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意識の川をゆく: 脳神経科医が探る「心」の起源

感想・レビュー
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tsuki2b
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サックス先生のラスト・エッセイ。「脳神経科医が探る心の起源」と大きな副題がついているけれど、そんなに構える必要はなさそう。ダーウィンと植物の話から始まり、時間の感覚、作られた記憶、聞き間違いなどの話を通して、意識について思い巡らす。動物と植物はそんなに違いがないのかもしれない。
0255文字
YASU
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O.サックス最後の著作。意識、つまりは”心”についての記述である。植物やミミズにも意識のようなものがあるらしい。記憶は心に焼き付いた記録ではなく、想起するたびに書き換えられる物語だ等々。示唆に富んだ文章が続く。ただ、全体に散文的でとりとめがないともいえる。これが心地良さでもあり、養老先生がいうように、科学としてよりも物語として読んだ方がいいのかもしれない。
0255文字
アレカヤシ
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第5章「記憶は誤りやすい」が一番気になった。ジョージ・ハリスンの「My Sweet Lord」の件とか、記憶の捏造とか。今関係している認知症のことも考えてしまう。その他、2章「スピード」、7章「創造的自己」、9章「意識の川」などおもしろい。著者は脳神経科医の視点から、「人間(心・身)とは何か」を探し続けた人みたい。文献からのものもあるが、著者の沢山の臨床例(経験)の記述が、人間の(真実)をなまなましく顕にしていて夢中になる。解説の養老孟司がいう「物語」性が、あたしにも楽しく読ませる理由なのかな?
アレカヤシ

(科学の歴史は──生命のように──やり直したらまったく異なるものになるのだろうか? 思想の進化は生命の進化と似ているのか?・・・ 思想や着想もいきもののように生まれて成長するのだが、それが成長する先はあらゆる方向へと向く可能性があり、全く予測できないかたちで成長が止まり、消滅するかもしれない・・・ 216頁) もしかしたらそうだったかも知れない無数の未出現の人類史に想いを馳せるこの最後の部分は、とても印象的で共鳴するところだつた。

03/30 01:03
アレカヤシ

(タコはある程度飼い慣らすことができ、飼い主はしばしば彼らと共感し、精神的・感情的な近さを感じる。頭足類に関して、「意識」などという言葉を使えば、異論百出するに違いない。しかし、もし犬にはそれぞれちゃんと意識があるかもしれないと認めるのであれば、タコにも認めるべきである 81頁) あたしたち海に遊ぶ人たちには、タコにもイカにも意識があるというのは、意識することもないほどあたりまえの事なのですが。

03/30 01:32
0255文字
踊る猫
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確かな温もりを感じる。書いているサックス自身の息遣いまで聞こえてきそうな……と書くと大袈裟だろうか。私にとって科学は基本的に門外漢のジャンルなのだけれど、サックス(そしてもちろん、訳者大田直子)の平易な文章に誘われてスムーズに読み進めることができた。日頃気になる事柄、例えば体感時間や物忘れや発想ののオリジナリティといった話題からサックスは豊かな学識をソースとして、縦横無尽に連想と筆を走らせる。それでいて嫌味さもクサみもなく、安定感あふれる読み応えを提示してくれる。エッセイのお手本を読んだような得をした気分
0255文字
plum
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オリバーからの最後の贈りもの。ダーウィン;植物学研究「進化科学への道-ラン・ミミズ-」,H.G.ウェルズ;生物学者「タイム・マシン」「新加速剤」時間の流れ→神経学的な速度障害,フロイト;神経学者,脳内に自律性の分離可能な中枢や機能はなく,あるのはむしろ認知作用の目標を達成するためのシステムP91。ウィリアム・ジェイムズ(エーデルマン)「意識を,脳の前部にある記憶のシステムと,脳の後部にある知覚分類に関係するシステムのあいだの,膨大な数の相互作用から生まれるP177 」。
0255文字
やいっち
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サックス最後の本を再読。遺稿集。フロイトの精神分析医になる前の優れた研究者としての実績、ダーウィンも優れた研究者だったことは、彼らの著書も伝記も読んできた自分には目新しくはなかった。でも、改めて研究者としての着実な歩みを再認識した。サックス自身、幼い頃からの、豊かな前史があることは、素晴らしい自伝「タングステンおじさん」で何度となく確かめてきた。解説はサックスとほぼ同年代の養老孟司の手になる。素っ気ないがそつがない。
やいっち

