形式:ライトノベル
出版社:ホビージャパン
もっとも、WEBラジオである「ラノベハスラー」にて、担当編集者さんや、パーソナリティのお二人がひたすら歯にものの挟まったような物言いをしていたことから、ある程度、そのひっくり返しについて予想できてしまったのは……多分、自業自得。それと、2巻のページ数をあわせるためにも1巻の終わりに入れた設定資料を最初に見ると無茶苦茶なネタバレになるので注意。
三十刈たちの言動が人間のように見えれば見えるほど、対汚染戦闘時の無機質さを思い返さずには居られなかった。そして、『人形が人間の振りをするな!』と叫びたくなる。僕ら人間が彼女たちに人間らしさを強いているのに、僕は人間らしい反応をする人形におぞましさを感じずにはいられなかった。人間を捨てた伝染体とは別の角度から、人間性を汚されている気分にさせられたのだ。だからこそ、百合原ハルカの無機質な言動に安心した。[156-157]人間と非人間の区別を『心』の有無で付けるのがそもそも間違っているのかも知れない[206]
ここから夢落ちもあり得ますけど、それだと先が読めませんね。素直に事実と取れば、この後、秘密を共有した2人が、この壮大な芝居の真意を探り“興業主”へと攻め込む物語になるのでしょうか。もはや人間は滅びてるのでは。機械による果てしない人間ごっこ、偽物による人間“保存”が繰り返されてるだけなのでは。反面、「人間」の意識が電脳中に残存してるのも事実なのでしょう。だから探したいのでしょう。それがアダムとイブになるのでは。桜が暗示するのは、死と再生。蛋白質=肉体を蹂躙された人類が、心だけで歩き出す、新生の物語ってこと?
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます