読書メーター KADOKAWA Group

主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿

感想・レビュー
30

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
二人娘の父
新着
先日、沖縄・玉城知事シンポジウム(沖縄県主催)に参加したことを踏まえ、いくつか確認したいことがあり再読。内容的には地位協定の国際比較が中心であるが、本書の核心の1つは第三章全土基地方式の解説にあることを再認識する。川名晋史東工大教授も当日の発言で触れていたように、日米地位協定の不公平性の核はここにあると考える。本文でも触れられているが北方領土解決を阻んでいるのも、実はここにある。しかしこの核心部分を追及・課題化する国政政党が少なすぎるし、運動も少ない点に沖縄問題未解決の要因の少なくとも1つがあると考える。
0255文字
Keiko Yamamoto
新着
ネタバレ日本国民がやらなければならないことは日米地位協定の改定。 米国は日本の施政下にある領域内であればどこにでも施設・区域の提供を求める権利が認められている。 日本が負担している米軍駐留経費は75%、イタリア 41%、韓国40%(2004年) 思いやり予算は15年間で30倍に膨れ上がった。米軍の新規の隊舎、家族住宅建設費、人件費、福利関係費、扶養手当、退職・通勤・住居・時間外手当、終には基本給、基地内の光熱水費まで日本が支払う。 米兵は冷暖房つけっぱなしで帰国。片や自衛隊員はトイレットペーパーさえ自前。
0255文字
八鬼
新着
NGO・国際連合職員として世界各地の紛争地での紛争処理、武装解除などに当たった実務家としての経験を持ち、現在は東京外国語大学教授。武装解除紛争屋を自認する著者が日本の現状を米国の掌の上で転がされている平和だと主張している。つまり、駐留米軍の刑事裁判権も基地管理権も米軍出撃制限権もなく、アメリカとの協定を無視して思いやり予算として米軍に出費している。軍事に関する主権は米具に握られたままである。著者はこれを是正する日米地位協定改定案を提案している。 実務に携わったものとしての言葉は重いと感じた。
0255文字
レイノー
新着
2017年刊行。著者伊勢崎は東京外国語大学大学院総合国際学研究員教授(元国際NGOアフリカ開発援助員・国連PKO派遣東ティモール暫定行政府県知事・シエラレオネ国連派遣団武装解除部長・アフガニスタン武装解除担当日本政府特別代表)。同布施はジャーナリスト・「平和新聞」編集長。◇図。◆日米地位協定の歴史的・法規範的問題点は琉球大の山本章子の著作(中公新書)が適しているだろうが、もう少し地位協定に関する政治家(特に与党や基地不存在地域の政治家)の認識、地位協定が生む現実の問題点、他国との比較、日本の対外的問題点。
レイノー

どちらも、しかも政府対応に対して批判されるべきなのだ。⑷こういう問題では国民が声を上げなければならないが、結局、沖縄問題として収斂されるだけで、列島の人々(候補者も含め)は気にも止めない。マスコミも沖縄を除き、「赤旗」だけが頑張っているというのでは始末におえんだろう。⑸加えて、政治家(官僚では限界がある)が、国民の利益・安全のために日米地位協定をもう少しまともなものにすることに殆ど汗を掻かず、官僚もそれを手助けしているとは言い難い。こういう政府の軍隊はシステムとしては日本国民を守るためのものではない。

07/09 12:27
レイノー

かかる疑念は払拭されないであろう。日々の個々の末端自衛隊員の小さな営為ではなく、大局的観点でルールチェンジに挑んでこそ、システムとして軍隊が信に値する存在と化すはずだ。

07/09 12:27
8件のコメントを全て見る
0255文字
とよぽん
新着
6月に布施祐仁さんの講演を聞いた。そのときに本書を購入。読むのに勇気が必要だった。最もドキっとした文は「アメリカの代わりにテロリストに狙われるリスクを勘案しない日本の安全保障論は、単なる既得権益集団のプロパガンダにすぎません。」そして、さらに日本は米軍の施設や住宅の建設、米軍関係者の給与なども、日本の税金から支出している。その名も「思いやり予算!」国民の生活より米軍にどれだけ気を遣っているのか。全ての根源は地位協定の不平等さから生まれている。憲法改正より、日米地位協定の改正が先だということ。
0255文字
オカヤン
新着
日本の政府は、アメリカの強靭な要求に、密約という形で要求を飲んだ。国民にばれなければ良いと。。これは苦しい。けど伊勢崎氏は改定案を提案している。どの国でも、地位協定改定の原動力は国民感情だと。これを忘れない。自分の国は自分たちで守れる仕組みをつくる。未来のために。
0255文字
イボンヌ
新着
保守層にもリベラル側にも批判をするブレない伊勢崎先生。 確かに主権はないのでしょうが、今は何としても安倍政権を
0255文字
nori
新着
日米安保、地位協定、日米合同委員会、密約・・・国民に隠してばっかりですね日本の政治は。しかしアメリカも酷い国です。日本は、憲法改正の前に地位協定、自衛隊をなんとかしないとと思います。政治家は無責任過ぎます。
nori

