読書メーター KADOKAWA Group

漢字の字形-甲骨文字から篆書、楷書へ (中公新書 2534)

感想・レビュー
19

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
預かりマウス
新着
漢字の歴史の総説については序章と終章で簡単に扱われるだけで、内容の大半は、個々の漢字の字形の推移の説明である。殷代の甲骨文字から、西周代の金文、東周代の簡牘文字を経て、秦代の篆書、漢代の隷書、現代に通ずる楷書の字体を、異体字も多く含めて時代順に一覧表にして解説するスタイルである。基本は1字につき見開き2ページ。個々の漢字の字形の変遷はよくわかるのだが、個人的には個々の漢字の成り立ちよりも、他の文字との比較や漢字全体に共通する傾向等、もっと総説的なことが知りたいと思った。
0255文字
あずさ
新着
再読です。
0255文字
矢切複眼斎
新着
近代になって一時流行った思想により漢字の解釈が歪められていたこともあったらしい。なんともひどい話だ。しかし、純粋に学問の対象としてみた場合、漢字ほど興味をそそるものはない。書きやすさ読みやすさと美的感受性とのせめぎ合い、統一王朝の誕生による復古的運動とそれに付随して紛れ込む誤解など、文化的進化のあらゆる特徴がてんこ盛りだ。特に、主たる媒体の交代による字形の変化は漢字の大きな特徴だ。漢字は文化進化研究の宝庫と言ってもいい。そんな漢字の面白さをこの本を読んで再認識した
0255文字
Fumitaka
新着
«Китайские иероглифы»(中国のヒエログリフ)の成り立ちについて『殷』の落合先生が甲骨文字から今に至るまで解説。「『新字体』と『旧字体』は、必ずしも字形の歴史の新旧ではない」(p. 177)とある通り、漢字についても様々な紆余曲折があり、どうも略字とかの方が場合によっては本来の表象文字としての意味を残している場合とかもあるとする。「画」には周代には「周王」と書き込まれていたが周の没落後に「田」に変わったとか(p. 181)。現代日本人が古代中国にタイムスリップしても判別は難しそうだ。
Fumitaka

王様の一人称で「余」とか「予」とか色々あるが、「余る」に関しては「餘」が本来の形で、先の二つが両方とも本来は一人称であったとのことである(p. 164)。なおヨーロッパ系だと王様が「我々」と自称するらしいことを俺はサンティアゴ・カリーリョの伝記で知った(Paul Preston, ‘The Last Stalinist: The Life of Santiago Carrillo’, Harperpress, 2014, p. 334)。「サイ」も触れられ(p. 161)、今後の研究の進展が望まれる。

06/19 16:40
Fumitaka

あと「礻」と「衤」の成り立ちが違うとか。これでもう俺は間違えないだろう。英語とかでも語源が何かとか示されると覚えやすい。どうも自分は設定オタクの気があるのである。

