読書メーター KADOKAWA Group

鉄条網の世界史 (角川ソフィア文庫)

感想・レビュー
20

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
sekaisi
新着
張り方にもいろいろあるらしいが記述なし
0255文字
らふぃん
新着
⑦ヒトの残虐行為、読むのが結構辛い。ヒトによってはトラウマになるかも
0255文字
―
新着
「オーストラリアのアナウサギ」
0255文字
やっし
新着
鉄条網、実際にはあんまり見たことがないと思う。それとも見てても気にしてこなかったのかとも思う。 鉄条網の発明と発達、使用目的の変遷。シンプルなものだからこそ、使用される場面は多く改変されて利用される。シンプルかつ強い暴力性。
0255文字
Э0!P!
新着
野生の探偵たちで、鉄条網が修道女によって開発された説があり、読んでみたが、根も葉もなかった。有刺鉄線自体の歴史というよりは、有刺鉄線を手に入れた人間が何をしたかを書いている。牛を閉じ込めていたときは、ただ荒廃した土地が砂埃を巻き上げて町を飲み込むだけだったが、今度は人そのものを囲い込むようになる。ぐるっと一回り巡り。いとも容易く収容所ができあがる。イギリスが、ドイツが、アメリカが、カナダが、セルビアが、強制収容所を立ち上げ、拷問、強姦の果てに、餓死、凍死に追いやった。日本は有刺鉄線を使いこなせなかった。
0255文字
SAKU
新着
ネタバレ 紛争地域、立ち入り禁止区域などにある鉄条網。その歴史を辿る興味深い一冊。そのスタートは、家畜の放牧だった。それが戦争における防御兵器となり、人間を閉じ込めるための隔離施設となり、そして原発事故現場の立ち入り禁止の目印となった。途中途中、隔離、虐殺、拷問、植民など惨たらしい人間の負の歴史が語られているが、そこに目立つことはないが、さりげなく鉄条網の存在がある。本書中、鉄条網に人間の欲望が垣間見えるという記述があったが、何かそれも分かる気がする。今後どこかで、鉄条網をみたら、本書を思い出しそうな気がする。
0255文字
活字スキー
新着
新聞記者、国連職員、大学教授等の職歴を渡ってきた著者による2013年刊『鉄条網の歴史』を加筆・改題した文庫版。タイトルをより丁寧にするなら『鉄条網に彩られた暴力の歴史』といったところか。鉄条網。それは極めてシンプルかつ低価格、軽量で取り扱いも簡便にして、効果的にその場を「分断」する世紀の発明。それはマニフェスト・デスティニーに沸く西部開拓時代のアメリカで生まれ、またたく間に世界各地、縦横無尽に広がっていった。
活字スキー

フィクションでは冲方丁『マルドゥック・アノニマス』でも、跋扈する悪党共を文字通り「仕切り」、パワーゲームで勝つことではなくゲームマスターとして君臨するための手始めに選ばれたのがフェンス業者を乗っ取ることだった。現実ではお騒がせ大統領として歴史に名を残しそうなトランプもまた、大統領選の時から「壁」を建設することを公約としていた。「壁」は「こちら側」にいる人間の自由や利益を守ると同時に、「向こう側」にいる人間からそれを奪う。

01/27 00:11
活字スキー

戦争や民族対立、自然破壊等々、人類の黒歴史をうんざりするほど堪能した最後の章では、鉄条網によって隔離されたからこそ見えてきた希望(のようなもの)が紹介され、つくづく現実の複雑さにうなるしかない。アメリカやアフリカの先住民が長き苦難を経て解放された時には、侵略者の手によって故郷の地は跡形もなく蹂躙し尽くされていたのとは逆に、チェルノブイリ近郊や朝鮮半島のJSAは人が立ち入れなくなったことで驚くほど豊かな自然を取り戻しつつある。福島の復興はどこへ向かうのだろう。

01/27 00:12
3件のコメントを全て見る
0255文字
S_Suzuki23
新着
鉄条網は、人類の「分断」の象徴かつ道具であり、人間と自然の「分離」のツールでもある。
0255文字
このこねこ@年間500冊の乱読家
新着
⭐⭐⭐⭐ 動物たちを囲う目的で作られた鉄条網が、第一次世界大戦で人に使われ、ナチスの強制収容所やアパルトヘイト、最終的にはチェルノブイリ原発の封鎖にまで使われたという歴史を描く。 鉄条網の歴史は物理的・精神的分断の歴史。 予想以上に深い本でした。
0255文字
kawasaki
新着
原著2013、加筆文庫化2019。鉄条網(有刺鉄線)というモノから歴史と現代社会を見ていく。比較的身近にもあるような一つのモノの発明が、社会を変え産業を変え認識を変え環境を変えていく様は、藤原辰史『トラクターの世界史』(2017)と少し似た読み心地。ただ、人間の分断や「排除」の暴力を論じようとする指向が前に出て、鉄条網そのものがあまり語られない部分も多い感。記者や国際機関職員といった経歴を持つ著者(石弘之氏)の経験談も興味深く、アフリカで鉄条網に引っかかった話などは怖さを実感できる。
0255文字
Nさん
新着
鉄条網に関連した歴史のあらましを知る。西部開拓の主役として、安価で効果的に大面積を囲う目的で発明された鉄条網。だが「悪魔のロープ」とも呼ばれた発明が、バッタの大発生、砂漠化の主因に一役買っていたのだ。また鉄条網のもつ暴力性は戦争及び付随する強制収容で発揮された。アウシュビッツ、南ア隔離政策、ユーゴ内戦、原住民隔離など様々な残虐行為に鉄条網が利用された。また逆説的な効用として、チェルノブイリや朝鮮38度線地域では、鉄条網による人間の排除が自然の回復に繋がっているという。著者の国際的な知見が詰まった良書だ。
0255文字
オタダオ
新着
鉄条網自体は140年来変わらないシンプル構造なので開発史といってもそんなに掘り下げることはない様子。本書の2/3くらいは近現代史授業のおさらい。私はむしろそっちのがためになった。国家の名のもとに悪辣の限りを尽くしていた実例がこれでもかと開陳されている(鉄条網の存在感やや薄だけど)。今でこそ悪辣と感じるが当時は「正義の行使」だったと思うとなんとも重い気持ちになる。人間は当時より賢くマシな生き物になってるんだろうか。鉄条網で人間が入ってこれないように保護された自然がぐんぐん回復するのはさもありなん。
0255文字
リュウジ
新着
★4 誰もが知る鉄条網。最初のそれは生産性を一気に向上させる、まさに歴史を変える画期的な発明品。自然と動物を隔てる便利な道具として使われ始めたそのツールが、その利便性により、戦争時の最も安価な武器となり、さらには人を閉じ込める役目を担い、やがては危険な区域へ人が立ち入らせないためのモノへと変化していく。単なる道具史ではなく、著者がいろいろなところで手に入れた知識を毛細血管のように鉄条網と結び付け、鉄条網とともに生きてきたさまざまな国と人類史の光と影を描いてしまうのだから、さすが石先生。やっぱり面白い人だ。
リュウジ