「横田ラプコン」と言う言葉をはじめて知りました。

06/08 23:27
0255文字
健康平和研究所
新着
世界一アメリカに有利な地位協定を日本は結んでいる
0255文字
百式改(公論サポーター東海)
新着
2017年10月刊行の本書 1年半経っても何も変わっていない。日本は独立する気など無いのだろう。
0255文字
Ra
新着
平時の地位協定であるのに、準戦時以下の他国(韓国はおろかイラクやアフガンまで)のそれらよりも主権が制限された日米地位協定。結局は、自国軍隊の血をどれだけ流す覚悟ができているかの違いなのだろう。一時的に溜飲を下げるために、外務省を米国のポチと蔑むことは容易だが、結局そうたらしめているのは国民だということ。個人的には、伊勢崎氏の「沖縄に集中させることで(他国においても)米軍駐留の最大の敵である『反米国民感情』を沖縄の『民族自決運動』にすり替えている」という趣旨の糾弾は、腑に落ちるものがあった。
0255文字
こも 旧柏バカ一代
新着
国連派遣団でアフガニスタンの武装解除を担っていた方が、日米地位協定について調べたものだった。 日本は主権が無い、アメリカの保護国なんだな‥ 昨今の騒がれてる北方領土の返還なんて無理だと何となくわかった。 北朝鮮と韓国の朝鮮戦争(休戦中)の終戦が成立しないと日米地位協定の改定は無理そうだと思った。 北方領土を日本に与えたらアメリカが基地を作るかもしれないと嫌がってるロシアを説得出来る材料が皆無。
0255文字
Hiroki  Nishizumi
新着
まさしく憲法改正より先に日米地位協定改正だ! 著者の言う通りだ!
0255文字
Megumi  Nosaka
新着
日本とアメリカの力関係の根本が見えるようで、たいへん興味深かった。 筆者の伊勢崎さんは、日本の外の目線で紛争の現場にいた人で、その人が客観的に書いた本なので、そこらのマスメディアよりよっぽど信頼できる。
0255文字
かんがく
新着
日米地位協定の問題点について、ドイツや韓国やフィリピンなどの対米地位協定と比較しながら検討。裁判権や基地負担など、他国に比べて基準が曖昧で、改正がされておらず、日本の負担が大きい。アフガニスタンやイラクにおいてよりもアメリカの権限が大きいことに驚いた。また、被害者としての側面だけでなく、軍法が存在しないのにPKOに自衛隊を派遣するという、加害者としての側面にも注目している点が面白い。
0255文字
K.C.
新着
サンフランシスコ平和条約締結直後の事情はあったにせよ、その後無為に60年以上を過ごしてしまった罪は深い。沖縄に思いをはせねばならないが、地位協定は沖縄だけの問題ではない。政治家がそれに触れないことがもどかしい。
0255文字
二人娘の父
新着
われわれのあてている焦点は、実は大きくずれていたのではないだろうか? 熟慮したい。
0255文字
おさむ
新着
日米地位協定はまさに日本の「主権放棄ぶり」を如実に物語っています。刑事裁判権、基地管理権、思いやり予算、全土基地方式など具体的な項目で他国の協定と比べることで、日本の特殊性を浮かび上がらせます。(米国が地位協定を結ぶ国は100カ国以上もあるのもある意味驚きだが‥)改定問題が盛り上がらなかった要因として、沖縄の問題だと捉えられていること、左右のイデオロギーを超えた運動が起きなかったことなどが挙げられています。不都合な真実を見据えるのはしんどい作業です。でも、私達はこの現実を直視していかねばならない。
0255文字
hk
新着
地位協定とは主権国家の中に異国の軍隊が駐留するという非常事態を制度化するものだ。アメリカは独伊などNATO加盟国をはじめ準戦時にある韓国など多くの国家と地位協定を締結している。また日本の自衛隊もPKO派遣の際には受入国との間で地位協定を結ぶ。本書はこうした様々な地位協定を比較精査することで、日米地位協定という「極めてアメリカ側に寛容な」親子杯の特殊性を浮き彫りにしている。 刑事免責特権を公務中に限るのか公務外にも適用するのか?一次裁判権をもつのは受入国なのか駐留軍なのか?多様な地位協定を知ることが出来た。
hk