06/19 16:55
4件のコメントを全て見る
0255文字
DRYM_8
新着
淡々と各漢字の推移を説明している本。以前博物館で、甲骨文字の実物を見て漢字の成り立ちが気になって気になって借りました。ピクトグラム…!!
0255文字
A.Sakurai
新着
字源の研究といえば白川静さんだが、本書の著者は白川静の名前をつけた研究所の所属なので直系ということになるのか。著者の甲骨文字の研究成果から殷の歴史を概説した新書も面白かったのだが、本職は文字の方のようだ。最新の甲骨文字の研究から字源を当たり直していて、今までとは異なる解釈も多いという。そうだろうなぁという予測がつくものから、全く想定できないものまで、百近くを解説している。そうそう、「百」は「白」と発音が近かった当て字で、数の一を付けたものだそうだ。
0255文字
緑虫
新着
★★★ 甲骨文字の時代に元々表されていた形を残そうとする圧力と字として体系的に形を統一しようとする圧力の間でそれぞれの文字が形作られた。たまたま手に取った本だけどけっこう面白かった。
0255文字
あずさ
新着
ネタバレ白川静先生の書籍もですが、時々無性に読みたくなるのです。殷の甲骨文字が、周から秦の金文、篆書へ。字形が変わっていった過程と元の意味を辿ることに、大変興味があります。「人」は一人で立っている…「馬」はたてがみが重要、など。古代人の思想のかけらが窺えます。
0255文字
Yoshiko
新着
甲骨文字から楷書まで字形の変化がよくわかる。思いがけない変遷をした文字もある。異と共の共通点と違いとか。衆の「上から目線」とか。 白川静も何冊か読んだけれど、この本を読みながら、自分はなぜ漢字に惹かれるのだろうと考えた。筆者は、漢字は「古代からのタイムカプセル」だと書いている。たぶん、漢字を通じて古代の人々とつながっている感じ、彼らの思考が自分の中に流れ込む感じがするからだろう。人間社会の成り立ちに思いが及ぶからだろう。
0255文字
shouyi.
新着
「漢字は古代からのタイムカプセル」という項目が最後尾に配されているが、ここまで読んできてなんら突拍子もない記述であると納得した。漢字の語源を丁寧に述べる書だが、最後まで飽きることなく読むことができる。 筆者は白川静の弟子にあたるのかな?白川さんの本を読んだ時のときめきは今も忘れられないが、落合さんのフラットな視線にも静かな感動をもった。
0255文字
ハル牧
新着
著者の講義を大学にて受講したことがあるからか、本書全体から「落合先生らしさ」を観測しながら読了。甲骨文字や金文、篆書などについて「何であるかは知ってるが、本を読むなどをしたことがない」状態である私的には、ちらほら頭に入ってこない解説があったものの、背表紙帯の部分にある【イヌはいかにして「犬」になったのか】などの概要が、ほんのり理解できた気がしている。巻末にもあるように、我々が漢字を知ることは、直接的には現代社会への参加・適応する手段と言えるであろうから、今後も漢字に対する興味を深めながら生きていきたい。
0255文字
乱読家 護る会支持!
新着
甲骨文字から篆書(てんしょ)、隷書(れいしょ)を経て楷書へ。 字形の変化を丹念にたどると、祭祀や農耕など中国社会の変化の軌跡を読み取れる。漢字がもつ四千年の歴史は、捨象と洗練と普及の歴史。。。なるほどねーーー 紀元前2000年ごろに出来た漢字の原型。 犬の形を表した象形文字から、長い年月をかけて「犬」になり、また「獣偏」になった。 「牛」の角は最初は二本有った。 「羊」の角は二本残った。 「馬」の特徴はたてがみ。 「貝」は財貨を表す(¥)が変形。 「卵」は、鳥ではなく、魚か両生類の卵から。
0255文字
解体工事
新着
ネタバレ漢字の字形を考えるにあたって、甲骨文字だけをみてもダメで、殷代・西周代・東周代・秦代・隷書・楷書と変化を辿っていくことが必要。字形表があるため、実際に文字の変化をみられるのもポイント。
0255文字
kawasaki
新着
豊富な実例に興味の尽きない本。高校世界史教科書などではたいてい「甲骨文字→金文→篆書→楷書」の変化の表があって、「馬という字はこういうふうに変化したのだなあ」などと理解するのだけれど、そのように単線的な変化ではなかったことがよくわかる。始皇帝による統一字体「小篆」が必ずしも現在の字体と直線でつながっていないこと(官吏の常用書体(→隷書)は必ずしも「小篆の崩し」でない)、現在「俗字」「新字」とされている字体の中には古代以来の「由緒ある字体」もあることなど、知れて楽しい。
0255文字
ちはや
新着
思ってたのと違ったけど、懐かしいなぁとページをめくりました。またやりたいなとは思えど、練習嫌いの私だし(^_^;)発表会も年一とはいえあったし、それが年一とはいえあっという間なのよね。時の流れを見てても、やはり楷書より隷書篆書金文に甲骨文字のほうが好きだわ。草書、行書は苦手(^_^;)
0255文字
terve
新着
殷の時代、甲骨文字からどう変化してきたかを段階に分けて解説している本です。単純に変化を見るだけでも楽しいのですが、「こんなに変わったんや!!」というような漢字も多く、人間の想像力(?)に驚かされました。
0255文字
糸
新着
丁寧に形を追ってくれているのでさすがに理解しやすい。落合先生が作ったというフォントですが、時々とてもかわいい形になってるの、いいですね。
0255文字
さとうしん
新着
漢字の時代的な字形の変化を中心に見る漢字本(あるいは字源本)。楷書の段階の異体字にも、古文字にその起源をたどれるものが以外に多いという印象。ただ、第七章に関しては字形の変化を「字源説の変化」ととらえてかなり踏み込んだ解説をしているが、単に字形の訛変ということで解説した方がよかったのではないかと思う。
さとうしん

というわけであとがきで私の名前も出ているので、微妙に歯切れの悪いレビューになってますが…

03/20 17:55
曲月斎

探してみます。

03/21 22:19
0255文字
全19件中 1-19 件を表示
漢字の字形-甲骨文字から篆書、楷書へ (中公新書 2534)評価73感想・レビュー19