我輩は、サックスファンである。もう新著が読めないのが淋しい。

10/11 00:53
0255文字
はなこ
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サックス先生最後の本。意識や記憶、知覚力(「植物とミミズの精神生活」!)、創造性などについてのエッセイ。植物を愛した人なので植物学者としてのダーウィンへの深い愛情が感じられる。記憶違いや聞き間違いについての話が興味深かったと同時に、自分ではぜったいにそれを見たと信じていることが、実は間違いかもしれないと思うと恐ろしい。殺人や事故などの目撃証言をする立場には恐ろしくてなれないと思った。それにしてもサックス先生にはいつもあたたかい親しみを感じる。
0255文字
takao
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ふむ
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きのこ
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意識に関連する内容を章ごとに書いてある。スピードや時間。記憶の曖昧さや創造における意図しない借用といった内容もある。「意識の川」の章では、意識の神経基盤を視覚脳とし、焦点を当てる。ある知覚は視覚皮質と他の脳の部位とで、相互連絡を行う連合を作る。それが閾値を超えると意識として現出する。視覚はコマやスナップショットのような瞬間の連続体で、動的で流れる意識を作る。これを「原」意識と呼ぶ。それに言語と自意識と過去と未来の感覚を加えたものをヒトの意識と呼ぶ。これが個人的な連続性を与える。●難しかった。
0255文字
にゃんにゃんこ
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面白さ10
0255文字
カバラン
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最後の解説で、全体を振り返れて良かった。サックスの代表作を読み終えた後、また読みたいものだ。
0255文字
Nao520
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意識に関する突っ込んだ本ではなく、意識に関連するトピックを10章に分けてエッセイ風にまとめてある。意識がどのようにして生まれてくるのかについては深くは語られていない。
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Jim the pharmacist
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R.I.P Oliver...
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Uz あなぐま
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図書館の興味のある棚から手にとったのだが、少し難しい。「記憶の誤り」「聞きまちがい」「なんとなく不調な感じ」は興味を保てたが全体にこちらの知識不足だった
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kaho
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あらら…サックスさんて「レナードの朝」「音楽嗜好症」の彼だったのか!! とは、ごめんなさいで 読んでいる最中にやっと気付いた次第。脳神経科学の話はそれだけで面白いのに、それらの著書を書いた彼の 総まとめとも言えそうな最後のエッセイ的この本が 面白くないわけがない!ダーウィンに始まりフロイトを経過して、それらの分野が各々に、あるいは関連しあいながら、どのように視座を設け進展を遂げてきたか、という構成だが、同時に 彼自身がどのようにそれらの過去の知識を愛し尊びながら人生を豊かに愉しんだか、を辿るようだった。
スプーン

あら、そうなんだ(笑)でも黒で良かったかもね。存在感が出て。

05/21 03:00
kaho

うんうん…(笑)!☆

05/21 03:02
17件のコメントを全て見る
0255文字
乱読家 護る会支持!
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目的のない変化が、多様性を生み出す。 人が感じる時間感覚の変化。個人時間と時計時間の差異。 植物とミミズの知覚力。 ダーウィンを信奉した神経学者、解剖学者としてのフロイト。それが精神医学にどう繋がったのか。 人は聞き間違いをし、記憶は誤りやすく、作り変えられ続ける。 教育は体系化され集中的でなければならないが、型にはまりすぎ、物語が少なすぎる教育は、活発で探究心旺盛な子どもの心を殺してしまう。 というような事が書いてあると。。。思います(笑)。。。さっぱりわかりませーーん(汗)
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やいっち
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サックス最後の本。遺稿集。フロイトの精神分析医になる前の優れた研究者としての実績、ダーウィンも優れた研究者だったことは、彼らの著書も伝記も読んできた自分には目新しくはなかった。でも、改めて研究者としての着実な歩みを再認識した。サックス自身、幼い頃からの、豊かな前史があることは、素晴らしい自伝「タングステンおじさん」で何度となく確かめてきた。
やいっち