■備忘記■ 『誰もさばけないコントラクターと自衛隊』 イラク戦争で暗躍した民間軍事企業ブラックウォーターは米国務省が委託していた。ここでは国防省ではなく国務省管轄であるため軍属にはならないというのがツボだ。こうした軍属ではないが軍隊に随伴する民間請負企業をコントラクターという。そしてブラックウォーターの社員がイラク戦争で民間人を殺害する事件を起こした。だが地位協定によって刑事免責特権を付与されているためイラクの国内法では裁けない。更に軍隊に直接雇用されていないので軍法でも裁けない。つまりは無罪放免である。

04/22 11:29
hk

翻ってPKOに従事している自衛隊員が万が一不祥事を起こした場合はどうなるか?まずPKO地位協定によって受入国は第一次裁判権を放棄しているため、自衛隊員を国内法では裁けない。さらに自衛隊は軍隊ではないため軍法が存在せず軍事法廷で裁くことも出来ない。よって自衛隊員は何物にも裁かれない。これはブラックウォーターの社員が無罪放免裁されたことと類似したロジックだ。「不届きな駐留軍人は軍法会議で厳粛に裁かれる」ことが前提となり地位協定というものは機能している。だがその前提が崩れた場合には駐留活動自体が危うくなる。

04/22 11:29
0255文字
テイネハイランド
新着
ネタバレ図書館本。「文藝春秋2017年論点:日米地位協定」を読んで気になっていた著者の本ですが、もっと早めに読むべきだったかなと読んでいて痛感しました。日米地位協定(米軍の日本での活動を規制する法)が、米軍基地を受け入れている他国(ドイツ、イラクetc)での(対米軍)地位協定と丁寧に比較されているので、著者の論旨(日本は在日米軍のいいなりで独立国家とは呼べない)にはとても説得力があります。主権意識の希薄な日本が、自衛隊の海外活動を通して他国の主権に対する配慮を欠く(対ジブチ)との指摘もとても鋭いように感じました。
0255文字
Gasse
新着
平和構築・安全保障の専門家で、東京外大教授・伊勢崎賢治氏と、ジャーナリスト布施祐仁氏による共著。サブタイトルの通り、アメリカが世界各国と締結している地位協定に焦点を当て、日米地位協定の特異性に迫っている。世界で100カ国を超える国家が、アメリカと地位協定を結んでいるが、その中でも最も不平等な部類に入る日米地位協定。同じ敗戦国であるドイツやイタリア、あるいは準戦時にある韓国、アフガニスタン、イラクなどと比較しても、「主権がない」と表現されるレベル。かつ、前述の国々はアメリカに地位協定の見直しを迫り、(続く
Gasse

改善を果たしてきた。一方で、日米地位協定は、未だ占領期と大きく変わらないまま。この不平等な地位協定こそが、沖縄の基地問題の本質であるとする。米軍基地の7割が沖縄に集中しているがために、日本本土では可視化されにくいが、主要な当事者たる沖縄では今なお反基地運動が続く。両者が分断されることは、米軍を利することに他ならず、右も左もアメリカの掌の上でいがみ合っている、との表現(伊勢崎先生の好きな言い回しですね)。日本全体の国民運動が盛り上がらなければ、他国のような地位協定見直しは難しい。

