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資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界

感想・レビュー
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於千代
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600ページ以上の鈍器本で、100ページちょっとの講談社現代新書では省かれていた様々な経済理論も紹介されており、宇沢の人生や思想とともに経済学の思想潮流の変遷も何となく理解できた。経済学史を少し理解すると、宇沢の独自性や重要性が少しわかったような気がする。(多分、わかったつもりなだけだろうけど) 次は『社会的共通資本』や『自動車の社会的費用』も読んでみたい。
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ともふく
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ネタバレ闘う経済学者、宇沢弘文の生涯。戦後の経済学の中心にいた方であり、その生涯を辿ると経済学史そのものとなる。宇沢が関係を結んだ友人や教え子は、殆どがノーベル賞受賞者。宇沢も受賞すべきだったと語る人は多い。人種的差別もあったに違いない。後年は地球温暖化や成田闘争に関わる。資本主義の進展により、大切な社会的共通資本が毀損されていく。誰もそのコストを負担しないという問題。経済の仕組みの中にそれを取り込み、守ることに生涯をかけた。
ともふく

資本を持つものが有利で、金儲けの話ばかりの世の中を見ると、資本主義はこれでいいのか、と思う。しかし、グローバルな競争の中で勝って行かなければ、日本は食べていけない。どうしたらいいのか。悩み続けたい。

10/20 10:02
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健康平和研究所
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607頁 沖縄の要求を解決できないようでは日本の未来はないんだって、という所に賛同。酒席を好むという所に、親しみを感じる
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linbose
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★★★★★ 宇沢弘文の評伝だが、その事績を詳細にたどることで、世界の経済学の潮流の盛衰記にもなっている▼著者には、宇沢とは思想的にも人間的にも対極と言ってよい竹中平蔵の評伝(大宅賞受賞)がある。竹中が政権中枢に入り日本経済を動かす一方、宇沢は、民主党政権ができた時に宇沢を担ぐ動きもあったようだが実現せず、その思想が日本の経済社会を主導するものとはならなかった▼昨今、格差拡大が進む中で、社会的共通資本についての理解、共感が進んできているように感じられる。時代が宇沢に追いつきつつあるのか?▼その気骨を尊敬する
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けつねうろん
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数理経済学者、宇沢弘文の伝記。「経済、経済というが、要は人の心が大事だと言いたいのだね」という昭和天皇の言葉がこの人の、人となりを表していると思う。ノーベル経済学賞をとったスティグリッツ先生はこの人の教え子だそうだが、フリードマン的な財政均衡主義に凝り固まって長期停滞を招いているの日本の現状を宇沢先生はどう思っているだろう。人の心を大切にしない、新自由主義と緊縮財政にどっぷりな日本の経済学は、放っておくと国を亡ぼす。
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いとのり
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宇沢先生のお名前も聞いたこともなかったけど、こんな先生がいらしたとはびっくりです。といっても経済学をさっぱり知らない私には中身をどこまで理解できたのか怪しいものですが。。。それにしても資本主義はやはり問題がありすぎですね。人類は新しいスキームを模索し、乗り越えていかないといけないな、と改めて感じました
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どら猫さとっち
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宇沢弘文といえば、仙人のような風貌で、ラグビーで鍛えた長躯頑健で、東大の五月祭のポスターでは天使に扮して登場するといったイメージが強く、実のところあまり知らなかった。そうした認識で本書を読むと、日本の経済学に大きな影響を与えた人だということに驚いた。人々を幸せにする経済とは、社会偏見の義憤、他者とぶつかりながら闘う姿は、学ぶことが多い。経済が危うい今の日本でもう一度、彼を見直す時期が来るのではないか。
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trazom
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宇沢先生の生き様とともに今世紀の経済学の変遷が理解できる充実した一冊。先生を市場原理主義との対立軸で捉えていたが、実はアメリカ・ケインジアンへの失意の方が大きかったかもしれない。ベトナム戦争や水俣病などに深く関わり「行動する経済学者」として先生が到達された社会的共通資本の概念に深い感銘を覚える。昨今、SDGsやESG投資の言葉とともに宇沢先生の名を口にする人がいるが、「経済学の原点はコンパッション」「大切なものはお金に換えてはならない」という先生の志は、そんな胡散臭い流行語とは比べ物にならないほど気高い。
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Kooya
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経済学者・宇沢弘文の生涯を論じた評伝。新古典派経済学の分野で多大な業績を挙げた宇沢が如何にしてその理論的妥当性に疑問を抱き、社会的共通資本の経済学の構築に心血を注いだかが詳細に記されている。本書では宇沢の経済思想は勿論のこと、宇沢と関わりのあった経済学者の思想についても随所で触れており、アダム・スミス以降の経済学の系譜を体系的に概観できる点で経済思想史の本として読んでも面白いと感じた。(コメント欄へ続く)
Kooya

