読書メーター KADOKAWA Group

感想・レビュー
5

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
てれまこし
新着
ミュラーの本で批判されていたラディカル・デモクラシー論の理論家。ポピュリズムとは社会に認められない諸要求を束ねる空虚なシニフィアンである「人民」を用いて政治的主体が構築される政治的論理であり、民主主義はポピュリズムなしでは存在しえない。いな、ポピュリズムこそが政治の論理。冷戦後の(新)自由主義一強に抵抗するための政治理論だが、そのために「労働者階級」を特権化したマルクス主義もまた乗り越えれないとならない。多様な声なき弱者たちを「人民」の名の下に糾合して「人民の敵」を叩く政治、行政とは区別される根源的政治。
てれまこし

「人民」は政治に先行しない。政治によって作られる。「ない」ことにされてるのに「ある」もの、ゆえに言い表せないものを指し示す名が空虚なシニフィアン。だが、そうやって閉じられていた社会の門戸が満たされない諸要求に門戸を開かされる。いかなる閉じられた体系も要求をすべて充足しえない。だから政治は「閉じる」ことと「こじ開ける」ことの繰り返し。その力を得るためには個別的な諸要求を束ねるものが必要で、その代理となるものに人々は感情投資を行う。だから概念や論理ではなくて、情念とかレトリックがないと民主的主体が構成されない

01/06 12:13
てれまこし

マルクス主義の限界を突破するために、ラクラウは言語論、精神分析、グラムシなんかを節合して、見事な理論を構築してる。「行政とは異なる」政治とは何かとか、政治における情念とレトリックの役割とか、秩序と変化の関係など、政治における知識人の役割など、自分が関心を抱いていたようなものが、一つの理論に収まっててびっくりした。しかし、理論は理論。これを現実に適用するとどうなるかちょっと不安。ラクラウの場合はアルゼンチンのキルチネル政権への協力という形をとったけど、どんなポピュリズムだったら支持する価値があるのか。

01/06 12:20
0255文字
川獺
新着
読んだだけ。さっぱり分からん。
0255文字
Minoru Hanada
新着
図書館利用。ほとんど読めず。
0255文字
肉欲棒太郎
新着
ラクラウはジジェクを「解放の主体の理論を何一つ提供できない」と批判するが、ではラクラウはどうか?「人民」的主体の構築は、誰が担うのだろうか?グラムシならそれは「党」ということになるだろうが。
0255文字
BLACK無糖好き
新着
原著は2005年刊。差異の論理、等価性の論理、不均質な諸要素を節号する論理、空虚なシニフィアン、ヘゲモニー等をキーワードに「ポピュリズム」の概念構築に関する難解な議論が展開される。山本圭教授の解説で少しは本書のエッセンスに触れられた気もする。著者は、ポピュリズムは単純に言えば政治的なものを構築する一つの仕方だという。反グローバル化運動での新たな人民アイデンティティの形成に、ポピュリズムが寄与するという考えも根底にありそうだ。地球温暖化や世界的な経済格差の解消にもポピュリズムが効力を持てるだろうか。
0255文字
全5件中 1-5 件を表示

この本を登録した読書家

ポピュリズムの理性評価48感想・レビュー5