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開高健短篇選 (岩波文庫 緑 221-1)

感想・レビュー
18

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トレイルかめ
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文庫が、詩的である 情景が、浮かびやすい 小説、ルポジュタールお腹いっぱいの短編集
0255文字
Kanako OZAKI
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高校生くらいのころ、開高健のエッセイやルポたくさん読んだけど小説一回も読んでないからと、試しにこちらの短編集半分(250ページ)くらい読んで挫折してしまった。文章うまくていい感じなんだけど、内面で進行するお話が多く、実際の物語に動きがあまり感じられなくて、ちょっと辛くなってしまった。またルポとかエッセイとかの方を再読しよ。
0255文字
Mark.jr
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エッセイやルポルタージュと小説・フィクションの境界が失くなっていくベトナム戦争もの以降作品の方が圧倒的良いというか、自分好みなのですが。こういう作家の変遷が分かるところが、短編選集みたいなものの良さですね。
0255文字
Eiichi Hara
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大岡玲が選ぶ開高健による11の短編。何度も読んだ作品も、組み合わせや並び方が違うだけで新鮮さが蘇る。選者による解説も秀逸。「神に代表される絶対値を持つことなく、みずからの生命感のみを頼りにした手探りをするという、壮絶なあやふやを彼は選んだ。それを律するには、結局苦行という方法論以外ない」という解説は、開高自身の「書くということは野原を断崖のように歩くことだろうと思う」という言葉と呼応する。
0255文字
ドラマチックガス
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面白いけど、重い。年度末年度始めの疲弊した頭にはきつく、一時中断。再開しどうにか読み終える。全般にとにかく「臭い」。臭いの描写がとにかくお見事だった。現代に表れたら、非難轟々になってしまうのかな。痛烈な天皇批判、戦場ルポ(しかも一時行方不明)、明示はされていないけれど買春(少女を含む)を匂わせる描写…ただやはり、説得力、重みは桁外れ。解説で、開高健の戦場ルポに対し三島由紀夫が「想像で書いたなら立派だけど実際にみてきたならそれは作家のやることではない」みたいな批判をしていたことを知り、こちらも目からウロコ。
ドラマチックガス

この本の大きな収穫は、表紙の「Ken Kaiko」というサイン。子どもの頃から周りの人が「かいこう けん」と呼んでいたのに、この歳になって読み始めたら「かいこう たけし」とフリガナがふってありかなり困惑しておりました。本名は「たけし」、ペンネームも「たけし」だけど、「けん」と自称することも多かったし、多くの人(少なくとも親とタモリ)は「かいこうけん」と呼んでいた、ということで。その方がリズミカルだし。

04/22 01:25
0255文字
CMYK
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デビュー作から遺作まで、作家の変遷がたどれる豪華な11篇。肩に力の入った初期作よりも、外国に出かけだし、文体・素材ともに自在になる中期以降の方が楽しめた。ただ、戦後間もない社会の猥雑さと書き手の躁鬱気質が滲む「なまけもの」は不思議とあとに残る。アウシュヴィッツで得た異様な感覚とアイヒマン裁判から考察を深める「森と骨と人達」が私的ベスト。ベトナム体験を基にした「兵士の報酬」「貝塚をつくる」「一日」も鮮やかだし、「玉、砕ける」は解説にある通り名篇。食べ物もさることながら、酒の描写が流石に水際だっている。
CMYK

メモ:「酒精のキラキラ輝やく、うるんだ、明るい霧のなかで聞く言葉は、しばしばその場では閃光か啓示のように浸透もし、刺さりもするのに、ときには全心でふるえつつ聞き入ったりすることもあるのに、たった一夜明けただけで泡のように消えてしまう。ありがたくもあり、不気味でもある」(「掌のなかの海」525頁)