また、人間を能動的な存在と見做し、人間の心を経済分析に入れようと奮闘した様は、マーシャルが言った「Cool Head but Warm Heart」という言葉を経済学にもう一度組み込もうとしていたのだろうと思った。一方で私自身も宇沢の著作を通じて薄々感じたが、社会的共通資本の経済学の弱点は理念の具現化が非常に難しいということだ。実際宇沢自身も「三里塚農社」の実現等を通じて自らの理論の正当化を試みたものの、結局は頓挫してしまったという点が大衆からの無関心に繋がったのではないかと思った。

11/06 14:16
Kooya

とはいえ本書は市場原理主義を批判的に捉え、人間が尊厳を持って社会を形成するための理論を構築することに生涯を捧げた経済学者の軌跡をリアリティを持って追うことができる点で一読の価値があると認識した。

11/06 14:16
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流れる星は生きている
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宇沢弘文の生涯と当時の経済学の考えが知ることができてとても良かった。東畑精一らとの交友関係などは全く知らなかったので興味深かった。でも資本主義そのものを否定してはいなかったと思います。あくまでも全ての問題を市場メカニズムで解決できるとする当時の潮流に異を唱えただけで。今ではこうした考え方が一般的になってきたけれど、当時こうした主張をするには勇気が必要だったと思う。
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tharaud
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いい本だった。宇沢が生涯かけて闘った市場原理主義は、もはや空気のように瀰漫しているように感じる。『社会的共通資本』がユートピア論だという印象は誤りではなく、むしろユートピア論だからこそ重要だ。夢見ることすら難しい世界になりつつある中で、宇沢が敗者ではなく先駆者として振り返られる未来が訪れることを願う。
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せきも
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経済学者の宇沢弘文さんの生涯について、その考え方とともに描かれていました。経済学の歴史についても理解を深める事ができましたが、資本主義社会における問題点も興味深かったですね。市場メカニズムでは解決できなかった公害問題への取組みは、現状の地球温暖化問題にも通じると思えました。特に日頃感じていた排出権取引への違和感について、理由が分かったような気がします。社会的共通資本の考えは新鮮でしたね。以前読んだ「人新世の『資本論』」の理解にもつながりました。
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Sam
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宇沢先生の評伝。評伝を読んでこんなに胸が熱くなったことはなかった。数学を志した学生時代、数理経済学者として時代の最先端を走っていた米国時代、日本に帰国し公害問題を端緒に「社会的共通資本」の確立に情熱を注いだ時代が丹念に描かれている。経済学は社会科学ではあるが、それに留まらず人間としてどう生きるかという問題と切り離せなかったのが宇沢先生の素晴らしさでもありある意味悲劇でもあった。「経済学の原点は、人間の心を大事にすること、一人ひとりの生き様をどのように考えていくかなのです」という宇沢先生の言葉が重く響く。
ガラスの文鎮(文鎮城)

