読書メーター KADOKAWA Group

メタボラ (文春文庫)(Kindle版)

感想・レビュー
12

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
やまおじさん
新着
タイトルが謎のまま、予備知識なしで読んだこの小説は、桐野作品の中でも何本指かに入る傑作だと思う。舞台は沖縄。それだけでも私にはうれしいのだが、副主人公ともいえる宮古島出身の男の島言葉が、この男のキャラクターを巧みに現わしていて、さすが桐野夏生だと感心した。主人公の過去が徐々に明かされていく展開も巧み。2005年11月から2006年12月にかけて朝日新聞に連載。現代沖縄の姿がよく描かれている。
0255文字
銅
新着
ただ海の近くで暮らしたいというミカのような人が、幸せに暮らしていけるのが本当に豊かな社会だと思います。でも日本は違います。努力したくない者やそうできない者は底辺に閉じ込められ、食い物にされる日本社会の意地悪さが実によく描かれています。主人公たちの、おとなしく底辺に押し込められているだけではないろくでなしぶりも印象的でした。一見善人のギンジの、まともな人ではないかもしれない一面がのぞくたびにヒヤッとします。たとえ記憶喪失で自分が何者かわからなくても、他人の歯ブラシを勝手に使うなんてあり得ないですよね。
0255文字
しょうた
新着
記憶喪失したギンジの謎が解けていく流れが面白くて、一気読み。
0255文字
GAVI
新着
面白かった。でもすごくしんどかった。それなのに清々しさも感じるのはなんでか?ギンジもジェイクもとても愛おしい。どこでもどんな形でもいいから、心穏やかに幸せに生きててほしい。
0255文字
たかゆじ@石原プロは永遠だ!!!
新着
上下巻で読了。最初はどうなるかと思ったけど、昭光のノリの軽さ、下巻で明かされる雄太の家庭事情、はたまた集団自殺の生き残りというのも見逃せない。
0255文字
yoshi
新着
記憶喪失したくなるような社会構造の歪みを突き付けられ、さぁどうする?と凄まれたような読後感。二人の視点から語られる本土と沖縄のリアリティ。自身の見方が揺さぶられる一冊。
0255文字
りんりん
新着
ネタバレギンジの物語は「路上のX」を思い出させる。底なしの沼にずぶずぶとはまっていく感じが似ている。アキンツは何も考えてなくて、宮古ことばも心地いい。なのにどんどん落ちていく。最後はどうなったんだろう。
0255文字
yuta_h_0704
新着
相変わらず桐野作品はきついね。けどわかっていても、読んでしまう魅力をもっていることを再認識した。
0255文字
ゆうひ
新着
前夜から読み始め、こんな分厚いやつ読めるかな?と思っていたがあれよあれよと読了。何者でもない「僕」が、ギンジになり、自分を取り戻す。その過程が沖縄の強い日差しの熱気まで感じられるように描かれている。昭光も最初は2人主人公的な感じかと思ったが、後半は裕太?ギンジ?の人生を軸として、その重要なポジションであることが明らかになり、ラストは完結というより新しい旅立ちという感じ。まさにロードムービーならぬロードノベル。貧困や派遣のリアルは、既視感があると思ったら相場英雄のガラパゴスか。
0255文字
さも
新着
長く寝かせていたけど、掘り起こしてようやく読んだ。後半の畳みかける展開はページをめくる手が止まらない。思考停止を余儀なくされ、人間らしい生活すらおくれない、貧困をさらに食い物にするような、こんな狂った現実が9年前にはすでに普通にあったことにあらためて驚く。そう考えると、まずいものに決して目を向けない、実は夢も未来もないかもしれない時代がずっと続いているということ。しんどい傑作。
0255文字
シオン
新着
ネタバレ沖縄を舞台にした物語。主人公が記憶喪失で山奥から始まる。助けてもらったジェイクも個人的な問題を抱えており、章毎に視点が入れ替わる。 米軍基地、ウチナーと本島から来た人間の意識の違い、労働賃金、水商売、海外からの派遣労働者、DVからの家庭崩壊など現代的な問題が詰め込まれている。 バッドエンドで救われないが、読み終えて自分に知識が蓄えられる。小説が面白い、と思われるのにはそういったアプローチで書くのも有りだと思わされる。 推理や感動をテーマにするのか、あるいは読者に考えさせるのを目的とするのか。参考になった。
0255文字
Sawa
新着
最初はどうなるかと思ったけど、後半は一気に読んだ。記憶を戻してくる頃からもうスイッチ入ってしまった。 桐野キャラでは私の記憶では初のゲイ主人公キャラ。でもすごくゲイなのか、ヘテロなのかも自分でわかりかねない描写とかすごくうまいなと思った。本当にそんな感じなんだと思う。 明るいジェイクが海を見ながら冷たくなっていくシーンは普通に泣ける。ジェイクに出会ったことで再生ができた雄太。ジェイクの軽さ、雄太が狂信的教祖から追い出され海に逃げるシーンなどとてもいい。
0255文字
全12件中 1-12 件を表示
メタボラ (文春文庫)評価46感想・レビュー12