形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:岩波書店
ですね。俯瞰できる1冊。
この論旨に従い、日本の幕末期あたりから書き起こされるわけだが、近現代史における相互関係が非常に明確になり面白い。地球規模で俯瞰する超越的存在になったようだ。しかし、岩波ですね。
191頁。義和団戦争は、その後の世界史に重要な意味を持つ「日英同盟」を生み出すことになった。それは日本の韓国への対応に関連していた。ロシアが満州を支配した情勢下において、日本では韓国問題が台頭した。伊藤、山県らはロシアと協調する「満韓交換」論を唱え、満州をロシアが、韓国を日本が支配する政策を目指したが、桂、小村らは、「満韓不可分」を唱え、韓国を確保した上で満州についてロシアと争う政策を掲げ、日英の同盟を目指した。桂や小村は、ロシアは満州の占領ではとどまらず、朝鮮までも進んでくると考えた。
そもそも、イギリスは、すでに日清戦争後、東アジアでのパートナーとして、日本に注目し始めていた。イギリスにとっては独露への対抗のために、日本にとっては対露のために、この協力関係は次第に重視されていった。そこに義和団事件が起き、この出兵で示された日本の軍事力は、アフガニスタンでのロシアとの対立のほか、折から南アフリカ戦争に専念していたイギリスの注目することになった。とくにイギリス海軍は日英の同盟を強く求めた。
ただ、読み通すのに難渋しました。ロシアの太平洋進出拠点、カムチャッカ半島のペトロパヴロフスク港なんて知らんかった……。
レビュー拝読後すぐに買ったものをやっと読みました。
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