宇沢弘文『社会的共通資本』を今読んでます。

10/17 22:51
Sam

いまこそ改めて読む価値があるのかもしれませんね。長らく積読本になっていたのでこの機会に私も読んでみようと思ってます。

10/18 05:45
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りんりん
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出版された年に、たまたま本屋で分厚いこの本に出会ってしまい(笑)、一気に読んでしまってから、やたら経済学の本を読むようになってしまった。今回は電子書籍で再読。 Hirofumi Uzawaの凄さを感じる一方で、亡くなった後で奥さんが、日本に帰国した後のUzawaを評して、「宇沢は、ひとりぼっちでした」と語る場面がとても印象深い。
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n-mochizuki
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本書には膨大な数の経済学者が取り上げられているが、経済学をかじった程度の自分にはなかなか理解が追いつかなかった。ただ、その情報量から宇沢弘文という稀有な経済学者の巨人っぷりは垣間見れると思う。人生の後半に行くにつれ、様々な運動に巻き込まれ、時に自ら率先して身を投じていく宇沢になんとも言えない悲哀を感じた。あとがきの宇沢は「ひとりぼっちだった」という記載に涙が出そうになった。何年か後にまた読んでみようと思った。
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あったろう
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数理経済学には自然科学に近い客観性があると思っていたが、全くのイデオロギーの世界で驚いた。これに関連してノーベル経済学賞も平和賞と同様に政治的なものだと感じた。 宇沢博士はすごい人だが、結局実務を知らない学者が実践に入ろうとして失敗し、最後は唯我独尊的な傾向もみられ、生き方は難しいと感じた次第。 昭和天皇への進講の際、陛下が「君は経済、経済というけど人間の心が大事だと言いたいのだね」とのコメントに何ともいえない優しさを感じた。 読んでよかった。
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katayon8
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ネタバレタイトルに惹かれて購入。宇沢弘文の半生と、彼が身を投じた経済学についての一冊。 宇沢弘文が主張した、市場原理主義への批判、経済活動における社会資本(自然などの公共の財産)考慮の必要性がとても共感できた。「近代経済学では、人をあくまでも『損得を計算する機械』とみなし、そこに心はありません」という言葉が印象的。 関わる人物や時代背景まで詳細に説明されている。故に、ボリュームが非常に多く、経済学の専門家では無いので理解できない部分も多かった。が、現代社会について色々考えさせられる、気づきが多く得られた一冊。
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読書実践家
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日本の経済学者が世界に通用することが実感できる一冊。
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フランキー
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宇沢弘文の生涯。感動。2021年Covid-19のパンデミックもあり行きすぎた資本主義に対する議論が世界中で起きている。今宇沢先生が生きていたらどう思い、どう行動するのか。本書の中でとても印象に残っているのは、文化功労賞を受賞したとき、ケインズや社会的共通資本について支離滅裂な状態でしゃべっていた時に、それを遮って昭和天皇に「君、君、経済経済と言ってるが、要は人間が大事だと言っているんだね」 と言われたこと。これを宇沢先生はコペルニクス的転換であったと回想していること。
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ウェイ
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アメリカで恵まれた研究者の地位も名誉もかなぐり捨てて日本に帰国し、公害問題等社会問題に取り組む事にようになった宇沢弘文は、正にノブリス・オブリージュを地で行く人物だった事が良く分かる600頁を越える浩瀚な書物だった。
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きゃれら
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我が国が生んだ偉大な経済学者宇沢弘文氏の評伝なのだが、20世紀の経済学の歩みを総攬する本でもあった。スミス→マルクス→ケインズ→フリードマンと読んできて、なぜ市場原理主義がリーマンショックを経たのちも、水道民営化の策動みたいに死に絶えないのか不思議で仕方なかったが、その経緯はよくわかった。経済学を志す人は必ず読んだ方がいいと思う。しかし、現実がどうあれ理論がマネタリズムを擁護してりゃそれでいい、ってフリードマンさん、ある意味すごいな。迷惑だけど。
きゃれら