サックスは、専門家としても優れているが、物理学など他分野の専門家と、突っ込んだ議論もできる素養というか深い造詣のある人。意識や感情が、脳(中枢神経)ではなく、腸などの内臓を含めた身体全体から涌き起こるものであるという、最新の見解をも、しっかり把握していた。とにかく、本書はサックスの世界への入門編としても相応しい。

03/23 21:34
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qbc
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インポート
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jugemu
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遺稿集。進化論のダーウィンが実は植物学者でもあったということに驚き。植物も同じように自然選択による進化と適応をしていること。その一例として木蓮の花(花の色や香りで呼び寄せる蝶やミツバチが進化する以前の大昔からある植物なので授粉は甲虫にたよる)の話は印象的。フロイトがもとは神経学者だったことも驚き。記憶はつねに再構成され新たになることや、創造性のひらめき論、アイデア剽窃のメカニズムなど多岐にわたる論点は有益。養老さんの解説「イギリス人の論文は面白いが、アメリカ人の論文は詰まらない。(つづく)
jugemu

アメリカ人なら、歴史より、現状のデータをコンピュータに入れるはずである。だから物語が消え、世界はだんだん面白くなくなるのに違いない。コンピュータがヒトと置き換わるのは、ヒトがヒトであるくせに、コンピュータのようにばかり、考えようとするからである。」は、いつもながら秀逸で恐れ入る。特に「ホモ・デウス」で洗脳された後だけにこの文章は強烈だ。

11/30 23:42
0255文字
y
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今まで読んできたサックス先生の本とはかなり趣きが違いました。 断片的な科学史のような雰囲気で、章によって読みやすかったり、ページがなかなか進まなかったりしました。 巻末の解説(の本書の解説以外の部分)が面白かったです。
0255文字
mim42
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「レナードの朝」原作者の晩年のエッセイ。期待とは少し違ったが、学校でおじいちゃん先生が授業内容を大幅に脱線して鐘が鳴る、に近い感覚。フロイトのプチ転向的話題とかダーウィンの植物収集とか。
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ケニオミ
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オリヴァー・サックスの最後の著作ということで、我武者羅に手にした一冊です。がんを患っていた著者もこの一冊は最後の著作になることを知っていたと思われますので、余計に期待度がアップしました。しかし、教科書を読んでいるようで、いつものように患者に対する愛情を感じる内容の本ではありませんでした。これできっぱりオリヴァー・サックスも卒業です。
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Machiko
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ネタバレ著者はこの原稿をまとめてから直ぐに亡くなったそう。同じ著者の他の本で読んだことあるような話が多かった気がします。ただ、コレはなかった、肝動脈の塞栓術手術の話。担当医から手術前に術後の辛さについて延々と語られているけども、実際、本当に辛そう…
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アキ
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2015年に亡くなったオリバー・サックス最後の著作。影響を受けたダーウイン、フロイト、ウイリアム・ジェイムスについての小品集。「意識の川」とは動的な流れる意識のこと。印象に残ったのは「タングステンおじさん」で書いたエピソードを実際には見てないのに体験したように記憶していた「記憶は誤りやすい」の項。「あいまいだからこそ、物語を読むことを直接体験したかのように深くたっぷりと吸収できる、記憶は経験だけでなく人との交流からも生じる」という文。物語を読むことは、他人の人生を自分のことのように生きることと同義である。
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cocolate
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結局なんだか『「心」の起源』が何なのかは、読後に記憶が残らなかった・・・。途中でダーウィンとフロイドの本読んでるかと誤認識してしまった。
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turnesol
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 89:フロイトは、失語症の多くの症状に共通しているのは、生理学的というよりむしろ心理学的な関連性のようだと気づいた。失語症におけるいい間違いが生じるのは、正しい言葉に置き換えられて出現しがちな、音や意味の似た言葉と結びつく言語的連想のはたらきゆえなのかも知れない。しかし置き換えがもっと複雑で、同音異義語や同義語として理解できないものが、個人の過去に構築された特定の連想から生じている場合もある。   フロイトが精神分析の発想に行き着く経緯が書かれている。
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