丁寧でわかりやすかった
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ミツキ
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自民党を支持しないすべての人に読んでもらいたい本だった。さんざん言われながらも、どうして自民党があそこまで選挙で勝つのか、しぶといのかがよく分かる。自民党に対抗するために必読の内容。
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spanasu
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94年の政治制度改革という一大転機を経て、経世会支配への挑戦であった小泉と民主党系との戦いである安倍という対比を行い、安倍は公明党、団体、地方組織といった弱体化しつつもある内の結束を図り、無党派層を動員されなければ負けないなかで低投票率と野党勢力の分裂に助けられる。インタビューの成果で生々しい記述も多く興味深く、また筆者が党内の二重構造と示すように世襲議員は羨ましいぜ…といった印象。
0255文字
オランジーナ@
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やっぱり自民党は地方組織が強い。野党ももっと、自民党を見習うところはあるように思う。
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chochu
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読了。北岡『自民党』に比べて現状分析の色彩が強い他、属人的な要素よりも自民党を特徴づける制度的側面に焦点を当てている。90年代の政治改革を一つの画期として見る点では、類書と同様。関係者からのインタビューの成果もあってか、自民党という政治マシーンがどのように機能しているのかかなり生々しく描かれていると思う。劇場型政治で無党派層を動員した小泉と幹事長人事などで包摂性を見せる安倍の対比は鮮やか。公明党/創価学会は選挙に勝つことを重んじる教義だから小選挙区に出馬を避けるというのはかなり衝撃的な記述だったが...。
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須磨コミ
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自民党の強さが良く分析されている。 時に自民党は、なかなかツッコミどころの大きい問題を起こして逆風が吹くこともあるが、その時々の状況に適応して党内融和を図り、組織を団結させるメカニズムが働いているし、支持団体の力が弱まっても継続的に関係を保つことで安定した相対得票率を保っている。 野党が政策上の不和から分解・合流を繰り返すのに対し(理念ベースの西洋型の政党も個人的には国内にあって欲しいものだが)、下野した自民党が組織を保てていることにも合点がいった。
0255文字
たけふじ
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出版から3年が経つが、本書の中で述べられた状況は少しも変わっていない。いや、民進党が分裂した分、相対的な自民党の優位はむしろ強まっている。リクルート事件を契機に始まった中選挙区制の廃止を初めとした政治改革。議員の個人商店で、内部の派閥争いに明け暮れていた時代は過去のものになっていく。その頂点が小泉政権だった。内部に「敵」がいなくなった自民党の次の「敵」は民主党(→民進党→立憲民主党)。右傾化はリベラルな旧民主党系との差別化だと考えると、本質的には左右の理念のないのが自民党なのだろう。
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Takeshi  Kushimoto
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南国出張3連チャン③大分往路:研究書の趣で.データは細かいが,斜め読みじゃ頭に入らない.
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しゅー
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★★★★ 某新書書評ブログの高評価を見て読んでみた。よくある政治家個々人の言動を追った内幕物とは違って、派閥や政策決定プロセス、個人後援会など様々な視点から、自民党を徹底分析している。人ではなく、プロセスや構造に光を当てているので非常に勉強になった。
0255文字
ア
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派閥のあり方の変化、公明党の存在意義、小泉自民党と安倍自民党の対比、おもしろい。
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預かりマウス
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わかりやすく堅実な内容。1994年に選挙制度が中選挙区制から小選挙区比例代表並立制になったことで、自民党のあり方が大きく変わったというのがポイント。同じ普通選挙でも、選挙制度一つで随分と政治の構造を変えてしまうのだということは、余り強く意識していなかっただけに面白く読めた。
0255文字
newborn
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小泉首相以降から 無党派層の重要性が増し 友好団体や利益団体が弱体化し 派閥政治の弱体化と 政治主導で官僚の権限が弱った っていう過程を見ると 小泉って人はかなりインパクトのあった人なんだなと思う
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ミカド
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現在自民党の一強状態が続いているかについて、派閥が弱まったことにより総裁の権力が強まったこと、官邸主導のトップダウンで政策決定がされるようになったこと、国政選挙において公明党との選挙協力が行われたことにより議会にける安定多数を確保できスムーズな国会運営ができるようになったこと、自民党と友好団体との関係といった様々な角度から包括的に論じている。今後も自民党を軸に日本政治が展開されることを思うと、一有権者として知っておきたい情報ばかりがちりばめられた一冊となっている。
0255文字
しろくま12
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まあ、政治改革と自民党の関係についての通説が書かれている。教科書的な内容。自民党政治が地方政治(議会、選挙、組織)の在り方によって形作られているという部分はもっと強調されてよいだろう。終章はよくまとまっていたと思う。
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自民党―「一強」の実像 (中公新書)評価50感想・レビュー94