600ページを超えるハードカバーで、とにかく重かった。書店で見かけて衝動買いしたので仕方ないんだけど、kindleで買うべきだったかも。通勤電車で読むには不適。肘が腱鞘炎になりかけた。まあ、それだけの価値はある本でしたが。

03/30 15:53
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ntoshishige
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◆2021/2購読。こんな数学者&経済学者さんがいたとは!宇沢さんの思想を受け継ぐ学者さんがいない、というのが残念でなりません。
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contradiction29
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宇沢弘文の業績は星の数ほどあるけど、彼の一番の業績は「社会的共通資本」の概念を提起し、精緻化していったことだと思う。人間が豊かな生活を送るうえで必要な財・サービスを提供する一手段として社会的共通資本があり、それを確保して、一人一人が豊かな人生を実現できるようにしようというのが彼なりのLibelalismだったのではないか。市場原理主義にはこの視点が決定的に欠けている。人間にとって基本的な財・サービスを供給しようという視点が欠けている。彼自身は死んだが、彼の問題提起はまだ生きているし、解決されてもいない。
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かご
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上司に勧められ。分厚すぎ&難しすぎて、かなり超✖️10飛ばし読み。★出張などサマリーが欲しい。
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前田まさき|採用プロデューサー
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✅市場原理主義に対抗する理論として、宇沢が提唱したのが「社会的共通資本」。経済学の分析手法を踏襲しながら、何でも市場化しようとする市場原理主義に対抗するものとして構想された。✅「社会的共通資本」をめぐる考え方は、全てのものは市場化されると考える主流派の「市場原理主義」とは相容れないものであり、主流派経済学との闘いの様相を呈した。宇沢が「闘った男」と評されるのは、それゆえである。
前田まさき|採用プロデューサー

✅かつてマルクス経済学に傾倒していた宇沢が、在野の研究者として経済学を独学しているときに出会ったのが、数理経済学。思弁的なマルクス経済学に比べて、高度な数学を取り入れた数理経済学は、宇沢の思考によどみなく入ってきた。こうして宇沢はマルクス経済学から数理経済学へと転向を果たした。

11/06 07:33
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kkk
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いったんストップ
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ekko
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ほとんど「経済学史」的内容で、無知な私にはかなりむずかしかった。が、わかったことは、どんなに優れている人でも、同士と環境がなければ活かせない、ということなんだ、ということを感じた。
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三原城の守り人
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AAA
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ポテンヒット
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アメリカの経済学の第一線で活躍していた宇沢弘文が何故突然日本に帰り、その後経済学を批判し公害や環境問題に取り組むようになったのかに興味を持って読んだ。真の経済学者は世の中の不平等を是正し、全ての人が基本的人権を享受できるような社会を作る努力をする人だと思った。コロナ禍の今、ちょっと立ち止まって今の経済を見直す際の手助けとなる書。奥様の「宇沢は、いつもひとりぼっちでした」との言葉に少ししんみりした。
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しおうり
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力作だったが、主人公宇沢先生が日本に帰国してからの部分をもう少し取り上げてもらいたかった。
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izumone
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今年の夏休みの一冊。図書館で借りて読んだが,手許に持ちたくて購入してしまった。
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meòrachan
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大傑作.かなり分厚い.
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レイノー
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2019年刊。著者は元日本経済新聞社記者。◆帯の「その男の人生は20世紀の経済学史そのものだった―。」のまゝの人生行路。とはいえ、経済学の枠を超越した超人の人物評伝だ。端的に纏めるのは容易ではないが、➀少年時代から培った数学を用い(数学科でもトップクラス)、➁時流に乗った数理経済学で米国、否、世界的業績を上げるも、➂事後の新潮流・新自由主義経済学に潜む非倫理・非道徳に決然と反旗を翻し、④批判の理論武装を展開しつつも、⑤水俣病など公害問題に抗する実践、三里塚農民闘争の支援、⑥⑤と並行して環境経済論文の発表。
レイノー

