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メイキング 人類学・考古学・芸術・建築

感想・レビュー
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中村蓮
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雑な自然科学(人文学を「お気持ち表明」とか揶揄しちゃう勢力)やYouTubeの解説動画でファストに知を得ようとする勢力への批判として読みました。頭でなく手を動かすことで学ぶ、概念を操作するのでも、事前に計画して実行するのでもない知のありようを称揚する内容でした。キーボードと手書きの対比なんかは、物の性質の違いでなくて、使う人がそれに慣れてるかどうかじゃないの?という気はしますが。
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かわいいペンギン
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有機物と人工物を区別するのではなく、どちらも「つくられる making」プロセスにある「もの」として捉えること。つくられる「もの」は、頭の中アイディアの単なる投影ではなく、無機物や有機物の流れに沿って応答correspondanceすることでつくるものであり、完成はないこと。人類学とは、人びとから知恵を学び、生成の動きに自らを応答させ、世界を理解しより良い未来に向かっていくための知の営みであること。
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kirdin
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曰く、民族誌が調査対象を客観的に観察して事実を記録するのに対し、人類学は対象の生活に入り込み、内から経験することで本質を理解/習得する試みである。曰く、何かを作ることは、デザインを現実にコピーすることではない。そこには、職人の創意工夫と即興性に満ちた仕事/運動がある。であれば、その運動を実践することで得られる気づきに本質がある。職人はデザインを形にしているのでなく、個々の部分を作っている。ここの運動が互いに反応し合い、結果デザインに近しいものが生成されるのであって、デザインそのものが完成することはない。
kirdin

浅学な私には、捉えきれない議論が多かったです。あるいはそれは、実践することで理解できるのでしょうか。 なるほどと思わなくもないのですが、浅い部分しか読めていないせいか、だから何だとか、当たり前では?とも思ってしまった。そういう見方もあるね、という域を出ていないように思える。1冊も費やす程のことだろうか、と。

