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IDENTITY (アイデンティティ) 尊厳の欲求と憤りの政治

感想・レビュー
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5hintaro
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ウクライナ侵攻にも繋がるアイデンティティの政治。これからよりカオスな世界情勢を理解するために一度目を通してよかったと思った。
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藤宮はな
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アイデンティティ・ポリティクスの良い面と悪い面があるというのは昨今のトピックだ。著者は良い面を動員して右派ポピュリズムに対抗出来ないかと考えているようだがあまり具体案は見えない。トランプ大統領誕生や各地の右派ポピュリズム台頭の背景を分析し、マイノリティを包摂する事で、貧困でも現在見向きもされない白人へ訴求効果があるというもの。それが宗教やナショナリズムと結びつく。移民をどこまで同化させるかアイデンティティを保持させるかの争点などでも左と右で別れる。ナショナル・アイデンティティと個人の理念のズレは難しい。
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numainu
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評価B
0255文字
tu
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【ルソー56、88】その後の世界政治の土台となったのが、社会と呼ばれるものが人間個人の外部に存在するという考え。数多くのルール、関係性、命令、慣習が人間の可能性実現を阻み、幸福を妨げている。この考え方は我々にすっかり染みついているので、普段意識されることはない。目に見えるのは、罪を犯した若者が「社会が自分にこうさせた」と申し開きをする時、女性が周囲の男女差別的な社会のせいで自分の可能性が狭められていると感じていたりする時。 個人の権利をあまねく承認する道と、国民体で集合的な承認へ向かう道の重なり
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ばぶでん
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難解だが興味深い【備忘】欲望と理性以外の精神の構成要素としてのテューモスが誇りや屈辱を司り、承認を希求する(歴史は承認をめぐる闘争であり、収入も地位・承認を得るためともいえる)。他と同等に見なされたいアイソサミアと他から抜きん出たいメガロサミアがある。近代アイデンティティは、①承認希求する性質、②内面的・外面的自己を区分して前者に道徳的価値を見出すこと、そして③尊厳の拡大を現象とする。自由民主主義の柱である自由は権力からの自由と政治参加の自由であり、平等は結果の平等ではなく、前記2つの自由の平等。
ばぶでん

続】人の尊厳の根拠は自ら道徳的選択できることだが、道徳的価値自体を個人の自律に委ねると社会共通基盤を喪失する惧れ。承認要求の主体は個人とされてきたが、集団も承認を要求。政治的求心力が左翼階級闘争から大衆迎合的、セラピスト的なナショナリズムや宗教に向かう。特に保護された移民により中間層が脅かされているという感覚。トランプの勝利はポリコレの圧力に怯まない姿勢への評価も。自由民主主義と相いれない文化も多文化主義の名のもとに受け入れるのではなく、自由民主主義的価値を重視するナショナルアイデンティティ涵養が重要

05/17 22:47
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奏市
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『歴史の終わり』を著した米国政治学者の書。世界中で個人や小集団の承認欲求が膨大し、憎悪や排外主義に訴えるポピュリズム政治化が進む社会をいかに寛容で民主主義が機能する社会へ変容させられるかといった内容。「リベラルで民主的な政治の価値観や、多様なコミュニティを結びつけて繁栄させる共通の経験を中心に構築する」ナショナル・アイデンティティの重要性を主張してある。それを基に福祉国家として成功している北欧諸国、それが希薄で多様性がマイナスに働いたシリアを例に挙げるなどして。民族ではなく理念で纏まる国家へ。/図書館より
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Yuki2018
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共産主義崩壊後、政治はアイデンティティを巡るものとなった。グローバル化が進む中、深刻なアイデンティティ問題が表面化した。マイノリティの権利ばかり主張する安易な左派と、民族主義的な右派が、狭いアイデンティティ同士で競い合う。しかし民主主義国は共有規範や愛国心無しに存続できない。著者は、共通言語と民主主義への愛着といった理念による最低限の国民同化、国民が積極的に奉仕し徳を養う公共政策を主張。自由民主主義が存続し中国のような集権国家を凌ぐには、コンセンサスの欠如でなく理念共有が必要だ。極めて刺激的で重要な一冊。
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jackbdc
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考えさせる本。思考が深まるというより循環してしまう気配もあるのだが。気付きも得られたが受け容れられないと感じる部分もあった。気付き1.アイデンティティの誕生:近代になって登場した。2.トランプ現象の理解:反知性主義と嘆くのではなく支持者の動機と行動を理解する姿勢が重要。3.貧困と屈辱の結合:貧困の解決単独では×。感情(尊厳・屈辱)と併せて対処する構えが必要。4.宗教の衰退。違和感1.ヒトの環境適応:人は急に変われない。外部環境激変し過ぎで茫然自失に至る流れなのでは?2.アイデンティティ捏造はいかんでしょ。
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隠居
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老人とは思えない鋭く的確な分析力。日本では既に40歳くらいから「思考停止」や「老害化」「オワコン化」が始まる論客や学者が多い印象(主観調べ)があり、他人事ではなく自分自身も「時代に付いていくのは年齢的にもう終わりだな」と諦めていたが海外の論客や学者は70歳になってもこんな現代的な社会批評を最前線で書き続ける事ができるのかよと衝撃を受けた。フクヤマ叩きは昔から多いが明らかに只者ではない一級の思想家である。そして意外とリベラルで、所謂ポリコレもフェミニズムも否定しておらず、逆にトランプを酷評している。
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たか
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自由・平等・民主主義などの理念に基づきナショナル・アイデンティティを形成して国民を統合し、移民に対しては同化を要件とすべきとのこと。
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zel
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難しかったけど、きっと全然理解できてないけれど、面白かった。アイソサミア(同等とされたい欲求)メガロザミア(ほかより抜きんでたいという欲求)テューモス(気概)の関係に納得。アイデンティティを切り口に世界を見ていて世界の見え方がまた変わって面白い!人ってなんだ?自分ってなんだ?人権って?などいろいろ考えながら読む。
zel

