形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:双葉社
形式:文庫
形式:Kindle版
それぞれの会社人の秘めた思いを書くことに、情熱を注いでいるように思えた。よくある感動系物語だが、会社人の真摯な描写に、焦点をしぼって描いていれば良作になったような気がする。というのは「文章」というモチーフが、少々幅を利かせすぎなところ(あれくらい文章にこだわるのは作家ぐらいで、作家の一面が顔を出してしまっていた)、主人公の活躍補正がやや強すぎるところ(主人公はやることなすこと上手くいく、他のメンツが何もできない)、ヒロインの榮倉ちゃんが同時にライバルキャラでもあるが、紙屋の引き立て役にされているところ
(主人公に敗北して恥をかかされることも多い上に、ヒロインとしてちょっとした恋の役割もしなければならず、悪役として間違った観念の体現者にされなければならなかったので、とにかく不憫な役柄だった)、といささか欲深な面も出てしまっていて、それが良いところを食ってしまっている。主人公と会社の奮闘記としては良かったが、いささか欲深さが出て鼻につく場面も多かった。
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