04/10 09:12
Gasse

こういう内容を非常に分かりやすく、論理的に書かれているのが本書のすごいところ。ロシアとの領土問題まで、このテーマに関わってくるのか!と目からウロコでした。

04/10 09:48
0255文字
やん
新着
伊勢崎氏の他の著書を読んだことがありふと手に取ってみた。非常に読み応えがあった。北方領土問題と地位協定が関連しているとは知らなかった。憲法改正などよりこっちの問題の解決の方が先ではないか。いまだに治外法権がこれほどのレベルでまかり通っているとは。逆に考えれば、アメリカの支配力は凄まじいということだ。日本における地位協定だけでなく、日本が外国に課している地位協定についても触れているところが良かった。
0255文字
香雪
新着
何しろ画数の多い漢字がたくさん並んで、ついつい溜息をついてしまうが、誰が、誰に、何を、どうしたから、そうなって…が理論的に書いてあるので、時間がかかってでも根気よく追えばちゃんとわかるように書かれている。第二章「基地管理権」の中で書かれた環境汚染調査についてと、第三章「全土基地方式」の北方領土の関連、第四章「国連PKO地位協定」の駆けつけ警護について、言葉の言い換えの部分が衝撃的だった。大変勉強になった。今まで聞き流していたテレビニュースも耳に入るようになった。
0255文字
肝胆
新着
読み進むうちにどんどん気が重くなる。日本はいまだに米国(米軍)の「被占領国」同然であるという現実が、淡々と突きつけられていく。表向き条文の改善がなされたように見えたとき、裏では米国言うがままの「密約」が交わされているという絶望感。トランプ大統領が来日の際、日本を主権国家と見なしていないかのように、いきなり横田基地に乗り付けた傲慢と非礼が思いだされた。最後に「保守層へ」「リベラル層へ」と伊勢崎氏の二通りのメッセージが書かれるが、ここでの言葉は刃のように鋭い。本書の結びで著者は言う。「主権を取り戻すのだ」と。
0255文字
Urahomot
新着
米軍がらみの事故や事件が起こるたびに取りざたされる日米地位協定。「敗戦国」ゆえの不平等な協定かと思いきや、同じ敗戦国のドイツやイタリア、あるいは韓国そしてイラクと比較しても、およそ互恵関係とはいえない内容に愕然とさせられる。そしてその不平等の解消には国民が声をあげることが不可欠だ。また、この協定が北方領土問題が進展しない足かせにもなっていること、PKOで海外で活動する自衛隊員が現地で加害者となるような事故を起こしてしまった場合にどのような法の裁きを受けるのか、などさまざまな問題が提起されている。
0255文字
Tsingdao Beer
新着
興味本位で読んでみて、無知とは恐ろしいものであると、我ながら痛感した。最後に著者の伊勢崎氏から保守派と左派、それぞれにメッセージが記されている。真摯に受けとめ、考えなければならない内容です。
0255文字
松田 忠
新着
ネタバレプーチン氏が日露首脳会談で述べた日米間の特別な性格と日米安保上の義務。会談前の読売単独インタビューで述べた日本はどの程度、独自に物事を決められるのかの意味が本書を読むと理解できる。メディアは日米地位協定の全土基地方式を報じないまま領土問題の進展を煽っていたが、自国の未来も自己決定できない国に相手が向き合うはずもない。国民の生命や安全を守るより国民を欺いてでも米国の要求に応えるこの国が一人前の主権国家なのか。政治家は改憲や領土問題の解決を期待させる発言をする前に主権を取り戻す努力をすべきではないか。
0255文字
むらり
新着
「日米地位協定は"沖縄問題"ではなく、日本という国の独立と主権の問題であり、政府が自国の国民の生命や安全に責任をとれるかということや、自国の未来を自己解決できるかということにかかわる国民全体の問題です。」真の主権回復に向けて日米地位協定の改定を実現するには国民世論、国民運動にしていくことが鍵となる。非常に勉強になる一冊であった。左派右派にかぎらず多くの人が読むべき本だと思う。
0255文字
小鈴
新着
【日米地位協定は世界的に見ても極めて特殊】国民の主権がここまで長い間、制限されている協定はない。同じ敗戦国のドイツ、イタリア、元植民地のフィリピン、最近のアフガニスタン、イラクも、そしてアジアの冷戦境界線だった韓国も、アメリカと粘り強く交渉し、自国の主権を回復させ、米軍をコントロールしている。それらの国と日本は何が違うのか。【交渉する意志】ただそれだけだ。憲法九条の有無ではない。九条があっても交渉できる。守ってもらっているから仕方がないという国民の姿勢がアメリカの特権を許している。
小鈴

政権交代して変えようとしたが変えられなかったのは国民の関心が低いからだ(鳩山のやり方にも問題ありますけどね)。00年代には自民党内にも改定の議連があって、その幹事長は河野太郎であった。今は外務大臣なので期待している。

12/02 09:01
小鈴

伊勢崎賢治さんの本を読んで、自衛隊が海外出兵し、ジブチに地位協定を締結しているのだから「軍法会議」を設置すべきだという意見に賛成していたのですが、憲法76条で設置禁止しているんですね。初めて知りました。9条だけでなく76条のしばりがある。 ○軍法会議のない「軍隊」:自衛隊に軍法会議は不要か >>

12/17 09:52
3件のコメントを全て見る
0255文字
淺野 昌規
新着
【国の独立と主権の問題に、右も左もないはずだ。】 (259ページ)
0255文字
全30件中 1-30 件を表示
主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿評価98感想・レビュー30