形式:Kindle版
出版社:岩波書店
だが、国会開催をそれぞれの結社が運動化する際に、自由民権運動の活動家たちは、民衆に対して「国会が開催されると俸禄がもらえるようになる」とふれこんでいた。その結果、運動として大義名分を失った自由民権運動は、周縁的な人たちによる騒擾を引き起こしてしまうことになる。→
こうした自由民権運動に関する著者の評価は、かなりドライなものである。しかし、国会の開催が自分たちの解放につながると信じて自由民権運動にオルグされ、結果として武装蜂起を起こした人たちに対する著者の視点はそれなりに暖かく、落伍者たちによる失敗した運動の歴史を読むのも悪くないと思えた読書だった。日本の民主主義の原点のように語られがちな自由民権運動であるが、本書を読むとそのイメージは180度変わるだろう。
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だが、国会開催をそれぞれの結社が運動化する際に、自由民権運動の活動家たちは、民衆に対して「国会が開催されると俸禄がもらえるようになる」とふれこんでいた。その結果、運動として大義名分を失った自由民権運動は、周縁的な人たちによる騒擾を引き起こしてしまうことになる。→
こうした自由民権運動に関する著者の評価は、かなりドライなものである。しかし、国会の開催が自分たちの解放につながると信じて自由民権運動にオルグされ、結果として武装蜂起を起こした人たちに対する著者の視点はそれなりに暖かく、落伍者たちによる失敗した運動の歴史を読むのも悪くないと思えた読書だった。日本の民主主義の原点のように語られがちな自由民権運動であるが、本書を読むとそのイメージは180度変わるだろう。