(290くらいまで) 年功序列も新卒一括採用も昔の官庁が都合の為に、なんとなく始めたら、それがいつの間にか、ルールになったものであり、最初からそれを目的として始めたわけではない。つまり、今世の中にある自分を縛るルールも、なんとなく知らないうちに出来上がったものあるのでは無いかという仮説が生まれた。そしてなんとなく出来上がったことにすら気づいてない人の方が多いのではないか
(最後まで) このペースで読み進めていくと、永遠に終わらないそうなので飛ばし読みしながら進めた。今ある様々な慣行は、歴史の中における様々な積み重ねと、関係する人間の合意によって成り立っている。ある慣行を変えようと思ったらみなの合意を取らなければいけない。そのため、現在の前提を認識することも必要だし、現在の延長線上に何があるのかを考えることもとっても大事なことなのだろうなと思いました。突飛な発想は突飛な発想だけではよろしくない。関係する人間の合意を取る、 600ページ近い読書。 おつかれさまでした。
しかし戦後新制大学が増えて大学卒業の価値は下がる。戦前は上級社員、下級社員、現場労働者と3分割されており上級社員は帝大卒、下級社員は旧制中学卒、現場労働者は社員ではなく親方が個人的に集めた雇員だった。戦後労働組合が出来てまず行われたのは現場労働者の社員化。つまり「平等」が優先された。なれば劣後したのは企業横断的職能組合。職能別組合を作るにはそれぞれの職能を定義する必要がある。日本人は職能を明文化する事に抵抗もあり苦手でもある。結果として企業別組合が出来た。経営側の勝利だ。欧米の組合の多くは職能別組合だ。→
企業ごとに分割された労働組合は1960年代にピークを迎えるがその後経営側に取り込まれて行く。欧米の職能別組合は現場労働者の組合であるのに対して日本の企業別組合は将来の経営者たる層も含む組合なので何かと経営者に忖度する様になる。一方非正規社員に対しては冷たい態度を取るのは知られている。日本の労働組合に支えられた政党に勢いが無いのはこういう理由。英国労働党があくまで現場労働者の労働組合にベースを置く事で二大政党として存在感があるのもこういう理由。その他色んな視点から日本のしくみを解析している。お勧めです。
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