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海の彼方より・聖ユルゲンにて (1950年) (岩波文庫)

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新田新一
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ドイツの作家シュトルツの2編の小説を収録。情景描写が美しく、切なさで胸が締め付けられるような美しい物語です。「海の彼方より」は、幼馴染に恋した男性の話。主人公が恋する少女の描写の美しさに魅せられます。不幸な生い立ちながら、お転婆で優しい心を持った人物です。こちらはハッピーエンドなので安心して読めました。「聖ユルゲンにて」はお互いに愛し合いながら、離れ離れになってしまう男女の話です。精彩のある自然描写が巧みで、特にプロットに結びついた燕の描き方が秀抜。悲し過ぎる結末が心に残りました。
0255文字
にゃおんある
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指物師と小間物屋の違い、生活という幽霊が二人を居合わせ、それがまた二人を引き離す。そして青年は燕と共に去っていった。燕は一つずつ小石を摘んで取り除き二人の秘密を掘り起こす、長い年月がかかってしまった。愛のために生きるのか、生活のために生きるのか、青磁色の虚空に跡形もなく消え失せてしまった問い。高く高く聳えた塔からはがね色の翼に思いを載せて恰も瑠璃色の海に注ぐようにスイングする。彼女の菫色の瞳には青年の後ろ姿の残像が、もし再び開くことができるなら、彼が両手をあげて名前を叫び、泪が海のように蒼く横溢して
にゃおんある

白い時間の隙間を埋めてくれたに違いない。

10/13 19:12
0255文字
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