形式:新書
出版社:中央公論新社
エピソードとして面白かったのはダイアナ妃のところ。スペンサ伯爵家という名門貴族の出身のダイアナだが、両親が6歳の時に離婚し、継母ともうまくいかず、上流階級としての教育を受けられずに中学過程を修了してしまった。そこが彼女の社民派としての魅力でもあるが、エリートの間では嫌われていた。ただ、子育てが一段落すると、対人地雷禁止運動やエイズ患者への支援など慈善活動に精を出し、これが逆に何もしてくれない税金泥棒の王族という誤解を生んでしまった。
しかし、王室の歳費は、王室が有する莫大な収入を全て政府に預け、その中の一部を王室に充てている。そのため、王室費はある意味、全て彼らのお金からだ。加えて、慈善活動も行っていた。しかし、慎ましく行っていたため、慈善パーティーや競売などに率先して出席し、アピールしていたダイアナ妃と比べるとやってないように見えたのである。ただ、このことから見習い、今では英国王室もSNSなどで積極的にアピールしているようだ。またカトリック教徒との結婚や、男女差別から絶対的長子相続制を導入して改革している。
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現地にいたわけではないから、反対の声もあったのかもしれないけど、それでも日本みたいなことにはなってなさそうなのは、悲しいお別れですけど、少し感動してしまいました。
女王の国葬をTVで見ましたが、国が一つになって静かに祈りを捧げている姿は品がありました。日本の場合、王族と政治家は違うので色んな声があるのは仕方ありません。でも「国葬を」と言ってもらえて、沈んだ気持ちが軽くなりました。敬意や感謝を経済で切り捨てない国で良かったと思います。
英連邦王国は2021年にバルバドスが離脱し、現在は15ヶ国。
長い経験を持つ君主を喪った英国は悲しみと不安に包まれているだろうが、昭和帝崩御後の平成の御世が一時代の君主像を示せたように、新王チャールズ3世陛下の時代もよき時代となることを願ってやまない。
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