形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:早川書房
(科学の歴史は──生命のように──やり直したらまったく異なるものになるのだろうか? 思想の進化は生命の進化と似ているのか?・・・ 思想や着想もいきもののように生まれて成長するのだが、それが成長する先はあらゆる方向へと向く可能性があり、全く予測できないかたちで成長が止まり、消滅するかもしれない・・・ 216頁) もしかしたらそうだったかも知れない無数の未出現の人類史に想いを馳せるこの最後の部分は、とても印象的で共鳴するところだつた。
(タコはある程度飼い慣らすことができ、飼い主はしばしば彼らと共感し、精神的・感情的な近さを感じる。頭足類に関して、「意識」などという言葉を使えば、異論百出するに違いない。しかし、もし犬にはそれぞれちゃんと意識があるかもしれないと認めるのであれば、タコにも認めるべきである 81頁) あたしたち海に遊ぶ人たちには、タコにもイカにも意識があるというのは、意識することもないほどあたりまえの事なのですが。
我輩は、サックスファンである。もう新著が読めないのが淋しい。
あら、そうなんだ(笑)でも黒で良かったかもね。存在感が出て。
うんうん…(笑)!☆
サックスは、専門家としても優れているが、物理学など他分野の専門家と、突っ込んだ議論もできる素養というか深い造詣のある人。意識や感情が、脳(中枢神経)ではなく、腸などの内臓を含めた身体全体から涌き起こるものであるという、最新の見解をも、しっかり把握していた。とにかく、本書はサックスの世界への入門編としても相応しい。
アメリカ人なら、歴史より、現状のデータをコンピュータに入れるはずである。だから物語が消え、世界はだんだん面白くなくなるのに違いない。コンピュータがヒトと置き換わるのは、ヒトがヒトであるくせに、コンピュータのようにばかり、考えようとするからである。」は、いつもながら秀逸で恐れ入る。特に「ホモ・デウス」で洗脳された後だけにこの文章は強烈だ。
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