形式:文庫
出版社:新潮社
御手洗さんの言葉「自分の子供が加害者、被害者になるなんて親は思っていません。同じ子を持つ大人に言えるとすれば一つだけ。子ども全ては理解出来ないと分かったうえで、理解する努力をしてください。」本当にそう思う。
ブログに記された『バトル・ロワイヤル外伝』では、被害者と同姓の少女が実際と同じ方法で殺される。 ④[きぬ川学院]で少女を担当した精神科医はサカキバラが“母親”と重ねて慕った人。その人生に巻き込まれる事も厭わぬような無私の人のようだが…。 ⑤著者は被害者父=元上司(事件後職場復帰の前に転勤)・被害者兄・加害者父とを、その後永らく取材している。 ⑥事件当日記者会見に応じた被害者父の脳裏には、記者だからこその矜持と家族を守るため、両方の意識が。 ⑦ 加害者父は若くして脳梗塞に倒れ障害持ち。
母親がフルタイム・父はアルバイト、父と過ごす時間が長かった。虐待は…なかったよう。 ⑨事件後両親とも職を失ったが…加害少女の学籍を地元に残すため父親のみ佐世保に留まる。毎月被害者父に手紙を書き続けた。 ⑩被害者兄は…事件当日中3。中学には50日後に復帰し高校進学するが、鬱に苦しみ…中退・不登校を繰り返す。本書では大学を出てなんとか“普通”に暮らす少年が描かれ「少年法が理想とする可塑性の奇蹟をみる」と著者に言わしめているが…。本書タイトルはそんな彼が加害者に向けた言葉で、それは「父を追い越し」た姿であった。
「誰かを憎むのではなく、再生を願う、祈りにも似た」でしたね。
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