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倭国の時代 (ちくま文庫 お 30-3)

感想・レビュー
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南北
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日本という国家の形成に中国が大きな影響を与えているという観点から歴史を語っている。『魏志倭人伝』も司馬懿を賞賛するために描かれた政治的な文書であるという見解は興味深く感じた。その一方で『日本書紀』が天武天皇や持統天皇の意向を受けて書き換えられたとする説には疑問を感じた。『日本書紀』は資料の書き換えを行う歴史書ではあるが、天皇と実際に書き換え作業を行う人のやりとりは何度も必要になるはずで、時間的にも現実的とは考えられないからだ。その他、見解に断定的な言い方が多く、盲信するのは危険だと思う。
南北

『魏志倭人伝』に出てくる「一大率」を魏が任命したとする説を松本清張が唱えていたが、著者がこの点を手厳しく批判したようで、連載中の雑誌編集部にクレームが来たそうだ。本書を読む限り、他にもこうした人がいたことは容易に想像できる。

12/21 16:24
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しんさん
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663年の「白村江の戦」まで支那大陸・満洲・韓半島・倭国が一本の糸で繋がっていたことを再認識。後漢⇔倭奴国王、邪馬台国の卑弥呼⇔魏・晋、五胡十六国の宋と謎の四世紀の仁徳天皇、そして白村江の戦いで隋・唐と天智・天武天皇が繋がっていく、何度読んでも楽しい。26歳で「日本学士院賞」を受賞した彼が死去した時、読売の編集手帳に『彼には「嚢中の錐」のたとえを連想する、今度、図書館の間を歩く時には、天才のきらめきを探してみようか』とあったが、次は「倭国」を再読しよう。
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Junko Yamamoto
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日本書紀が持統天皇の時代の「現代史」であったことは100%納得。ただ中国学者によくある中国の影響は過大に見積もりすぎ。日本語が畿内でできたのであれば沖縄九州で日本語が話されている理由は説明できない。 中国人(グローバル化)になりたいと思う日本人は今も昔も少ない。
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fseigojp
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日本は中国だった
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bapaksejahtera
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現代的国民国家の常識からの歴史判断を諌め古代における書物と識字の意義に目を向けさせる。最後に土語たる倭語を日本語に昇華させた8世紀初頭の万葉集を論じ呉音漢音の成立を想起せしめる。やや臆断の気味はあるが中国資料や日本朝鮮の二次資料からの演繹は納得させられる。
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ふぃすか
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初出が連載ということもあり『日本史の誕生』よりまとまってる感じ。それにしても言い切りますよねー。文章が全て断定形。とりあえず発表当時はいろんな人がケンカを売られたと思ったことであろう…。地図を見るとやっぱり半島と列島は近いな。目と鼻の先やんけ。『日本書紀』は純粋に歴史を記すことだけを目的に作られてはいないという話は肯ける。歴史を定めることは正統を定めることでもあるのだろう。伝統や慣例と言ってもそれを最初に始めた誰かがいるはずで、当初は相当新奇なことだったとしてもおかしな話ではないのかもしれないと思った。
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しんさん
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倭国から日本…岡田史観に魅了されました。
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Kazuyuki Kuroki
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独断の誹りに対する回答と思われるが、エビデンスが細かすぎて、却って読むのが煩わしかった。 かくのごとく書中のエビデンスは、文庫読み物としては無用の長物で、飛ばして読むことをお勧めする。 岡田英弘の『倭国の時代』と『日本史の誕生』『倭国』の三冊は、内容が殆ど同じなのでどれか一冊読めば良いだろう。 三冊ともコンテンツ的には大変な名著なのに、同工異曲の本が三冊あるせいで、なかなかそれと伝わらず伝えられず、もどかしい。 内容に含まれる鋭い指摘の数々に関しては、他のレヴュワーに譲る。
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(ま)
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相変わらずばっさりと
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Hiroshi
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日本古代史を世界史の観点から見ていく本。中国史・モンゴル史・満州史を専門とする著者が、今から40年前に書いたもの。13世紀から始まるマラッカ王国の国史「マレー年代記」を見ると、たった1世紀前のことですら、中国に残された記述と全然違う自己に都合よく書き換えていた。このように国史は書き換えられるものだということを前提に、中国の「魏志倭人伝」、日本の「日本書紀」「古事記」、朝鮮の「三国史記」という四大史書の成立の事情を検討し、資料としてどの程度まで使えるかを理解して、東アジアにおける倭国・日本の誕生を読み解く。
Hiroshi

先史時代の朝鮮半島や日本列島では、未だ余剰食糧の生産はされていなかった。旅の行商人が現れ、物々交換のために村に持ち込む遠い国の便利な製品や珍しい産物を見せられ、村人がそれを欲しいと思うことから食糧の生産意欲が生まれる。市場経済が浸透し、余剰食糧が出現し、食糧生産以外に従事する人が生まれ、国家、政治、歴史が生まれる。この行商人が中国商人で、燕国が半島から日本列島迄の貿易ルートを握った紀元前3世紀から始まった。

01/27 21:10
Hiroshi

中国商船が定期的に来航すると、山から人が下りてきて河口に聚落ができた。その中で中国人と倭人を仲介する者が現れ、仲介機能が組織化され、指定交易場や酋長が生まれ、国ができあがってくる。この頃が「楽浪の海中に倭人あり、分かれて百余国となる」だ。奴国・邪馬台国が生まれた。このままだと倭国も中国の一部になりそうだったが、漢の衰退もあり、楽浪・帯方の滅亡により高句麗・百済・新羅が生まれ、4世紀後半に仁徳天皇が出現した。

01/27 21:10
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Zhao
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ネタバレ面白かった。 客観的なのか、筆者の史観なのかはわからないけど、古代史ミステリーとしての諸説をある意味、一刀両断している感じが心地よい(笑) あまり歴史に興味がない人も遣隋使についての隋書と日本書紀の根本的なギャップはやはり説明がつかず、 であるならば、天智天皇以前に「歴史」として教わったことは眉唾っぽいのは納得感があったなぁ・・・
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ピーベリーヴェルジ
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・『日本古代史を世界史の観点から論じたもの』… 中国を正面から見すえない限り、日本の建国史を正当に論ずることは出来ないはず。 ・ 40年前(1976年昭和51年)の原稿である。 ・通説とは大きく違った結論が出てきているので興味深く愉快である^^。
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冬至楼均
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倭国から日本へ。日本書紀と言う大本営発表を眉につばつけて読むべきなのは当然か。
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kyhitsuji
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昭和51年に書かれたものですが、全然古さを感じません。著者の「邪馬台国論争は不毛」「謎の4世紀は謎でもなんでもない。中国側の都合」がとても興味深く読みました。注釈も特になく内容も細かい所まで突っ込んでいるので、やっぱり日本書紀を読んでからこちらを読めば良かったかなという感じです。
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atslave
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面白かったがもともとは昭和51年に出てた本か……しかし、とは言え作者が自賛するだけのことはあって旧さは感じない。諸説紛々たる時代だけに、こういう一本筋の通った論は読んでおくべきなのだろう。某氏のブログに口調が似てるなあと思ったりもした。
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惰性人
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日本書紀に書かれた歴史は、天皇支配の正統性を裏付ける捏造だった!?中国の古文書から真の日本の古代史を探る。
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niguruta
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日本古代史を中国を中心とした商業圏からわかりやすく捉えた一冊。
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讃壽鐵朗
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眼からうろこの古代史
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