LLL けっかとして

09/11 22:52
zel

図書館本

09/11 23:11
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あまね
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3Lトランプ後の政治状況を説いた書。書下ろし的な色彩が強いが随所に鋭い論点の提示あり。プラトンの国家で欲望、理性と独立して働く第三の構成要素テューモスを元にルター、ルソーに至る系譜から現代のアイデンティティ概念を据える。多文化、多様なマイノリティのアイデンティティを受け入れる余地ができたからこそ、彼ら彼女らどっちでもない人達の自尊心を損ねることを咎める自由の不自由化、この左派のポリティカルコレクトネスを計算高く右派の文脈で利用したトランプの戦略。宗教も自尊心を中心に据えたセラピーへと向かうのも興味深い。
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GASHOW
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タイトルは面白いが、内容がかたいな。
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ヤギ郎
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著者の代表作である『歴史の終わり』から続き、トランプ大統領誕生以後の文脈を分析することが本書の目的である。今現在世界中で起きている社会問題に、「アイデンティティ」を繋げることが本書の議論である。テレビ等で「Black Lives Matter」やフェミニズム運動が報じられている。なぜ彼ら彼女らは「必死に」運動に参加しているのか。この運動の裏には、単なる人種や性別の「差」だけでなく、自身の尊厳を獲得するための人間的行動が現れている。ネットコミュニティに誕生するアイデンティティについても議論される。
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numainu
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評価A
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センケイ (線形)
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歴史的経緯とともに、所属に基づく生の意味が丹念に整理される本だ。個人的にはギデンズの市民社会の方が好みだが、しかし多文化を包摂する自治に国家的まとまりが必要だとする当書の観点からも学べることが多い。経済的充足だけでも賄いきれない尊厳というものを描いている視点にも鋭いものを感じた。
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やまうち
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☆10
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sayan
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著者は「歴史の終わり」を振返り「尊厳の承認が自由民主主義を脅かす可能性」を指摘したとする。その上でフクヤマは本書で「リベラリズムの核である「個人の自律(カント)をどこまで広く捉えるべきか」と論点を示す。1)共有された価値観がなければ個人の社会生活は不可能、2)競合する価値体系が不協和音を生む場合、アイデンティティの危機が生まれる、と言及する点は目を惹いた。また、個人が規範の檻から解放される=自由のあまねく承認と国民単位での集合的な承認は重なり合う、とルソーの著作に言及する。「自由の命運」もこの点を論じる。
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madridkin
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ネタバレトランプ政権をはじめとするポピュリズム政権の誕生やブレグジット、イスラム主義の台頭の根幹にあるのは、疎外され、正当な尊厳の承認を得られていないと思っている人々の増加が背景にある。トランプ政権を支持する白人と欧州でイスラム主義に傾倒する中東移民の二世は同じ。  多様性を維持しつつ、同時に紛争や衝突を回避するには、そこに暮らす人々のナショナル・アイデンティティの強化が必要。このナショナル・アイデンティティは、民族的、宗教的なものであってはならず、共有された規範、ものの見方即ち文化、理念をベースにするべき。
0255文字
エリク
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人間の世界の仕組みの一端がわかる。 どうした行動が「ヒト」といわれるのか?
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