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遺伝人類学入門 (ちくま新書)

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人類学は大別して社会や文化を研究する文化人類学と生物学的な特徴の研究からアプローチする自然人類学に分けられ、本書は後者にあたる。今、分析機器の発達でこの分野の研究がアツイがその原理や分析方法、事例などを挙げてとても分かりやすく書かれている(といっても文系には難しい部分も)。副題のチンギス・ハーンについてはほんの一部しか実は触れられていないが、それを理解するためにページのほとんどを割いて遺伝子とは、DNAとは、進化とは・・・などについて言及している。まさに入門中の入門書。
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YO)))
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遺伝情報はビックデータに他ならないことが分かる。数理・統計的な処理により描かれた系統樹から人類の進化の過程を辿る(「出アフリカ」の時期やネアンデルタール人との混血など)、遺伝子の差異を計量化した指標=遺伝距離から集団間の遺伝的多様性を評価し、男女で異なる移動パターンを明らかにする、など。こと人類の進化においては、自然選択だけでなく、婚姻システムや身分制度などの文化的要因による「社会選択」が遺伝頻度を決定づけている場合がある、というのが本書で繰り返し主張されている肝要な点であろう。
YO)))

動物としての人類の進化、のみならず、社会を営んできた来歴もまた遺伝子に刻まれているのだということ。

09/20 22:53
0255文字
beru
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面白かった。DNA分析によってヒトの起源に迫る話がやさしく語られている。DNA分析の方法や遺伝的浮動の話、系統樹を作る考え方についてなど研究内容を理解するための基礎知識についてもDNAレベルで具体的に説明されており、一般読者に非常に配慮されていると感じた。進化に興味があり進化関係の本も読んでいるが、この本の説明は貴重だと思った。ヒトのアフリカ単一起源説やネアンデルタール人との交雑の話、それから副題のチンギスハンの話もDNA分析結果からどう導き出されたのか語られており、面白かった。
0255文字
けい
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遺伝人類学、という聞きなれない学問分野の本。高校で理系科目に挫折した身としては、目が滑る箇所がかなりあり、読み終わるのに難儀した。 しかし、書かれている内容は興味深く、いずれ基礎知識をつけたらもう一度チャレンジしてみたい。 個人的に収穫だったのは、2014年に高校生物の大改訂が行われたということを知ることが出来たこと。私の学生時代は生物といえば国立文系志望の理科の選択科目、という位置づけだった気がするが、そりゃ20年経てば医学は大幅に進歩するわけで、大改訂もあるよな。
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な
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学術的に人種はなく分類する人によって異なる。進化や変化は内部的、環境的、文化的に起こる。適者生存と自然選択の認識の違いや誤謬、必然でも偶然でも起こりうることがわかった。
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那由田 忠
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いろいろな基礎知識も入れて説明しているのでやや冗漫な感じがする本であるが、斜め読みしながら人類学の進化を確認できる。ミトコンドリアと遺伝子からの人類の系統分類がどうして異なるかの説明は納得できる。問題はそこからチンギスハンの子孫に話をもってくること。p.272に正確な最新結果が欄外に書いてあるけど、関連しているのは4千年前なのでチンギスハンの子孫というわけではなくなってる。今更副題を変えられなかったとは思うけど。
0255文字
Kazuyuki Kuroki
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残念ながらだらだら長いので、途中から読むのを諦めた。NHK『サイエンスゼロ』の当該回を見る方が、時間も短く、理解もできるだろう。
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牙魔
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一般向けの講座のテキストということで大変判りやすかった。知ってる気になっていた用語なんかもおさらいできるし。一方でチンギス・ハンの遺伝子が拡散したとかキャッチーな話題もあり、楽しめました。
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Soichiro
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学生の皆さんどうぞ。
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GASHOW
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中央アジアには、チンギスハンの遺伝子があると言うゲノム解析の結果がある。遊牧民で武闘派だと地域の定住の男を殺して、女性に子どものたねを宿して去って行ったならば、そりゃ遺伝子はひろまるね、チンギスハンの時代の地球の人口は、相当小さいからありえる話だと言う。
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坂津
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遺伝子分析の仕組みや系統樹の作成方法、自然選択説や中立説をふまえた進化論の概説、性別や文化によって異なる人の移動パターンなど、遺伝人類学のエッセンスを初学者に分かりやすく伝える名著。以前読んだ『交雑する人類』は最新かつ世界レベルでの古代DNA分析に焦点を当てた刺激的な著作である一方、遺伝人類学の具体的な研究アプローチについては掘り下げが浅い部分があった点を鑑みると、あとがきの記述通り「科学の最先端」の紹介は限定的な本書と『交雑する人類』を相互補完的に読むことでより一層理解が深まるのではないかと思われる。
