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九十八歳になった私 (講談社文庫 は 5-10)

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山ろく
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ネタバレあとがきによれば「近未来空想科学私小説」。69歳の著者が30年後の日本に生きる30年後の自分の姿を活写する。とは言っても高齢なので少し動くのにもやたらと手間がかかるし、思考はあちこちに飛んだかと思うとすぐ眠くなってやたらと意識も遠のく。ことあるごとに自分の年齢に驚きながら、ため息交じりに昔の原稿用紙の裏に何やかやを書き連ねつつ過ごす日々がゆるゆると描かれる様はまさに私小説といえる。大地震でやられた東京から逃れて栃木の仮設住宅に一人住まいの作者の元へはたまに訪問者もあるが、全集出版の申し出の掛け合いは秀逸。
山ろく

「ちょっと違った視点」と「脱力系の技巧的文章」は作者の面目躍如。ちょっととぼけた内田樹の文庫解説だが、いつもながら「そうだよなあ」と思ってしまう。

06/13 20:43
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cyuyo
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ネタバレ当時68歳の作者が98歳の自分を想像してみた小説。東京大震災が起こって、作者は栃木に避難している。物忘れは激しくなったが、いろいろ過去のしょうもない思い出にふけっている。避難所の近くにはなぜかプテラノドンが飛んでいる。とぼけた内容の独白が延々と続く。災害や死の恐怖をある程度スルーして、ここまでとぼけられる姿勢は羨みを感じる。自分には無理だ。一方で、作者は2年後に亡くなっており、この作品は作者なりの終活だったのかもしれないと思った。
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takataka
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★★★☆☆当時68歳の著者が30年後の近未来小説という想定のディストピア小説。2018年に単行本で出版されたが、その翌年に逝去されている。小説ではいやでも長生きしていた氏だが、現実は早すぎる死だった。氏の評論は読んでいたが小説は「桃尻娘」以来かもしれない。長すぎる生を生きる老人とはさもありなんと思わせるハチャメチャぶりだ。
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takao
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ふむ
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かくやす
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ネタバレ老人の内面をのぞかされたような感覚。自分が老人になるイメージ今までよりくっきりさせられたなあ。そして、この小説を書き終えてから程なくして亡くなった著者のことを考えながら読まずにはいられませんでした。内田樹の解説は読むに堪えない。
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ばけうめ
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最初、本当に98歳の人が書いたエッセイなのかと勘違いしてしまいました。 当時68歳の作家が30年後の「未来小説」を書いたということがあとがきを読んでわかりました。 面白いか面白くないかと言われると微妙だが、それがこの 小説の特徴であり、個性でもあるのかな。
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ミカママ
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読んだ・・・としたが、実は1/4くらいで挫折。ときどきピカりと光る名言もある中、まさに老齢化の進んだお年寄りの繰り言を聞いているようで楽しくない。ほかに読みたい作品がたくさんあるので・・・。
ミカママ

シンシアちゃん、そうなんですよー。

05/30 20:15
ミカママ

かっこーしゃん、確かに過去にはあったね、そういうのも。まぁこれはイイや(笑)

05/30 20:16
6件のコメントを全て見る
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go
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ネタバレ#橋本治 #九十八歳になった私 #講談社文庫 終始ふざけてるようでいて、「人生は消しゴムのようなもの」、「悲惨なことを直視しても仕方がない」、「生きて老残の姿を晒すの。それに堪えて生きるの。」など「老い」にまっすぐに向き合ったから紡がれた言葉なんだと思う。
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練りようかん
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ネタバレ永遠に続きそうなボヤきがいちいち世の急所を突いていて面白く、事前情報なしで読み始めた為途中で時勢の不一致に疑いを持ち、過去の記憶と混濁してるのかと思ったら物語世界は首都直下型地震が起きた近未来であった。このやられた感が楽しい、「白紙の巻」がイイ、だって俺は98才だもの。こういうリズム作り、積み上げ方が上手いなと細部も俯瞰しても技巧の発見が沢山あって読書の愉悦を味わった。そして内田樹氏の文庫版解説もとても良かった。橋本氏の文体がヤミツキになるのは“脱力を推進力にしたグルーブ感”かと腑に落ちた。
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あったろう
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いまいち言わんとしていることがつかめず、もどかしい。90歳を越えたら日々の生活もただ生きていることを確認する毎日なのかと思う。
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じいじ
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あと30年! 自分は「こうなっているだろう?」と作家・橋本治氏が、空想・妄想をめぐらせた私小説。氏の年とともに、その頑固さにも拍車が掛かり面白い。あまりに奇想過ぎて爆笑してしまう場面も…。歳をとっても過去、現在、未来の区別がつくうちは、まだ大丈夫…と強気に仰る。齢八十を直前にして私も、九十八歳までは自信はないが、願わくば八十八歳(米寿)までは呆けずに愉しく本が読めればありがたい、と思っている。残念ながら、著者の橋本氏は、道半ばにして鬼籍に入られてしまいました。〈合掌〉
青いうさぎ号

「桃尻娘」シリーズを友人達と回し読みして盛り上がったのが昨日のようですが、ずいぶん月日が経ち、橋本治さんも亡くなられました。誰しも寿命はわかりませんが、本を読みたい〜、あれもこれも…と思ってるうちは大丈夫かと(笑)。広報部長殿、これからもお導き下さいませ。

12/31 14:36
じいじ

橋本治は、これが初読みです。『桃尻娘』シリーズは面白そうですね。でも、広報担当としましては、青いうさぎさんの蜂谷小説のレビューを待っています。良いお年をお迎えください。😊😊

12/31 15:10
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ふらっぺ
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未だに橋本治のいない世界を受け入れられない コロナの世界をどう受け止めたらいいのか?ますます取り残された感がする 甘えんじゃないのと言われそうだけど!
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Jack Amano
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「桃尻娘」以来のファンです(一応)。「窯変 源氏物語」なんかも大好きです。彼の妙に細部にこだわったニッチな話が面白い。笑えます。そこの面白さを面白いと思えない人には、「何これ?」という話になってしまうのだろうという危うさもある。一般向けというよりは、橋本治ファン向けの本です。でも、98歳にならずに2019年に70歳で亡くなられたのは残念でなりません。
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