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絶望の底で夢を見る (徳間文庫)(Kindle版)

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AICHAN
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Kindle本。石井光太の作品でこれまで読んだのは『蛍の森』『絶対貧困―世界リアル貧困学講義』『遺体: 震災、津波の果てに』『虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか』などだ。みな素晴らしいルポルタージュや小説だが、この中で最も衝撃を受けたのは『蛍の森』。小説とはとても思えない現実感があって衝撃を受けて2回も図書館から借りて読んだ。今回選んだこの作品は、石井さんがこれまで出会った社会的弱者たちとの交流を短い文章で次々と綴っているものだ。そういう経験をたくさんしてきたから今の石井光太があるのだと思った。
AICHAN

「社会でのし上がって偉ぶるより、一人の人間として優しさを持つ方がはるかに大切だ」だという石井さんの言葉が今でも頭に残って離れない。私の勤める会社には「俺は弘前大出だ!」と威張る男がいる。国立大学出だということが彼の自信の源になっている。弘前大学の偏差値を調べると日大とほぼ同じなのだが、そんな現実を彼は知らないようだ。社会に出てそれなりのポストまでのぼった。それはすべて俺が努力したせいだと言って自慢する。そして弱者たちを「努力が足りないからだ」と見下げる。その傲慢な態度を見ていると哀れを感じる。

12/16 11:01
0255文字
タバサ
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 石井光太さんの著書は何冊か読みました。どれも取材力と筆力を感じられ、現実が迫ってくる文章に圧倒されます。この本は、それらの取材活動の断片を切り取って、自伝的な要素も加わった著書です。どちらかと言うと客観的より主観的な文章で、他の本と比べ著者の人柄が滲み出でていると思います。どのエピソードも深く、充実した短編集です。
0255文字
oanchan
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親に虐待されて自殺を考える人、生活保護で生きて将来に絶望する高齢者、性的なオモチャにされて生きるしかないインターセクシャルの人、何かしらの事件にならなければ、私が知ることのなかった人生の一編がこの本にはあった。どうすべきとかでは無く、こんな人生があることを知るだけでいいのかもしれない。
0255文字
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絶望の底で夢を見る (徳間文庫)評価100感想・レビュー3