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新編日本幻想文学集成 第8巻

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ネタバレ2017年の本。百閒の幻想に、もっていかれた…。
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:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
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ドラマチックではないがとても味わいのある作品の数々。濃い味の外食続きの人が、おばあちゃんのおにぎりをたべてほっとするような気持ち。100年も前の話ではないのにとてつもなく昔の気配を感じる、日本人の心の在り方は大きく変わったのだなー実感した。戦前から戦後と世の中が大きく変化した中で活躍、あるいは自滅していった作家さんたちの心のうちを解説で知ることができた。豊島与志雄さんと島尾敏雄さんは初めて知ったが、とてもはまったのでこれから他の作品も探して読もうと思って楽しくなった(^^)
0255文字
ぐうぐう
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『新編 日本幻想文学集成』第8巻は「漱石と夢文学」と銘打たれ、夏目漱石・内田百閒・豊島与志雄・島尾敏雄の4作家が収録されている。「夢十夜」や「倫敦塔」をはじめ、漱石の収録作はすべて再読となったが、デビュー間もない頃からすでに漱石は幻想小説を積極的に書いていた。そもそも『吾輩は猫である』からして、幻想的設定ではあるのだ(なにせ、猫の一人称なのだから)。言わずもがなだが、漱石はポーの影響を色濃く受けてもいる。内田百閒はその随筆がそうであるように、幻想小説においても、どこか可笑しみを感じさせる作風だ。(つづく)
ぐうぐう

多くの作家が創作意欲を刺激される妖怪「件(くだん)」でさえも、百閒にかかれば、どこか滑稽さが滲み出る(とはいえ、その結末は、様々な暗示に満ちている)。豊島与志雄は未読の作家だったが、女性がとても魅力的に描かれている。しかし、どこか空虚な存在であり(だからこそ魅惑的なのだろうが)、堀切直人の解説によれば、戦争体験により、何かが崩壊したあとの空虚さの中からこそ、新しいものに立ち向かえる構えが生まれるといった考えが、豊島にはあったらしい。なるほど。創作論のようにも読める「猫性」が印象的。(つづく)

03/17 00:26
ぐうぐう

ラストの島尾敏雄は『死の棘』があまりに有名だが、幻想味のある小説をこんなにも書いていたのかという驚きがある。けれど、どの小説も島尾の心理と直結しているように読めてしまう。「むかで」の中には、こんな一文がある。「むかでの足の一本一本が、意志のあるもののように(或いはこれでぼくは審かれているのか)動き出してぼくのからだに這い上がって来たことは、むしろ祝福すべきことではないか。」島尾にとって幻想とは、外部にあるのではなく、あくまで内部にあると言うことか。

03/17 00:27
0255文字
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