12/13 21:03
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yo_c1973111
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キーワードはコレスポンダンスだろう。人がものとかかわる経緯を観るのではなく、実体験を経て考察する人類学者であるから興味深い。『ラインズ』から至るが、本書はエリアと深度が広範だ。思考(言葉)から創出されるものだけが結果としてのモニュメントとして確立するわけではない、いやむしろモニュメントへの概念を疑う。ものを手で触りながらものを活かす経験を編んできた人類の価値への再考察で、大いに有意義だ。箇所によっては論理の飛躍を感じるが、それも歩幅の不均衡性による味と捉えよう。次作はあるのかな?期待したい。
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iwtn_
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メイキング、作ることと学ぶことの一体性。すべて、岩石・金属などの固体も、究極的には動的な存在で、生物もそう。流れ、動く。その中でリズムを合わせることでコレスポンダンスする。腑に落ちる、というか、本の表現的には収獲は少なかったと言うべきか。 ただ、手のデジタル化に関しては一言。プログラマがキーボードに拘るのは、書くことと手を動かすことが明瞭に別れないから?Apple Pencilが筆圧を読めるようになった今、どこまで物理的な鉛筆に拘るか。とはいえ、全く違う道具として扱うので良さそう。別の道がそこにある。
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KakeruA
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社会人類学者ティム・インゴルドが、人類学・考古学・芸術・建築という4つのA学問領域を横断しながら「つくること」の相互作用について論じられていく。物質性と文脈を往来する、人を社会と繋ぐエージェントとしてのモノは、人類学的な時間軸と民族誌的な物質としての切断の中から、応答することで生まれると言う。ドゥルーズ=ガタリなどを引用しながら、本質的な物質性はなく、応答の中でしか意味性を持たない。考古学的な素材としての切断や、応答としてのドローイング・設計やデザインに人類学との接点を見出しているようだ。もう一度読みたい
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滑稽ウツボ
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物を作る仕事をしていることと、インゴルドの本を読んだことがないのとで読んでみた。「人類学の目的はダン・スペルベルがいうように「民族誌のデータ」を用いることで「人類文化の変わりやすさを説明すること」であり、寛容で限度のない、相対的で批判的な、人間生活の条件や潜在性についての調査の場を切り開くことである」という序文が良い。どうしても報告書となってしまいがちな民族誌から考えることの大切さを再考させられる。内容も物と人間、行為の関係性について考えており、興味深かった。
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あきら
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予想と全く違った内容だった
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SQT
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何かを作るなかで、その「もの」が成り立つという立場。そのため、質量形相論(その「もの自体」とその「もののフォルム」に分類できるという立場)に批判が向けられる。インゴルドのなかではエージェンシーすら存在しないため、それぞれのエージェンシーによる相互作用という図式自体が成立しない。コレスポンド(応答・交感)していくなかで、その「もの」が現れる。たとえば凧は、風と人とコレスポンドするなかで凧として上がっていく。その他の点。アンチ博物館(ものを終わらせない)、アンチコンピュータ(手で描くときの質感)
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doji
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オブジェクトとイメージのあいだについてスケッチされる冒頭の補助線に導かれるように、全編に渡って連想と論理が編み出されていくさまは、本文中何度も引き合いに出されるルロワ=グーランの「身振りと言葉」を読んだときの感覚と近いものがあった。難解で一度ではとてもじゃないけれど噛み砕けないけれど、とても美しく芸術的な本だということもとても共通してるように思う。
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渡邊利道
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人類学とは、民族学的なデータを用いて人間の文化がいかに変わりやすいものであるかを研究する学問でると定義し、四つのA、人類学、考古学、芸術、建築を、豊富な実例に基づいて諸流域を横断しながらその「人類学」的思考練り上げていく思弁的エッセイ。独特のドライヴ感があってするすると読めるがこれはほとんど文学だなあ。
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ささみ
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原始と文明のせめぎ合いみたいな話。ドゥルーズとデリダやたら出てくるからそっちも読まないと。
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猿田康二
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社会人類学者である著者が、その垣根を取り払い、人類が取得した特有の機能「手」により人類学・考古学・アート・建築にどう貢献したかを大学で講義した内容をそのユニークな講義の模様も紹介しながら書籍化したのが本書である。同時に「分画化」という聞きなれない表現を使い、タイプする事などの現代人の手の使い方を批判している。そして、かつての人類の生産活動を実際に反復することで手を使用する重要性を説得力を持って主張する。関連する職業に携わる読者の知的好奇心を満足させる刺激的な書であった。
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wadaya
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素晴らしい本をご紹介。僕は元々芸術と哲学の双子のような関係を実感していた。それが考古学、建築、政治、経済に枝葉を伸ばした。その根底には常に哲学があった。哲学の何が面白いかって?それは知識を身につけることなんかじゃない。自分の中に眠る財宝を掘り出すようなエキサイティングな作業なのだ。君は哲学を読んだから思考が身についたと思うかもしれない。けれども実は、それは君の中に元々存在していたものなのだ。だから今、空っぽである自分に落胆することはない。メイキング・・・君が君の手で、君自身の素質を見出す日がきっと来る。
くぅー

またまた面白い!なるほど、哲学することの本質とは自己の中に既にある要素の顕在化のようなものなのでしょうか?(o^^o)深い深いなぁ〜哲学面白い!

11/14 04:17
wadaya

くー さん、おはようございます。さっき目覚めました(笑)嬉しい感想・・・有難うございます。私流にお礼を申し上げれば・・・実は私の文章に意味など無くて、ただ素晴らしい感性を持つ読友さんがいらっしゃるというだけですよ(笑)ナイスしてくださった読友さんに感謝です。

11/14 11:45
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めき
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「何かを作る」ときに起こっている面白いことを人類学的に色々書いた本(ざっくり)。また人類学の方法それ自体にも述べている。著者が言うにはアートが美術史と違うように人類学は民族誌とは違う、とのことで立場をそのように定めると色々な領域に踏み込み易くて良いだろうなと思った。
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