読書メーター KADOKAWA Group

キャラメル工場から―他十一篇 (1959年) (角川文庫)

感想・レビュー
3

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
NICK6
新着
ネタバレキャラメル工場から)つかみどころ無く、生起しても消滅し、またぶり返す感傷の澱み。情況の闇、底の底でなんとか立ち尽くす少女の顔が哀しい。瞬間の無表情、沈黙に背中に隠れてしまう純情。職場カーストで砕かれる小学五年生の矜持、なんとも身につまされる。極寒で赤く腫れあがった手。貧窮の家。適当に冷酷で適当に優しい父。工場で働け。工場辞めろ、つまりやり場がないのだ。どんな感情も、はじまりに舞い戻ってしまう苦しさ。鎮められてしまう怒り。矛先ないのが、果てしなくむごい。そして表題。キャラメル工場っ?。キャラメルって...
0255文字
紅はこべ
新着
昭和初年。プロレタリア文学は最盛期にさしかかろうとしていました。その勢いに乗り多くの芸術派作家たちが左翼文学へと転向していく。つまり左翼文学運動は労働の中から生まれたものではなく思想から生まれたものであり運動の大部分は労働者の生活も農民の生活も経験したことのないインテリゲンチャ(知識人)を中心とし「これこそが共産主義思想の正体」であった。そんな観念(理想)論やスローガンや憎悪だけを拠り所にした左翼文学の中で実際に労働者を経験した佐田稲子の作品は唯一「プロレタリア芸術」と呼べる作品だったのかもしれない。。
紅はこべ

プロレタリア文学の伝説と呼ばれる佐田稲子の『キャラメル工場から』が発表されたのは昭和3年。5~10分で読める短編小説ではあるけれど教育らしい教育も受けず特別な文学修業もしなかった若い勤労女性が書いた立派な小説。それは同時期のインテリ女性を代表する宮本百合子とは別次元の芸術作品でもあった。。

06/02 18:36
0255文字
志保
新着
キャラメル工場からだけ読んだ。プロレタリアなのか?つらい
0255文字
全3件中 1-3 件を表示

この本を登録した読書家

loading...
キャラメル工場から―他十一篇 (1959年) (角川文庫)評価75感想・レビュー3