01/14 18:42
0255文字
niki
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パニック/よくこんな話を思い付いたな。 巨人と玩具/広告会社の奮闘。「かぎられた面積のなかでの陣取りごっこ」日本経済そのもの。 裸の王様/教育における絵画について著者の博識を感じる、ラスト、もっと意地悪くすることもできたのに。著者は優しい。品格があるのかな。 ★なまけもの/ラストが気持ちいい。沢田は私のよう。堀内のように生きたい。 森と骨と人達/アウシュビッツと真摯に対峙している。 玉、砕ける/垢すり師のアイヤーというつぶやきに爆笑。垢の量がすごかったのだな。 ★掌のなかの海/この男性の生き方がいい。
0255文字
ぽかぽかキュン
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ナショナリズムは食卓と戦場で発露されると抑制を知らなくなる。(422~423ページ)
0255文字
みっちょん
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山﨑マリさんのエッセイで知った作家さんです。そのあとすぐ別の書籍でもお名前を知り読んでみました。とても50年以上前に書かれたお話とは思えず、人物の描写、なんとも言えない心の内、ありありと目の前に表れてきます。選書なので書かれた時代にはばらつきがあります。時代や古さも全く感じず沢山の方々が好きと言われているのが納得です。すごい☆お菓子業界の中味のいうか裏側のお話に匂いさえ感じてしまいました。ただ老眼がススムワタクシ目には細かい字が辛かったです(笑)
0255文字
みわーる
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ほとんどの作品が、人生のどこかで読み、吸引し、呑み込んだはずの短篇だったが、それでも読書中になんどもうめいた。熱を発して、血が踊る。行に走るエネルギーにぶっ倒される。ああ、開高サン、愛していますー。
0255文字
し
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解説にあった、「ひたすら、''外へ!''という志向で文体を工夫する、素材を選ぶ」つまり自分の内側に入るのが怖いのでひたすら外界の事物や社会に目を向けたというのが興味深かった。 作者の経験に基づいて出来事を綴っているはずなのに、読んでいて登場人物の心情描写を抑制しているような印象を受け、こういう種類の文章もあるのかと新鮮な気分だった。しかしすべて内面が排除されているわけではなく、自分のいままで読んだことのないタイプの文体に出会えたと思った。「パニック」、「裸の王様」、「飽満の種子」、「掌のなかの海」が好み。
0255文字
ぷるいち
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面白いが、さすがに古い。若い時の作品は精緻ながら、テーマや展開が結構ベタで驚いた。なんというか、ドラマの筋書きっぽい。昭和っぽい。 ベトナムに渡ったあとのエッセイの方が何倍も面白くて、特に大富豪と釣りに行く「貝塚をつくる」が白眉。
0255文字
AttilaTaro
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開高健、初めて読んだけど小説は非常に面白かった。痛快で単純に楽しめる作品から、気怠げな空気感が充満する作品もあり、その振れ幅も魅力と感じた。
0255文字
シングルモルト
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ネタバレ「パニック」「巨人と玩具」「裸の王様」は再読。昭和三十年代のエネルギッシュでどこか疲れたような社会でもがく人達が描かれている。「なまけもの」では戦後の生き馬の目を抜くような生活が現代人の僕には新鮮に感じられる。「森と骨と人達」では日本の戦争とヨーロッパのそれについて、「兵士の報酬」「飽満の種子」「貝塚をつくる」「一日」はベトナム戦争について、それぞれの国民性の違いに首肯するところがあった。「玉、砕ける」は中国の小説家、老舎の死が静かに語られ、「掌のなかの海」では息子を探す友人の姿が痛ましい。どの話も良い。
シングルモルト

巻末にある大岡玲の解説が分かりやすい。読み終えて満足のため息が出る本だった。

10/26 08:48
0255文字
藤月はな(灯れ松明の火)
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新潮社での『パニック・裸の王様』で読んだ作品、多し。「なまけもの」の現状に適応できない自分への惨めさや軽蔑していた相手の方が上手・若しくは高潔だったという事実に打ちのめされる描写が時を超えても身近だ。だからこそ、そこから思い知らされた失望が生々しい。そしてベトナムでの生活を描いた短編集が素晴らしい。特に阿片を吸っても思ったような、幸福感は得られないという「飽満の種子」の虚無から得た確信が跡を引く。
0255文字
禿童子
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物故作家の作品集を手に取ったのは懐かしさからくる感傷かもしれないが、切れ味の鋭さはいささかも衰えず、不覚にも私の胸を容赦なくえぐった。初期の『パニック』『巨人と玩具』『裸の王様』は、自然・世間・俗情への告発の刃とそれがブーメランのようにかえってくる自己嫌悪の苦さが内面を排した観察の文体で刻まれている。アウシュビッツとベトナムに乗り込み、人間の卑小さ、暗さ、死の接近、おびえを「考えるのではなく感じた」ままに描くために、直喩や暗喩や飛躍が横溢する「豊饒な虚無」と言うべき開高健の文体が生まれたのではなかろうか。
0255文字
chiro
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開高健の短編11を選集として編んだ作品集。初期のものが多いがすでに彼独特の描写力が発揮されており知らない間に物語に引き込まれている。特に食に対する描写は圧倒的な巧みさで余人をもって代え難い。また、戦地に赴いてのルポルタージュの如くリアリティのある作品も彼の真骨頂でこの短編でもその成果を目にする事ができる。まさに、唯一無二のオリジナリティ溢れた作家である事に今更ながら感心させられた。
0255文字
haikaino
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「一日」がたしかによかった
0255文字
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開高健短篇選 (岩波文庫 緑 221-1)評価72感想・レビュー18