具体化するのは困難だが、誤解を恐れずに言うならば、リベラリストかつ複雑系経済学の志向者くらいしか想定できないが、日本にはいないだろうな(多分)。◆そして著者。かなりの大部。また仮に経済学の理解が不十分ならば、新古典派経済学者から、そこにマルクスを架橋させつつ原理的ケインズ経済学者?に転身していった、宇沢氏の議論を説明することは不可能であったろう。日米ほか多くの関係者へのインタビュー、種々の書から宇沢への言及を引用し、また宇沢著作の引用も少なくない。この労作は著者の力量と努力が結実したと見ても過言ではない。

06/27 19:54
レイノー

◇人間宇沢弘文に接近したいならばお勧めの一書であることは言うまでもないし、さらに言うと、経済学、就中、新自由主義的経済学やニューケイジアンへの批判の底意とその意義を深めたい場合には猶更と言えよう。

06/27 19:55
4件のコメントを全て見る
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tt
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宇沢先生について今まで何も知らなかったことがよく分かった。経済学の戦後の流れについても学ぶことができた。今ご存命ならどんなことを言われるのだろうか。
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haru
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ネタバレ城山三郎賞受賞、片山元総務大臣が薦めていたので読む。p638の枕のように厚い本。半分まで読んだところで面白くて購入することにした。p71 「医者が人の病を癒すなら、自分は経済学者となって戦争で荒廃してしまった社会の病を癒そう。それが宇沢の初志だった。」p223 マルコム・Xは白人社会に同化されることを指向していたそれまでの黒人運動の方向を180度転換して、黒人自身の文化的、歴史的条件の中から新しい生き方を求め、そのためには体制自体の変革を求めなければならないということを主張していった人。彼の悲痛な訴えに→
haru

→対して、もし耳を傾けないものがあったとすれば、それは救いようのない倫理的退廃そのものに他ならないとさえ感じられたのである。」p276「ナイト教授にとって経済学の研究はあくまで、市民の一人一人が人間的尊厳を守り、魂の自立を支え、市民的自由を最大限に確保できるような社会を実現するという志を持っておこなうものであって、決して政治的権力、経済的富、宗教的権威に屈してはならないというのが常日頃の信条だったのである。」p287 1960年代最適成長問題が主要なテーマとして登場した。

03/20 16:11
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1959のコールマン
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☆5。宇沢弘文の評伝だが、それがそのまま戦後の経済学史(アメリカ)及び現代史(日本)になっている。故に経済学史の知識(特に戦後アメリカの経済学)を持っているとより良く読めると思うが、分からないところをすっ飛ばしても十分内容がわかるようになっている。浅学な私は、ケネス・アローに招待されてから、日本に帰国するまでのアメリカ経済学会における貢献度が半端じゃなかったとは全然知らなかった。ましてや、ノーベル経済学賞を受けたジョージ・アカロフ、ジョセフ・スティグリッツ、そしてロバート・ルーカスなどを育てたなんて。
1959のコールマン