追記>石先生はかなり昔に1度(正確には1泊二日)だけ打ち合わせでお会いし、1年ちょっとお仕事でご一緒させていただいた。すごくおしゃべり好きで、ごく短時間しかお会いしていないのに、たくさんのことを教えていただいた。また、氏が著された何冊もの環境史やレポートは、自分の「人と自然」、「人とエコロジー」に対する考え方のベースになった。思えば、自分の人生のなかで最も影響を受けた方のうちの一人。最近、「感染症の世界史」で脚光を浴び、お元気なのをみてうれしくなった。

05/12 22:14
0255文字
リキヨシオ
新着
何の変哲のない「トゲ付き鉄線・鉄条網」は開拓時代の米国で誕生!当初は牧場の家畜を囲う目的で発明され、安価で効率的で大量生産可能になったの背景に需要が広がる。鉄条網の普及によりカウボーイの激減…だけにとどまらず、草原などの本来の生態系のも変化をもたらした。鉄条網は戦争にも登場する。敵兵の侵入を防ぐ防御の役割を果たす。強制収容所などでの強制的な人の収容、国境における国と国の分断…農業から軍事や隔離…鉄条網が世界史に及ぼした大きな影響に驚いた。
0255文字
haora
新着
0255文字
Desire Knowledge
新着
鉄条網自体の世界史というより、鉄条網の関わった暗い歴史総集編。アメリカ発展史と環境破壊なんてあまり知らなかったので良い勉強にぬった。しかし、抜粋しているとは言え、何と暗い歴史の多いことか。漫画や小説よりひどいし、漫画や小説じゃないので報いを受ける事もない悲しさ…。
0255文字
読書熊
新着
鉄条網そのものよりも、鉄条網の利用法や、それを規定する世界史的文脈を取り上げた本。ある意味で脱線が多いけれど、戦争史や差別の歴史を概観するにはちょうど参考になるノンフィクションだと思います。
0255文字
しんこい
新着
子供のころバラ線は痛くておっかないものだったが、まったくその効果が有効で、農場から戦場、収容所、国境といたるところで使われる。ローテクだが、発明品でもあるのだ。鉄条網は狂言回しで、内容は現代史、それもえぐい部分。マフィアとか犯罪組織は出てこないが、使わなかったのか。
0255文字
4fdo4
新着
鉄条網を「威圧的」だったり「ダーク」と感じるのは私だけではないはずだ。鉄条網(有刺鉄線)は1874年にアメリカで生産が開始された。当初は西部開拓時代であり、広大な土地で農作物を家畜から守る為に考えられた。木材の不足や金属線だけではバッファローに突破されたりなどの事情があった。この発明が、先住民族の隔離という「人と人の隔離」へ使われ、戦場では防衛線となった。本著の後半のテーマになる国境分断や強制収容所の歴史は、国連勤務経験のある著者の視点と知識が盛り込まれるが、鉄条網本来の歴史からは逸れていく。
0255文字
inarix
新着
妻の花壇が家畜に荒らされるのを防ぐために、ひとりの農民の善意で開発された「トゲ付き鉄線」。鉄線にトゲとなる短い鉄線を巻きつけただけの、この単純なローテク製品が、その後150年の人類の歴史に絡みつく――。家畜を囲うために発明された道具が、やがて効率よく人間を囲い込むものへと変化していく。それは必然だったのだろうか?それとも、鉄条網のない世界は、今よりもっと豊かになっただろうか?鉄条網に囲われて、人も家畜も立ち入ることのなくなった場所に自然がよみがえることの意味を考える。鉄条網ごしに見る世界は、灰色だった。
inarix

今月のカドブンでは、こちらのレビューを書かせていただきました。https://kadobun.jp/reviews/581/cc764ebb

01/15 00:08
inarix

じゃがーさん、著者のみなさんには失礼かもしれませんが、「ニッチなジャンルで細々と」が私には合ってるんです。こっそり。

01/16 22:41
0255文字
全20件中 1-20 件を表示
鉄条網の世界史 (角川ソフィア文庫)評価77感想・レビュー20