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サアベドラ
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遺伝子などから人類の進化や拡散過程を探る研究を広く浅く語った本。著者は北里大学准教授(専門は人類集団遺伝学・ゲノム遺伝学)。2018年刊。カルチャーセンターの講座を元にしたとのことで、わかりやすい反面、繰り返しが多くちょくちょく脱線する。著者の専門の話になると急に詳しくなるところも講座っぽい。本書で遺伝子と人類に関する知識を概説的に得ることはできないが、この学問分野の進歩の速さとライブ感をなんとなく感じ取ることができるという点で、悪い本ではないと思う。
0255文字
pepe
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遺伝子DNAからわかる人類の進化に関する最前線の話題。男系社会と女系社会でことなる遺伝子の広がりがみられることや遺伝子頻度の中立説などは興味深い。
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erie
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日本・東アジアのmtDNA、Y染色体による移住の研究がメインのようだが周辺のトピックもかなり幅広く扱っている。混乱しやすいテクニカルタームや手法の基礎的な原理が丁寧に説明されている。ロジックのフローもスムーズなので、この分野に興味があり、サイエンスの思考に慣れた人にはおすすめできそう。査読システムの解説など、ところどころ筆者の正義感が覗く。あと、たまにおそらく笑いどころであろうことがらが、上品な筆致で淡々と書かれているのがいい。
0255文字
koba
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本書は、人類集団遺伝学を専門とする著者が人類集団の遺伝子のバリエーションの違いから見えるホモ・サピエンス拡散の謎に迫る。ただ、さすがに科学者なので用語の定義に厳密になるあまり、とっつきにくい感がなくはない。それでも徐々に謎に迫りながら仮説を展開する過程は推理小説を読むような面白さがある。終盤は、東アジアで母系ミトコンドリアDNAと父系Y染色体の遺伝距離と地理的距離分布の違いは母系家族か父系家族かによる違いと結論づけながら、別の研究グループによって、チンギス・ハンの血統の影響を提唱される展開は興味深かった。
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pochi_kuma
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内容的にはこれまで読んできたものと矛盾することはない。知識の裏打ちになった。しかし年齢と共に細部までこだわり、理解しようとする力が相当に衰えていることを感じる。
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ろば
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18年刊、全6章、遺伝子分析による人類学の基礎的指南書というところか。最初は理科系の話でほとんど降参、しかし次第に歴史との関わりが登場し親しみが増す。詳しい原理はできていないが、新人が10~20万年前にアフリカで誕生、6~10万年前には全世界に広がった。個人的には遺伝子分析で婚姻形態が推測できるとする点も印象的。双方的とも評価される日本の実態は夫方居住と父系社会の特徴を示し、それは東アジアと共通するという。また琉球やアイヌは東アジアとの親近性が薄く日本列島との共通性が高いことが遺伝子レベルでも実証される。
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インテリ金ちゃん
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遺伝子でこんなことまでわかるとは...とは言え、まだまだ分からないことがたくさん。
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春埜秋岡
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ネアンデルタール人については昔から断続的に記事が出て、書かれていることがころころ変わり、さながら迷えるネアンデルタール人という感じがあった。しかしその印象は、発表された研究成果を一般向けの記事が単純化しすぎて生まれたのだろう。よくあることではある。実際は本書が述べるように、調査の範囲でホモサピエンスとの混血の痕跡が見つからないときもあれば、混血したと考えなければ説明できないゲノム領域が見つかることもあるということなのだな。
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S
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分子生物学や遺伝学の基礎を解説したあと、ミトコンドリア(母系)とY染色体(父系)の遺伝子頻度のばらつきの違いを、社会的慣習や歴史的事象(チンギスハーン?)の説と絡めて読み解く。後者は筆者自身の研究テーマにかかわり、議論が収束しているわけではなさそう。
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belier
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入門ということで遺伝、進化について基礎から丁寧に説明している。研究における考え方などもわかりやすい例で示してくれていたので、科学的発想に直に触れた気がする。日本列島人のルーツについては記述が少なく、最新の情報も盛り込まれていないので物足りないが、それだけで何冊も出てくるようなテーマなので仕方ないだろう。
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はちめ
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分子生物学に関する基礎的なことが判りやすく書かれていて参考になる。人類学にかかわる部分もミトコンドリア染色体とY染色体の変異の分布からの推測も分かりやすい。 ただ、日本人の起源のところで、旧石器時代に日本列島に居住していた人類と縄文人を連続的に捉えない根拠は何だろうか。また、アイヌ民族と琉球人とでY染色体のみ共通することに関する仮説を示してほしかった。など不満もあるがとても面白い1冊だった。☆☆☆☆★
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