もし、そのまま米国、もしくは英国の大学にいたならば確実にノーベル経済学賞だっただろう。ざっと読みなので、また再読、熟読したい。

02/19 20:33
1959のコールマン

不満なところは引用部分が分かりづらくなっているところ。引用が多い割に不親切。ここは引用、ここは本文と印を付けながら読むと混乱しないだろう。

02/19 20:34
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月をみるもの
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シカゴ学派といえばフリードマン、宇沢と言えば白く長い髭、、、みたいな通俗的なイメージしかなかった自分にとっては、目から剥がれた鱗で鎧を作れそうなくらい勉強になった。宇沢という個人だけではなく、経済学という学問そのものの歴史にもなっている。戦う相手が国家やら企業やらじゃなくて、「資本主義」そのものなんだから当然と言えば当然なのだが。
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速読おやじ
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ノーベル経済学賞を受賞すべきだった宇沢弘文の生き様を綴った大作。米国時代と帰国後では全く変わってしまったと言われる宇沢の言葉と行動に圧倒される。帰国後は公害、環境問題に真剣に取り組む、まさに資本主義と闘う経済学者だった。共感することも多い。スティグリッツの著書に似ているところがあるなと思っていたら、何と宇沢の教え子だというではないか。スティグリッツが宇沢を敬愛していたエピソードも出てくる。ミルトンフリードマン、ケネスアロー、サミュエルソン、ソローなど有名経済学者がぞろぞろ出てくる。今年のベスト経済書!
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ロビン
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『社会的共通資本』等を著し日本人で最もノーベル経済学賞に近いと言われ、アローやスティグリッツなど多くの受賞者から尊敬されていた経済学者・宇沢弘文の伝記。宇沢は日本に帰国し水俣病や環境問題などの社会問題に関わるまではアメリカやイギリスで世界トップレベルの経済学者たちの中で研究をしていたため、交流のあった学者は悪名高いフリードマンを含め著名な人物ばかりだが、彼らの経済学理論や宇沢自身の「2部門成長モデル」なども解説され近代経済学小史の観がある本。優れた頭脳と温かい心を持ち合わせた偉人の傑作評伝だ。お勧め。
moyse_n

ロビンさん、昔どこかで宇沢弘文の名前が出て、『自動車の社会的費用』(岩波新書)を読みましたと書いたら、詳しい人から「ああ、あれは名著ですね」といたく感心されて、読み直そうと思ってそのままになっています(笑)。

02/06 18:53
ロビン

moyse_nさん、コメントありがとうございます(^^)『自動車の社会的費用』読まれたとはすごいですね!わたしは『社会的共通資本』と共に長年積読してます(^_^;)宇沢弘文さんの著書は今読みやすそうな新潮新書の『人間の経済』を読んでいます。講演&インタビュー集です。

02/06 19:45
3件のコメントを全て見る
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しんすけ
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宇沢弘文の考え方が明確に示されるのは『自動車の社会的費用』(1974年)からの様に想える。 それについては本書半ばから明らかにされる。それまでの300頁は宇沢の研究活動が中心となっている。 この前半はケインズ理論に対するアメリカ経済学史とも捉えられ、これがなかなか面白い。 なかでもシカゴ大学でのフリードマンとの交流は宇沢の大きな人間性を想わせる。考え方が宇沢とは極端に異なるフリードマンだったが。 宇沢がシカゴ大学を去るを惜しんだのもフリードマンだった。
しんすけ

『自動車の社会的費用』は宇沢の自由放任主義への批判だ。高度成長が生み出したものは公害だけだった。自動車生産は何れ無くならねばならない。そうでないなら地球絶滅を黙して迎えるだけだ。これは一時は為政者にも受け入れられていた。それは経済企画庁時代の宮澤喜一との対談からも窺われる。しかし1980年代に入るとレーガン・サッチャー・中曽根という超右翼たちによって新自由主義が世界を先遣し、今もその状態が続いている。著者もここに至って「宇沢弘文は、敗れたのである」としか書かざるを得なかったのである。

01/22 20:46
しんすけ

宇沢はアメリカでは「ヒロ」と呼ばれている。中には「ヒーロー」と呼ぶ人も居るらしい。それは宇沢の生き方を象徴しているような気がしないでもない。 そこには現代に蔓延る新自由主義を許してはならないとする正義が、僅かながらも生き残っているからに違いない。 マルクスが解析学を理解していたら、その再生産論は緻密なものとなりケインズ理論にある一部の脆弱性は打破されるものとなっていたのでないだろうか。

01/22 20:47
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資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界評価91感想・レビュー65